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監査→FAS→IMD MBA→欧州企業のFinance Leadership Program / 日本の公認会計士

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最近の記事

生成AIによって監査業務の生産性は悪化する

自分が監査法人に入ったのは2014年、オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授が、94%の確率で「会計監査」の仕事が10年後になくなると予測した年だった。Deep learningという技術が猫の判別する大会を席巻し、世界が変わるといわれていた。 当時の就活生は自分を含めてITと監査の関係性についてリクルーターに聞いていたし、監査法人側もテクノロジーを推進することで如何に監査が効率的になっていくかのビジョン、どれほどの金額をグローバルで投資しているかをアピールし

    • 試験合格後に監査法人で働く利点

       新卒で監査法人に入った時に「監査で得られる経験が外に出た時にどう役に立つのか」に強い関心があった。既に監査業界を離れて活躍する会計士に会う度に「監査で得られた経験で今も役に立ってることは何ですか?」と聞いて回っていた。そうすることで、監査法人での経験をしている中でどんなことを意識すればいいのか考えていた。  自分が「監査で得られた経験で今も役に立ってること」をテーマに書くのは今しかないかなと思って書くことにした。5年前に退所してるため監査法人の記憶は薄れていっているし、今

      • 事業会社へ転職して3か月が経った。

        事業会社へ転職して3か月が経ったので今のところの感じたことを列挙していく。一応リーダーシッププログラムではあるものの、自分が1期生にあたる出来立てほやほやのプログラムで全員探り探りの状態だし、まだ日本で働いているので、海外就職というより事業会社に始めて転職した会計士として感じたことに近いかもしれない。 MBAは計り知れない価値があった MBA不要論は度々耳にするけど、自分の場合はIMDに行ってなければ今の業務を絶対に回せなかった。入社したてのペーペーなので社内のことをベテ

        • 欧州MBA現地就活記_ネットワーキングを通した就活の例

           最終的にご縁がなかった会社でしたが、非常にうまくネットワーキングが効いたポジションがありました。この体験記を通して、ネットワーキングがどう機能するのかのイメージを持っていただけたら幸いです。 0_求人発見  10月下旬にJapaneseというジョブアラートに引っかかり、その求人を見つけました。ポジションはMBA卒業後のキャリアとしては明らかに高い、事実上の日本のCFO職でした(勤務地はスイス)。  自分の過去の業務を援用することで活躍できることは想像ついたものの、人によ

          欧州MBA現地就活記_CVとカバーレター

           ネットワーキングする際に、自分とバックグラウンドが近く、若い年次の方々にはCVを見せてもらうようにしていました。CVとカバーレターについては、ケースバイケースであり、言い切れないことばかりと感じました。国や業界毎にも好まれるCVの形式が異なるようです。  そもそも、ページ数から個々人異なります。2、3ページになることの方が多いという印象でしたが、1ページを推奨している人もいました。スイスのハローワークで配布されているCVの書き方には、「スイス方式」と「インターナショナル方

          欧州MBA現地就活記_CVとカバーレター

          欧州MBA現地就活記_ネットワーキング

           今回はネットワーキングについて。ネットワーキングは、その人を利用するような印象を覚えるので個人的にはあまり好きな言葉ではないのですが、それ以外に言葉がないのでネットワーキングで統一します。  私にとってスイスが理想的な国でしたが、スイスは欧州の中で最もVISAの要件が厳しい国でもありました。VISA問題を解決するために、非常にネットワーキングを重視している考え方になっていると思います(他の国ではここまでネットワーキングが重要ではないかもしれません)。  現地就職の3つのド

          欧州MBA現地就活記_ネットワーキング

          欧州MBA現地就活記_運について

           今回は、その現地就職で大事なことの1つ、「運」をどのように引き寄せるのかについて書きます。ネットワーキングについて書いていたのですが、ネットワーキングがなぜ必要なのか、という話にも繋がるので先にこちらを書くことにしました。  現地就職は結局半分は運によると考えています。その「運」を3つに分類し、それらをどう引き寄せるかについて書きます。 1_時の運→胆力と財力  当たり前ですが、求人が存在しなければ応募できないので、そもそも自分の就職時期に求人が出てくる運が必要です。時

          欧州MBA現地就活記_運について

          欧州MBA現地就活記_量派vs質派

          量派と質派  現地就職のアドバイスを求めると大きく2つのアドバイスを受けることになります。1つは応募する量を増やすこと、もう1つは応募の質を高めることです。私は、前者を主たる戦略に据える人々を量派、後者を質派と呼んでいます。  量派は文字通り応募数を増やすことで就職確率を高めようとしますが、質派の手段は多岐に渡ります。ネットワーキングを通してリファーラルを貰うのはもちろん、会社の公開情報やアナリストレポートを読み込み、CVとカバーレターをカスタマイズする、ネットワーキングを

          欧州MBA現地就活記_量派vs質派

          欧州MBA現地就活記_自己紹介

           現地就職をしてみたい、というのがMBAの動機の1つだった私にとって、IMDの1年間は現地就活について考え続けた1年でもありました。記憶が定かなうちに自分が卒業生から聞いた話や自分の体験を文章に起こすことにしました。 自己紹介  2023年1月から1年間スイスにあるIMD MBAに通い、卒業後は欧州系企業に就職することにしました。所謂ファイナンススペシャリスト向けのリーダーシッププログラムで、日本でのアサインが終わり次第、別の国への異動が予定されております。  入学前は監

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