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Myビルドアップのトレーニング

久しぶりに投稿します!とは言っても現段階でこのnoteはほとんど読まれていません。なぜならば現段階で自分のSNSと連動させていないから。それで良いと思っています。今は。もし読んでくれている方がいたら奇跡です。

そしてこのnoteは自分の備忘録+現場のリアルを惜しむことなく書きます。身分を隠しているメリットです。さまざまな諸事情によりクラブから出すことを煙たがれることはあると思いますが、そんなリアルな情報こそが指導者にとってとても学びになることだと思うんです。だから、全て書きます。その代わり拡散もしませんし、身分も明かしません。奇跡を待ちましょう(笑)

ということで本題ですが『Myビルドアップのトレーニング』です。

そもそもビルドアップとは?

自分の中でビルドアップは”相手DF-MFライン間・DFラインの背後で相手に怖さを与える状況を作ること”が目的だと思っています。

”ボールをそこに運ぶ”でも”相手の中盤のラインを突破する”でもなく、”どんな状況を作るか?”を定義しているということがミソです。それはサッカーというスポーツにこれ!!というプレーがないからです。別にボールを運ばなくても突破しなくてもゴールに繋がる状況が作れればそれで良いんです。

そしてなぜライン間かというと、そこの突破からはルールが変わってくるので必然的に求められるプレーが変わってきます。背後はシンプルに一発背後があるので入れています。

そして、そのために何を考えるかというと『フリーマンを作り・見つけて・使う』ことです。そして

①幅と深さを使いスペースを作る

②立ち位置で駆け引きする(違う間・高さ)

③プレスに出てくる相手を見る

④正しくボールを動かす

という原則が必要になってくると思っています。

トレーニング構築の考え方

トレーニングを構築する際には

①原則を普遍的に学ぶ

②原則を様々な状況に適応させる

③実際のゲームオーガナイズで状況を解決する

という大きく分けると3つのトレーニング方法を用います。

①原則を普遍的に学ぶ

このトレーニング方法ではよりシンプルに”フリーマンを使う”という大きい原則、そしてそこに付随する4つの原則をわかりやすくトレーニングします。例は下記のような+1フリーマントレーニングです。

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2vs2+1フリーマン ポゼッション

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3vs2ライン通過(自分はよくライン通過の後にゴールをつけます)

個人の立ち位置やボールの持ち方、ファーストタッチの方向、キープやドリブルかパスかの判断など、選択肢が限られていて判断が明確なものです。原則がわかりやすく取り出されています。

ただし、わかりやすいということはサッカーという複雑なスポーツから大事な部分を多く無くしてしまっているということでもあります。このトレーニングはやればやるほど”トレーニング”が上達していきますが、それが=サッカーの上達とはいえません。そこが注意です。

またいわゆる”ボール回し”系のトレーニングでは『パンパンボールが回っているからOK』となりがちですが、自分はその『回っている状況』だけでは何も意味長いと思っています。【フリーマンを見つけられているのか?】が大切です。よく見られるのは『パンパン早いテンポで回っているけど相手が追いかけてきていないで勝手にロスト→止める蹴るの精度!』いえ違います。相手が来なかったら自分がフリーなのです。自分が引きつけて次の人をフリーにするのがサッカーです。つまり”ボール回し”は”ボール回し”ではないということですね。

このトレーニングを用いたいときは『原則を反復させながら頭の準備をさせたい時』や『小さい個々の原則を復習したい時』などに使います。

また方向なしの方はトランジションのトレーニング(トランジションだけをトレーニングすることはありませんが、なんとなくトランジションを強めに入れたい時など)で採用することもあります。

②原則を様々な状況に適応させる

このトレーニングと先ほどのトレーニングの違いは”サッカーのリアルな状況をどれくらい作るか?”です。このトレーニングでは”方向・ポジション・システム”を入れます。

「じゃあ実際のサッカーの状況ではいつ・どこで・誰が・どのような行動をとるの?」ということをやります。”深さ”という原則一つとってもFWとSHではどのように作るか?いつ作るか?は違ってきますし。ただし、ゲーム形式とは違うのは起きる状況を限定していることです。例は下記のようなトレーニングです。

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6vs6+1(3-2-2と2-3-2vs4-2プレス)

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3-1-2-3vs3-2-3プレス

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2-5-1vs2-5-1

+1フリーマンをさまざまな状況で作り、それをどのように活かすかを相手のプレスの状況から見出して前進していきます。

どのトレーニングも”このエリアまでは自力で前進して前方向にパス(orシュート)”という設定にしています。これは自分のビルドアップトレーニングにほぼほぼ採用しているルールです。理由としては2つあり

①ライン間へ+1を用いて前進するというリアルな状況を作りたい

②”深さ”を自分たちで作らせる

という意味があります。1つ目の理由はなんの変哲もないので置いておいて2つ目にこだわりがあります。よくある”サーバーにあてる”のでは深さが最初から自動的に取られています。そのため選手にとって最適なのは”ボールに寄って後の数的優位を大きく確保して相手を引き出すこと”になります。例の擬似カウンターのような状況ですね。もちろんボールに寄る状況もありますが、ビルドアップで学ぶべきなのは『優位を活かして前進するために的確にスペースを最大化』することではないでしょうか?ボールを保持することだけを考えれば数的優位を作れば良いですが、局所の数的優位は別の場所で数的不利を生み出します。”前進”を考えた時には極端な数的優位はどうかな・・・と思います。

そのために”深さは自分たちで作る→深さを作ればスペースができる(間接的サポート)”ということを学ぶためにこのルール設定を多用します。もちろんオフサイドはそのゾーンまでなしです!

(完全な余談:スペインの小学生年代で採用されているペナまでオフサイドなしルール、ビルドアップの学習には最高ですよね。崩しにはどうかと思いますが。トレーニングで時々採用しています。)

③実際のゲームオーガナイズで状況を解決する

これは言わずもがなですね。実際の配置でシャドートレーニングもしますし、コーンを置いての11vs0もやりますし、11vs11もやりますし、ゴールからハーフラインで攻撃はライン通過や3ゴール、守備は奪ってゴールへ行く攻防もやります。これをやらなかったら選手はその技マシーンをいつどこで使えば良いかを理解できません。

特に日本の子供は”サッカーを知っている”選手が少ない。実際に選手に聞いてみてください。「サッカー見てる?」って。そしたら「見たことない。やべっちが終わっちゃってツラい。」・・・。そうなんです。だから映像を活用することも必要ですし、こういう実際のゲームオーガナイズを与えることが大切だと思っています。あなたの頭に思い描いているサッカーというスポーツの概念を選手も思い描いているとは限りません。

最後に

自分はいわゆる”ボール回し”をあまりしませんし、攻撃+3以上の人数設定はほぼしません。そして同じ練習もほぼしません。それは「しない!」と決めているからではなく、試合から逆算してトレーニングを構築した際に出てこなかったからです。

トレーニングはいつもそうやって構築しています。

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