【開催報告】9/11「スナックひとみvol.004」ゲスト：Caoriさん（ホテルマーケター）
スナックひとみvol.004（2020年9月11日開催）のゲストはホテルマーケターのCaoriさんでした。とてもまっすぐな強さを持つ魅力的なCaoriさん。ホテルマーケターとして活躍してされる傍ら、個人でも旅情報をはじめとした自分の経験と工夫に基づく情報発信を続けているCaoriさんに、ホテル業界のこと、転職のこと、そして誰も取り残さないためにどういう活動をしているかなど伺いました。
1. コロナ禍のホテル業界の変化
まず、ホテルマーケターという今のお仕事では、小さな会社なこともあり実に幅広いお仕事をされているお話から。転職前のお仕事とはまた違い、仕事の幅の広さにやりがいを感じているといいます。
これまでも、ワーケーションやステイケーションという言葉はありましたが、コロナによりますます長期滞在型のサービスの需要が拡大しているとか。ホテル業界のマーケティングもそのようなニーズに応える傾向がある一方で、今後はそれがいつまで続くのかという疑問も湧いてきています。オフィス設備を整えていない施設もある中で、さらに変化していく世界情勢に合わせてホテルのサービスも工夫を重ねていく時期にあるようです。
また、オリンピックの影響でホテルが供給過多になる傾向があり、これにどう対処していくのかということがホテル業界の大きな課題の一つ。コロナの影響で、この供給過多状況をどう活用するかという時期が早まった状態になっているそう。ホテルを「住む場所」に変えていく動きが顕著で、アドレスホッパーも増え、ホテルを軸にノマドスタイルで動くという人々も新しい顧客となりつつあります。
旅行といえばこれまで海外旅行が主流であったが、このところは国内旅行にシフトしている傾向にあるので、ホテル業界もそれにともなって地方の魅力をどう楽しんでもらうかとうホテル業界が今、取り組んでいるところでもあるそうです。
このところは、古民家を改装したり、おしゃれなグランピング、オートキャンプが流行っていたり、またテレビをあえて置かないことにより自然を五感で感じてもらうなど（一昔前までは考えられなかったが、星野リゾートが導入したことで広まったそう）、独自のコンセプトやストーリーを売るという傾向も増えてきました。
2. 妄想トリップのこと
Caoriさんは、ブログで旅行情報を発信されています。
ブログを始めたきっかけは前職で初めてホテル業界のお仕事を始めたこと。「初めてのホテル業界で、それまで海外旅行経験もあまりなかった。お客様の気持ちを理解するためにブログ書いて発信したら自分にも人のためにもなるかなと思って始めました」それまでフリーターだったCaoriさん。ユニークなブログのタイトルは、「まるこの妄想Trip、たまに本当」
例えばスペイン4日間の旅など最初にできるだけ具体的な想像を膨らませて旅を企画します。そして後から本当に旅行をしてブログ記事にリアル体験を重ねていくのだとか。実はイタリア旅行で詐欺にあったことがあるというCaoriさん。「みんなが同じ思いをしてはいけないと思いブログに書きました」あくまでも自分の経験を誰かとシェアすることで役立てて欲しいという強い意思を持っている彼女ならではの活動です。
3. 転職の話、情報発信をすること〜自分が知りたいことは、誰かも知りたいことなのではないか
自分のキャリアが一般的なルートではなく、進学、就職、転職もハードな経験をされてきたというCaoriさん。だからこそ、同じ経験をしている人に少しでもヒントになるかなとブログだけでなく、Noteやstand.fmなどでも発信されています。そのコンテンツは、いつも読者に寄り添った丁寧な言葉と情報が並びます。
転職される前は大手ホテルのコールセンターで働いていて、もっと声を生かす仕事がしたかったとのこと。30歳から習い始めたチェロも、大人になって楽器を始める人の背中を押せたらと願ってブログで発信しています。
4. SDGsといえば「誰一人取り残さない」、大丈夫というメッセージ
誰一人取り残さないというSDGsのコンセプトで思い浮かぶのは、引きこもり、鬱などのこと。自分自身、高校を留年後中退して大検を受けて大学へ進学した苦しい時期を経験していると話してくださったCaoriさん。人生終わるかもとまで思っていた苦しい時期、支援してくれたフリースクールや大人たちの存在もあったそう。
だからこそ自分も、大丈夫というメッセージを発信したい。このお話は、スナックひとみVol.002で夜間中学のことを話してくださったマッキーさんのお話にも通じるところがありました。
多くのテーマで自分オリジナルな情報発信を工夫されているCaoriさんに、今後の発信について伺ってみました。「これから、発信はどうして行こうか模索中です。本当に聞いて欲しい人に伝えるのは難しい。自分も鬱のときは大丈夫と言われたところでやっぱり心に刺さらないんです」それでも、言葉が先行しないように最初から不登校や鬱とは言わず、タイミングを考えながら書いているそう。個人がさまざまなツールで発信できる時代の今、どこかにCaoriさんの言葉を本当に必要としている人に届くこともきっとあるでしょう。
今後の新しいチャレンジについて伺いました。なんと、「10月から独立して仕事します」とのこと。これまでのキャリアを土台にして、これからは新しいフェーズにチャレンジするCaoriさんのますますの活躍に期待です。
ホテルマーケティングの話から、不登校や鬱などのシリアスな話まで。お客様の心に響いたCaoriさんのトーク。皆さんからも、ご自分の体験からさまざまな質問や感想が出て、スナックひとみの夜は更けていくのでした。
■ゲスト
Caori さん （ホテルマーケター）
＝＝＝ゲストご紹介＝＝＝
外資系ホテルグループのカスタマーサポートを経て、
ホテル会社で未経験からマーケティング、現マネージャー。
高校生で不登校となり、中退。大学検定から早稲田大学へ入学し
役者として舞台演劇に10年間出演する。
現在は30歳から始めたチェロに夢中。
10月より会社を退職し、新しい働き方にチャレンジする予定。
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