【書評】経済学の巨人、大いに語る――『資本主義の中で生きるということ』
著者は理論経済学を専門とする経済学者。不均衡動学理論や貨幣の自己循環的性質、新たな株式会社論、株主と経営者の信任関係など、さまざまな経済学理論、モデルを打ち立てた、まさに「経済学の巨人」である。
これまでにさまざまな著作を発表しており、1993年に上梓した『貨幣論』(筑摩書房)はサントリー学芸賞を、2003年に上梓した『会社はこれからどうなるのか』(平凡社)は小林秀雄賞をそれぞれ受賞するなど、優れた学術書に贈られる賞を総なめにしている。いずれの著書も、難解な経済学理論を