シンガポールのゲイランを学んで歩く 2023
大好きなシンガポールのローカルタウン・ゲイランを長期在住者が案内します
シンガポール在住10年目の昭南アルフォンソです。バンコク、クアラルンプールでの生活も合わせると東南アジアを拠点にした生活は14年になります。
ゲイラン地区は、シムズアベニュー、パヤレバーロード、ギレマードロード、マウントバッテンロードという4つの大通りで構成されており、住居と商業施設、複数人種の文化、多様な飲食店、道端のドリアン露店、政府公認の赤線区域（置屋街）などが混在する、彩り豊かな街です。
今日のゲイランは24時間活動が絶えません。
今日は観光客、出張者、それから在住者にも人気の訪問スポット、ゲイランの魅力を凝縮してご紹介したいと思います。
目次をつけていますので、時間があれば上の章から順に、なければ読みたい部分だけお読みください。
1. ゲイランの紹介：地域の歴史や文化的な重要性について
地域の歴史や文化的な重要性について説明します。
ゲイランの歴史
ゲイラン地区の興りは、1840年代初頭に英国政府がシンガポール川に密集していたマレーたちの住むフローティングハウスを浮き村を分散させた頃まで遡ります。
その後、19世紀後半にマレー人とオランラウト族が現在のカラン川とゲイラン川の河口付近に再定住し、ゲイラン地区が新たな居住区として確立されました。
20世紀初頭
20世紀前半までに、ゲイランはゲイラン川を挟んで東西二ヶ所で発展します。
ゲイラン・セライ
現在のゲイラン・セライが東部にあたり、伝統的な家に住み、土地を農業に利用するマレー人が住んでいました。当時の人々はレモングラス、ゴムやココナッツを栽培して生活していました。セライとはマレー語でレモングラスを意味します。
ロロン
西部地域は「ロロン」と呼ばれる路地に分けられ、主に中国系の人々が住んでいました。彼らはカラン川とゲイラン川の間でジュエリーショップや質屋などを営み、その後、これら2つの異なるコミュニティは、ゲイランに住む人種、街並み、建物のレイアウトに不均一をもたらしました。
ゲイランロード
ゲイランロードは、ダウンタウンとシンガポールの北東部を結ぶ最初の幹線
道路です。当初は電気トラムが走っていて、現在のゲイラン・セライ市場の地にあったレモングラス（セライ）加工場がトラムの終着点でした。
1940年代 第二次世界大戦の日本軍による占領期間
1942年から1945年の日本軍による占領中、ゲイラン・セライは大きな被害を受け食糧不足に直面、ゴムとココナッツのプランテーションはキャッサバ（タピオカ）の栽培に置き換わっていきました。これに由来し、ゲイラン・セライは「カンポン・ウビ」（マレー語でタピオカ）という新たな通称を得ました。
日本が敗戦し撤退すると、より多くのマレー人流入がおこり、中国人が流出します。ゲイラン・セライの人口構成は急速に変化し、それ以来、主にマレー人のコミュニティとなりました。
世紀の変わり目
1980年代の人口増加と住宅ブームにより、ゲイランは農業中心地から投機的な住宅事業の地域に変わりました。川沿いのカンポンも、頻繁な洪水と衛生状態の悪さから段階的に廃止され、ゲイランの大規模な都市再開発が進みました。
古いカンポンは消え、ゲイランロードの下部、平行するシムズアベニュー、その間のロロンのインフラ整備などが促進され、ゲイラン・セライは現代的な住宅地区に変わりました。
ゲイランの文化的重要性
2000年代、シンガポールの都市化が進む中、政府はマレー文化遺産保存の重要性を再認識。2008年の都市再開発局（URA）の計画で、ゲイラン・セライが位置するパヤ・レバー・セントラル地区の開発を、独自の文化的アイデンティティを戦略的に残す地域にすると決定しました。
現在でも、ゲイラン・セライ市場はシンガポールで最も忙しく、最大のウェットマーケットの一つであり、多くのマレー料理、また伝統的なマレー料理に必要な食材と各種スパイス、例えばシナモンやナツメグなどを販売する小さなお店が残っています
赤線地区
ゲイランは、シンガポール政府公認の売春地区としても有名です。1960〜1970年代の古い町並みが保護された昔ながらの歓楽街であり、カラオケ、安宿、安価で美味しい（少し不衛生な）飲食店、外国人労働者居住地区などが集まっています。
2. ゲイラン地区への行き方
ゲイランまでのアクセス方法や交通情報について詳しく説明します。
電車（MRT）でのアクセス
MRT(Mass Rapid Transit)と呼ばれる地下鉄を利用するのが最も手頃で便利です。ゲイランへのアクセス方法は以下の通りです。ゲイラン地区の最寄り駅は緑色ラインのアルジュニード(Aljunied)です。
中心地から約20分、2Sドル程度です。。
バスでのアクセス
シンガポールのバスのルートはGoogleマップで完璧にサポートされていますので、マップで目的地までのルートを調べてバスで行くことも可能です。中心地から約25分、2Sドル程度です。
例えば中心地からだと、7、10、16、196、197番など、多くのバスサービスが利用できます。
タクシー・配車アプリでのアクセス
タクシーまたはGrabやGoJekなどの配車アプリを利用してゲイランに行くこともできます。これは公共交通機関よりも費用がかかるかもしれませんが、便利です。中心地から約15分、20Sドルほどかかります。
ゲイランの治安・安全について
ゲイランの治安や安全性について、特に昼間と夜間の違いについて説明します。
ゲイラン地区の「荒れた」部分
ゲイランのロロン8から24あたりまでは赤線地区として知られ、付近では非合法の精力剤屋台、立ちんぼ、屋外賭博、泥棒市などが頻繁に行われていますが、この土地を訪れるだけでしたらトラブルに巻き込まれることはないでしょう。
時折KTVなどでの喧嘩がニュースになりますが、最も危険な街として知られる北西部のYishun（イーシュン）に比べたら暴力沙汰は少ないです。酔い潰れると置き引きに遭う東京の繁華街よりよほど安全ですので安心ください。
ゲイランは住宅街でもある
ローカルたちにとってゲイランは住宅街であり、この地域には多くのHDB（国営の団地）やショップハウスが立ち並んでいます。
6つの警察署に囲われた地域
シンガポールほとんどの地域は東京ディズニーランドほどに安全ですが、ゲイランも例外ではなく、日本のような交番のシステムこそないものの、多くのCCTV（監視カメラ）による監視が24時間体制で行われています。さらに、この地域は6つの警察署に囲われており、日常的に警察車両がパトロールをしています。
ただ、家族旅行で置屋街（偶数のロロン）を訪れることはお勧めしませんので、奇数側のロロンでローカルフードやドリアンなどをお楽しみください。
ゲイランのグルメ
ゲイランでは多種多様な食文化を楽しむことができます。ゲイランで試すべき地元料理やレストランについて紹介します。
地元の人々に愛されるローカルフード
シンガポールのローカルフードは、ホーカーセンターと呼ばれる屋外のフードコートで提供されています。大中小規模はさまざまで、ゲイランには小規模のホーカーが数多く営業しています。
ミシュランガイドに載るカエルのお粥
ロロン19・フロッグポリッジ（ウシガエルのお粥）は、ミシュランガイドにも載る名店です。
ロロン19 - Eminent Frog Porridge & Seafood
ゲイラン・ロロン29・フライド・ホッケン・ミー
行列のできる、炭火で調理したホッケンミー（福建スタイルのフライドヌードル）が有名です。住所は、 Geylang Lor 29 Charcoal Fried Hokkien Mee 。
2023年6月に家賃の値上がりにより移転。新しい住所は936 East Coast Road, 459129 です。
夜遅くまで営業しているレストラン
ゲイランの料理は、多様性だけでなく独自性でも知られています。お店が閉まるのが早いシンガポールですが、ゲイランには深夜まで営業しているお店がたくさんあります。
24時間営業の飲茶
お店の名前：126 Dim Sum Wen Dao Shi 揾到食
住所：126 Sims Avenue 387449
AM3時に閉まる中華料理店
お店の名前：Golden Jade Restaurant
住所：271 Geylang Rd, Singapore 389324
23時まで食べれるベトナムのフォー屋
お店の名前：Ăn Là Ghiền-Authentic Vietnamese Cuisine
住所：45 Lor 27 Geylang, Singapore 388177
マジで美味いチリ・クラブ
行った方がよいです。
お店の名前：No Signboard Seafood At Geylang
住所：414 Geylang Rd, Singapore 389392
藤原とうふ店
ゲイラン近くにできた藤原とうふ店コンセプトの居酒屋へ行ってきた🏁店頭には86が置いてあり撮影スポットに！18時すぎに到着したらすでに店内は満席で横の外席へ。外席にはキャラパネルまで！ちなみに料理は飲食素人さんかな？というレベルかつ品切れ多数です。ビール飲んでサクッと帰るのがいいかも🍻 https://t.co/uHqfZu6OMu pic.twitter.com/v038SDRKMh
— おいでよシンガポール (@oideyosingapore) February 19, 2023
ショッピング
地元の市場やユニークな店舗について紹介します。後日追記します。
女性のいるお店
男性は気になる置屋、マッサージ、耳かき屋さんなどについて説明します。
置屋・マッサージ屋
これらについては、ゲイランの夜遊びに関する情報サイトのリンクを貼りますので、そちらをご覧ください。置屋の一覧表があります。
耳かき屋さん
ちょっと露出度の高い格好をした若いお姉さんが耳かきをしてくれるお店がいくつもあります。35Sドル程度です。
KTV
東南アジアのカラオケボックスはKTVと呼ばれています。ゲイランエリアにも無数のKTVが並んでいます。中には特別なサービスを提供するお店もあります。
2022年の12月9日から11日までの3日間、シンガポール中央警察署は年末のお祭り騒ぎに対する大規模な取り締まりを行いました。
1961年の女性憲章、2022年の賭博規制法、2015年の酒類規制（供給と消費）法、1973年の薬物乱用法、1990年の外国人労働者雇用法に基づく犯罪で、19歳から69歳の男性35人、女性105人が逮捕された。
取り締まりは不法滞在外国人とそれを匿う者の検挙が目的なので店に居合わせた客が逮捕される可能性は極めて低いが、KTVで遊ぶ際のリスクは頭に入れておいてください。
ゲイランイン・ターナショナルとは?⚽
「ゲイランイン・ターナショナルFC」は、べドックスタジアムを拠点とするシンガポール・プレミアリーグ所属のプロサッカーチームです。山谷侑士（やまや ゆうし）さんという、元マリノスユースの日本人も1人所属しています。
観戦チケットはここから買えます。
つづきます