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働き方改革の時代に、どんなマネジメントをするべきかの話

働き方改革時代にマネジャーは何をすべきか―働き方改革の中間報告―
を読んで、サマリと感想を書いていきます。
https://www.works-i.com/research/works-report/item/workingtime.pdf


生産性は伸びているではないか日本!!

どうやら私が社会人になったあたりから今までの20年弱の間に、実質GDPは増加しているらしい。また、そのGDPは減少傾向にある労働投入量と反比例して伸びている。労働人口が減っているから労働投入量は下がるのかな。それなのに伸びているのは素晴らしいではないか。

2000年に490.9兆円だっ た実質GDPはこの20年弱で554.9兆 円まで増加している。2012年以降の 長期にわたる景気回復もあり、日本 の経済は緩やかながらも着実に拡大 している。 一方、就業者数に1人当たり年間 労働時間を乗じることで年間総労働 投入量を算出すると、この間、労働 投入量はむしろ減少傾向にあること がわかる。

引用
引用した図1

日本は「お先真っ暗だね〜」という有識者が多い中、私も思考を停止させて「あ、もう日本やべーじゃん」と思っていたのですが、ここら辺を読んでから「日本って少なからず前進してるんじゃん!」と少なからず希望と期待を持てたのでした。


一人当たり労働時間の減少は、影響するのか?

生産性向上をテーマに、日本の各企業はいろんな努力をしてきたと思うし、「自動化」「脱属人化」「システム導入」が超超超積極的におこなわれてきた20年だったなと感じる。そういうサービスも増えたし、そういうコンサル会社もめちゃくちゃ増えた。それが功を奏して日本の生産性を向上させたのだと思うと、日本で働く人たちが結束して国の経済を支える感じがしてとてもエモい。

労働時間の減少による経 済へのマイナスの効果を、生産性向 上によるプラスの効果が大きく上回っ ていたからである。

次に、実質GDPの寄与度分解(単年、3年移動平均)という何とも難しそうな図を見ると、どうやら生産性で経済が伸びていたよ、というのは2012年までの話のようである。
その分、労働人口が減少しているこの時代に就業者数の増加が経済を押し上げている様子。女性とシニアの活躍が経済を押し上げているんですね。

今まで推し進めてきた「労働生産性を上げる」手法には行き詰まり感が出てきた。そこに労働ターゲットを増やすことで、経済力を担保してきたのか。

確かに2014年以降、「これから労働人口が減るから女性の活躍やシニアの活躍にフォーカスしないとね!」というの営業トークだった。
誰から教わったでもなく、それがトレンドだった。

引用した図2

労働生産性が上がってもGDPは上がらないのか〜

労働投入量を1%減少させ れば生産性は0.37%上昇する。つま り、労働投入量を減少させると、生 産性が上昇するのは事実なのである。 しかしながら、労働投入量の減少に よる生産活動の縮小効果がそれを上 回るため、結果として、やはり労働投 入量の減少によって経済は縮小して しまうのだ。

引用した図3

一人当たり労働生産性が上がれば、労働投入量が減ってもGDPの伸びを担保できると信じていたので、「生産性って大事だよね〜〜〜」って話をよくしていたし、それがマネージャーとしてのミッションだとも自負していた。

だが!

どうやら上記の表や引用した文章を見ると、労働投入量を減少させた場合に労働生産性は上がるけれど実質GDPはマイナスに振れている様子。

先ほど女性とシニアの活用が拡大したよね!と書きましたが、女性とシニアは人数対比の労働投入量が少ないので、今後は労働投入量は減少想定と考えたほうがよさそう。

営業マネージャーは部下の指導に時間を使うと成績が伸びる

ここから営業現場の話に一気に変わる。

営業社員が投入する労働量と成果には結びつきがあるのか?という話だ。
それは一定相関性があるらしく、長時間労働の営業社員は高い業績を上げるらしい。

引用した図4

一方で、営業マネージャーは労働時間と自分の組織の目標達成率との相関性がないみたい(下の図)

引用した図5

労働投入量が多くてもGDPは上がらない・・のと近いと言いたいのか。
確かに、成績のいい組織ほどマネージャーがはやく帰る説もあるが、多くのマネージャーは長時間労働を強いられている。

この筆者はこの後、マネージャーの業務内容を解体している。
何にどれくらい時間を使うのか。そしてそれが部下の労働時間や本人の労働時間とどう相関があるのかという図である。しゅごい。

引用した図6

業績への相関が高いのは指導の項目。営業動向やクレーム、戦略立案はそうでもないんだ、へぇ。

労働時間に響くのは事務代行や社内会議。

うーんつまり、業績への相関が高いものと、労働時間を短くするものとはバラバラってことですね。

だったら業績が上がることにのみ集中したらいいね!

確かに、マネージャーってめちゃくちゃ仕事の種類が多い。あれやこれやとミッションがありつつ、一番大切なのは業績、という。

このレポートからすると部下の個別指導に時間をかければかけるほど業績は伸びるのだから、そこに集中したらいいという話なのかと。

それ以外の会議や事務作業に関しては処理時間をなるべく短縮することが重要そう。

何の時間を短縮するのかが目的を達成する鍵

結局、本記事で分かったことと私が感じたことをまとめちゃうと(偉そうにすみません)

一人当たりの労働生産性を上げようと、何でもかんでも時間短縮すればいいよというわけではないよと。

労働生産性を上げるのは、GDPを伸ばす手段なのだから、GDPを伸ばすために大事なのって何?を考えないと、ただただ労働生産性が上がるだけになってしまう。

マネジメントも同じ。

ただただ労働時間を短くしたらいいというわけではない。
自分たちのパーパスやビジョン、業績を達成するために「何に時間を使うべきなのか?」を明確にした上で、それ以外の時間を短縮するという考えが必要なようだ。

「会議減らそう!」「雑談減らそう!」「口頭じゃなくてchatでよくない?」という、一般的に「チームの生産性を上げる手法」は、企業 / 組織によって最適な場合とそうでない場合があるんだと思う。


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