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アケコン東方のすゝめ 後編

貴方も恩恵を与りたいんでしょ? だったら先に行くといいわ。

九十九弁々/東方輝針城~Double Dealing Character.

みなさんこんにちは、SMYK社長です。最近東方原作が盛り上がっていると聞いて、10年ぶりに戻って来ました。東方は当時からアケコンでプレイしていたので、入力デバイスはもちろんアケコン一択。昔は身近に東方原作プレイヤーなんて居ませんでしたが、今は違います。界隈のみんなと切磋琢磨しながら原作をプレイ出来る、そんな期待に胸を膨らませていました…。
しかし、見渡す限りパッド勢、キーボード勢━━。なんと依然としてアケコンを使っているプレイヤーが界隈にいなかったのです。
なればこそ、アケコン東方の普及に一役買って出て、原作界隈に貢献したい。そんなきっかけで執筆に至ったこの記事が、10年という途方もないブランクを埋めてくれる免罪符「アケコン東方のすゝめ」となれば幸いです。


5.完全保存版 限界アケコンレビュー

さあボサッとしてないで。何もかも逆さまな下克上のこの世界。最強の道具が誰なのか今ここで決めるわよ!

九十九弁々/東方輝針城~Double Dealing Character.
完全保存版 東方原作オススメアケコン レビュー一覧

評価基準について

今回購入したのはAmazonレビューで一定以上の評価を持つ9種類の人気アケコンたち。それぞれについて基本データ、操作感、機能性、デザイン、カスタマイズ性に着目して総合評価します。ただし東方に最適なアケコンを決めるレビューなので、カスタマイズ性(初期搭載のレバーから弾幕STG向きのセイミツレバーに交換できるかどうか等)の評価に重きをおいた総合評価となっています。

レバー交換について/各種リンク

今回主に登場するレバーたち

前編をボムで早回した方のために、もう一度交換用のレバーについて簡単におさらいしておきましょう。市販のアケコンに搭載されているレバーは格闘ゲーム向きの物がほとんどで、東方で使用するには弾幕STG向きのレバーに交換が必要です。レバーについて理解を深めたい方は是非前編もご覧になってください。
初期搭載のレバーは三和レバーかそれ同等の自社製レバーとなっています。基本的にはセイミツレバー「LS-32-01」に交換しますが、基板干渉やレバー軸干渉によって交換が出来ない場合は、同等品で代用します。今回のレビューでは上記セイミツレバー各種との互換性もまとめました。
また今回交換用レバーおよび各種パーツは「アーケードゲーム販売トップス」さんで購入しました、各種レバーおよび登場するパーツのリンクを下記にまとめておきます。

今回レビューしたアケコンと評価/リンク一覧

①Qanba DRONE2 ¥15,480 評価★★★★☆

━━中華アーケードゲーム業界からの刺客。創業者自身もプロゲーマー出身というQanba社のミドルクラスアケコン。Qanba Drone2はN3というナンバリングでQanba N1の上位モデルにあたります。Amazonレビューは★4.1(116件中)と高評価を得ています。

【DATA】
価格¥15,000~¥16,000/W355×D225×H58/1080g/8+6ボタン ビュウリックス配置/ケーブル2.3m/自社製レバー&ボタン搭載(レバー軸25mm)/ヘッドフォン端子付/タッチパッド付/連射&連射固定1段階/LS,RS,DP切替有/PC,PS4,PS5切替有
【操作感】
レバー/自社製レバー搭載で、柔らかい割に入力感がしっかりしていて、性能は三和レバーとセイミツレバーの中間の位置付けになります。初期搭載のレバーの中では比較的東方がプレイしやすい部類で、レバー交換を行わなくても使えると思います。もちろんセイミツレバーに交換する事で、激的な精度向上も見込めます。
ボタン/自社製ボタン搭載で、入力感は三和ボタンに近く反応速度も良好ですが、本体の剛性が低いため入力音のペコペコ感が気になるかもしれません、三和ボタンに変更してみたところ若干ですが改善は見込めました。
安定性/形状はQanba N1と大差ありません。非常に軽く剛性も低いので、プレイ中の本体ズレ(机置き時)や本体ブレ(膝置き時)の心配がありましたが問題ありませんでした。本体手前の傾斜に手のひらがフィットするので、軽いアケコンの癖に謎の安定感があります。
【機能性】
連射、連射固定の切り替えが可能ですが1段階のみでした。LS/RS/DPの切り替えスイッチと、PS4/PS5/PCの切り替えスイッチが搭載されています。その他PS用にタッチパッドが搭載されている等、ミドルクラスのアケコンとしては最低限整っている印象です。持ち運びも想定できる軽さなので、前面にケーブルを収納するスペースがあるのは便利です。
【デザイン】
廉価版のQanba N1と同様の形状ですが、とても洗練されていてスタイリッシュです、デザイン次第でこうも変わるものかと。表面のシボ加工も高級感があり、指紋が目立ちにくいのも良い点です。
【カスタマイズ性】
ファストン端子型のレバーを搭載していますが、ハンダ付けされていないのでラジオペンチ等で簡単に交換が可能です。
LS-32(ファストン端子型)への交換/端子の付け替えのみで交換可能でした、実際の入力方向と逆方向のスイッチが対応しているので、間違えないよう画像を参考にしてください。一部端子を曲げる必要がありますが問題無いレベルです。底面の軸が干渉するため、レバーボール交換用カバーを開けたまま使用する必要があります。レバー軸が20mmと短めなので軸を別売りのADJ-SFT-LS32-4(+4mm軸)に交換する事で、よりプレイ感が向上します。
LS-32-01(5pin型)への交換/レバー固定部分に基板が干渉してしまい交換不可でした。LS-32の方が基板が小さく干渉しないので推奨しています。
LS-40-01(5pin型)への交換/基板の一部が隣のボタンエリアのガワに干渉するので交換不可ですが、削る等の工夫次第では交換可能です。
LS-58-01(5pin型)への交換/別売りの「Basicest JST XH 5pinケーブル」を使用する事で問題無く交換可能でした。(交換時レバー軸24㎜)

各種レバー互換性             ファストン端子接続表
LS-32交換時の端子曲げ箇所              LS-58-01交換時   

【総評】
なんとレバー交換を行わなくてもそのまま実用出来るレベルの、洗練された安定感を持つアケコンです。LS-32への交換では底面の小さなカバーを外すという条件付きですが、問題無く使用できます。LS-58-01との相性も非常によく、こちらのカスタムもオススメです。持ち運びの便も良いので、人気商品なのも頷ける内容でした。

②Qanba Obcidian2 ¥39,000 評価★★★★☆

━━脅威の3万円超え、アーケード筐体に最も近いアケコン。Qanba製のプロ仕様機で、eスポーツのトーナメントプレイヤーの為に生まれたというハイエンドクラスのアケコンです。Amazonレビューは★4.3(58件中)と高評価を得ています。

【DATA】
価格¥39,000~¥45,000/W490×D265×H58/3350g/8+5ボタン ビュウリックス配置/ケーブル2.3m/三和レバー&三和ボタン搭載/ヘッドフォン端子付/DP,LS,RS切替有/連射,連射固定有/PC,PS5,PS4対応/タッチパッド有
【操作感】
レバー/三和レバーなので柔らかい上に入力感が無く、高速精度も低速精度も出にくいです。本体の剛性がある分、安定感があるのでいくらかマシですがレバー交換を推奨します。
ボタン/三和ボタンなので反応速度も入力感も良好です。
安定性/本体重量がかなり重いです。天板と底板に金属プレートが組み込まれているだけでなく、底面全てがゴムマットになっているので安定感は抜群。通常プレイはもちろん、激しいプレイでも本体ズレ、本体ブレを起こしません。特に天板の剛性によるレバーの入力感、ボタンの打鍵感、静音性はアーケード筐体そのもので、他のアケコンには無い要素です。
【機能性】
対応ハード、連射性能、切り替えスイッチ、タッチパッド等は、ミドルクラスのアケコンと大差ありません。最低限必要な機能は網羅されています。
【デザイン】
無駄を削ぎ落して洗練されたデザインです。サイドパネルにケーブルや替えのレバーボールを収納するスペースがあります。本体が大きいため手前の傾斜に手のひらはフィットしません。また天板のネジ穴シールを除去する事で、天板交換が行えます。別売りのクリアパネルに交換し、中にイラストカードを組み込めば、自分だけのオリジナル痛アケコンにする事も可能です。

【カスタマイズ性】
レバーは5pin端子型なので、端子付替のみで交換可能です。また、レバー軸が底面に干渉するため、レバーボール交換用の小さなカバーを開けたままにする必要があります。
LS-32-01(5pin型)端子付替えのみで交換可能。交換時のレバー軸が17mmとかなり短いので、軸のみ別売りのADJ-SFT-LS32-4(+4mm軸)に交換する事をオススメします。
LS-40-01(5pin型)端子付替えのみで交換可能。交換時レバー軸20mm。
LS-58-01(5pin型)端子付替えのみで交換可能。交換時レバー軸22mm。

【総評】
本体の安定感が凄まじく、アーケード筐体に最も近い商品だと感じました。レバー交換も容易でカスタマイズ性も非常に高いですが、機能性はミドルクラスのアケコンと大差ありません。持ち運び用には向きませんが、アーケード筐体のプレイ感を目指すなら、この商品以外に選択肢は無いでしょう。

③Qanba N1 ¥6,000 評価★★☆☆☆

━━中華製最安値アケコン、その実力はいかに?Qanba製ローエンドクラスのアケコンです。Amazonレビューは★2.4(4件中)と不安を覚える評価を得ています。

【DATA】
価格¥6,000~¥8,000/W320×D220×H65/1050g/6+5ボタン ビュウリックス配置/ケーブル2.0m/自社製レバー&自社製ボタン搭載(レバー軸26mm)/DP,LS切替有/連射,連射固定有/PC,PS3対応/
【操作感】
レバー/自社製レバー搭載で、柔らかい割に入力感がしっかりしていて、性能は三和レバーとセイミツレバーの中間の位置付けになります。レバー軸26mmとやや長めなので精度は出にくいですが、スプリングが効いていて反発力があり柔軟な弾避けは比較的しやすいです。
ボタン/自社製ボタン搭載で、ストロークが三和ボタンに比べて長く、ペコペコ感が強いので反応速度がネックになる印象でした。
安定性/本体が軽い上に、重心も安定しない構造なので、膝置きの場合若干の本体ブレを起こします。しかし、手前側の傾斜が広いため、手のひらにフィットして本体がホールドされ、机置きの場合本体ズレは起きませんでした。これはプレイヤーの手の大きさやプレイスタイル次第で変わりそうです。
【機能性】
各種機能は最低限整っていますが、対応ハードはPS3とPCのみでファームウェアのアップデートは行われていないようです。
【デザイン】
良くも悪くも中華デザイン。人間工学に基づいたデザインと謳っていますが、良い点は手のひらでホールドしやすい手前の傾斜部分のみで、全体的に安物感があり好みは分かれると思います。
【カスタマイズ性】
レバーは5pin端子型なので、端子付替のみで交換可能です。
LS-32-01(5pin型)基板が台座に干渉してしまうため交換不可。
LS-40-01(5pin型)基板の干渉はほぼ無いので、端子付替のみで交換可能ですが、軸が底面に干渉するのでレバーボール交換用のカバーを開ける必要があります。交換時レバー軸20mm。
LS-58-01(5pin型)基板も軸も干渉しないので、端子付替えのみで交換可能。交換時レバー軸22mm。
LS-32(ファストン端子型)/基板干渉は起こさないが、ファストン端子対応じゃないので別売りコネクタを使用するかハンダ付けが必要(未検証)

【総評】
中華製アケコンの廉価版という事で使い物にならない懸念がありましたが、意外にも値段相応くらいは使える印象でした。ただしカスタムの余地が多く制限付きである点と、定番のLS-32-01への交換が出来ない事が大きなネックです。改造を楽しみたい方意外は、予算が許すなら上位モデルの購入をオススメします。

④8bitdo アーケードスティック ¥12,000 評価★★★★★

━━これで十分、高コスパの多機能アケコン。無線からマクロまでなんでも器用にこなせて、カスタム性も高い優等生。Amazonレビューは脅威の★4.3(3683件中)と非常に高い評価を得ています。

【DATA】
価格¥12,000~¥13,000/W299×D200×H52-58/1963g/8+4ボタン ビュウリックス配置/着脱式ケーブル3.0m/無線2.4G,BlueTooth接続有/自社製レバー&自社製ボタン搭載(レバー軸25mm)/DP,LS,RS切替有/連射,連射固定有/マクロ機能有/PC,Switch対応/
【操作感】
レバー/自社製レバー搭載で、三和レバーよりもさらに柔らかく入力感がありません。東方のプレイには致命的なので、セイミツレバーへの交換は必須と言えます。
ボタン/自社製ボタン搭載で、特に問題なく使用できます。
安定性/小型アケコンの中でもトップクラスに重量があり、通常プレイででも本体ズレ、本体ブレの心配はありません。非常に安定性が高いといえます。
【機能性】
優先接続(USB-typeC)と無線接続(2.4G/BT)を切り替え可能で、専用レシーバーを本体内に収納できます。無線時は1000mAhのバッテリーで駆動します。無線による遅延は特に感じませんでした。また専用アプリによってレバーおよびボタンの特殊機能が牙を剥き、連射、連射固定、感度の変更、マクロ登録など自由自在です。Switch/PCのモード切替によってボタンのLED表示が変わる芸の細かさ、Brook wingmanシリーズを使えばPS5等のハードでも無線接続が可能になります。
【デザイン】
レトロ心が細部に光る、アケコン屈指のオシャレデザイン。アイボリー基調の筐体は珍しく、表面のシボ加工によって埃や汚れが目立たないのも良い点です。
【カスタマイズ性】
レバーはファストン端子型でハンダ付けされていますが、別売りの「Basicest JST XH 5pinケーブル」の突起部分を削り、基板の8pinコネクタに写真の通り接続する事で交換可能です。
LS-32-01(5pin型)交換可能。交換時レバー軸19mm
LS-40-01(5pin型)交換可能。交換時レバー軸22mm
LS-58-01(5pin型)交換可能。交換時レバー軸23mm

【総評】
今回のレビューで堂々の1位に輝いた高コスパアケコンです。コンパクトなのに非常に高いポテンシャルを持っています。汎用性、機能性、カスタマイズ性、どれを取っても高評価、無線も使えて持ち運びもしやすい。まさに人を選ばない名機と言えます。

⑤HORI リアルアーケードPro.VサイレントHAYABUSA ¥19,000 評価★★★☆☆

━━弾幕STGと静音アケコンの相性はいかに。HORI製ミドルクラスのアケコンHAYABUSAの静音版。またカスタマイズ性に関しては通常版と同様です。Amazonレビューは★3.9(537件中)と高い評価を得ています。

【DATA】
価格¥19,000~¥25,000/W424×D230×H58/2220g/8+5ボタン ビュウリックス配置/ケーブル3.0m/自社製静音レバー&自社製ボタン搭載(レバー軸21mm)/PC,PS5,PS4,PS3対応/DP,LS,RS切替有/連射,連射固定有(3段階)/タッチパッド有/PC,対応/ヘッドフォンマイク端子有/
【操作感】
レバー/自社製静音レバー搭載で、柔らかくスプリングが効いていて反発力があります。柔軟な弾避けは比較的しやすいですが、光学スイッチ式なので入力感がほぼ無いに等しく、精度はかなり出しにくいです。
ボタン/自社製ボタン搭載で、ストロークが浅くボムボタンの反応速度は良好です。しかし押し続ける必要のあるショットボタン等は、やや力を入れて押し続けないと不意に解除されてしまうので、三和ボタンへの交換をオススメします。
安定性/底板が金属で本体重量があるので通常プレイはもちろん、激しいプレイでも本体ブレや本体ズレを起こしません。
【機能性】
連射が3段階搭載されている事以外は、他のミドルクラスアケコンと大差ありません。
【デザイン】
無駄のないスタイリッシュなデザインで、アシストボタンは全てサイドに配置されています。手前の傾斜が手のひらにフィットするので安定感が出やすいです。ケーブル収納スペースがあるのも良い点です。また、天板のパネルを剥がして別売りのクリアパネルを購入すれば、オリジナルデザインのアケコンにカスタムする事も可能です。

【カスタマイズ性】
レバーは6pin端子型で接続されていますが、セイミツレバーの5pin端子に白ケーブルのみ外して接続する事で問題無く使用できます。いずれも干渉せず容易に交換可能でした。
LS-32-01(5pin型)交換可能。交換時レバー軸16mmとかなり短いので、軸のみ別売りのADJ-SFT-LS32-4(+4mm軸)に交換をオススメします。
LS-40-01(5pin型)交換可能。交換時レバー軸18mm
LS-58-01(5pin型)交換可能。交換時レバー軸21mm

【総評】
パッドやキーボードに比べてアケコンはプレイ音が出るので、騒音を気にする環境でプレイする方にとって、静音製品は魅力的かもしれません。しかし、同時に入力感を著しく損なうので、静音性は入力精度とトレードオフであると考えて下さい。ただしHORI製レバーは比較的弾避けしやすい部類のレバーではあるので、全く使えないというわけではありません。よほど静音性を重視しない限りは、通常のアケコンを購入した方が良いでしょう。

⑥Mayflash F300¥11,480 評価★★★★☆

━━主要ハード全てに対応したマルチリンガル。人気Mayflashシリーズのエントリークラスのアケコンです。Amazonレビューは★3.9(265件中)と高い評価を得ています。

【DATA】
価格¥11,000~¥14,000/W298×D224×H60/1512g/8+2ボタン ビュウリックス配置/ケーブル3.0m/自社製レバー&自社製ボタン搭載(レバー軸23mm)/PC,Switch,PS5,PS4,PS3,XBOX X/S,XBOX One,XBOX360,macOS,Android,NEOGEOmini対応/DP,LS切替有/連射,連射固定有(2段階)/xinput,dinput切替有/
【操作感】
レバー/自社製レバー搭載で、三和レバーに近い柔らかさを持ちながらも入力感があるので弾避けはしやすい部類のレバーでした。ただし軸の直径が小さいので、安定感が無く高速精度が出しづらいです。
ボタン/自社製ボタン搭載で、三和ボタンに近く反応速度も良好なので、特に交換する必要はありません。
安定性/底板が金属で本体重量があり、通常プレイで本体ズレ、本体ブレは起こしませんでした。
【機能性】
ほぼ全てのハードに対応(PS5はファームウェアのアップデートが必要)しています。高機能というよりは汎用性が高いです。連射固定機能はありません。
【デザイン】
オーソドックスなアケコンと言った感じのデザイン、シンプルですが悪く言えば地味です。手前の傾斜に手のひらがフィットするので安定感があります。
【カスタマイズ性】
公式で三和レバー、ボタンへの互換性を謳うだけあって、あらゆるレバーへの交換が干渉無しで行えます。搭載されているレバーはハンダ付けされていますが、別売りの「Basicest JST XH 5pinケーブル」を接続するコネクタが基板に用意されています。
LS-32-01(5pin型)交換可能。交換時レバー軸23mm
LS-40-01(5pin型)交換可能。交換時レバー軸25mm
LS-58-01(5pin型)交換可能。交換時レバー軸22mm

【総評】
1万円台前半で対応ハードの豊富さ、操作性や機能性、カスタマイズ性の高さと非常に優秀なアケコンでした。ただ東方用のアケコンと考えると対応ハードの豊富さはそこまで重要ではありません。汎用機が欲しい方にはかなりオススメできます。またF300 Eliteは三和レバー搭載モデルとなっているようです。

⑦Mayflash F700¥26,000 評価★★★★★

━━まさに聖杯、万能の願望器。主要ハード全てに対応した究極汎用機。人気Mayflashシリーズのハイエンドアケコンです。Amazonレビューは★4.8(7件中)と非常に高い評価を得ています。

【DATA】
価格¥26,000~¥27,000/W373×D245×H65/2590g/8+4ボタン ビュウリックス配置/ケーブル2.5m/無線2.4G,BlueTooth接続有/自社製レバー&自社製ボタン搭載(レバー軸22mm)/PC,Switch,PS5,PS4,PS3,XBOX X/S,XBOX One,XBOX360,macOS,Android,NEOGEOmini対応/DP,LS,RS切替有/連射有(3段階)/
【操作感】
レバー/レバーもボタンもf300と同等の物が搭載されていました。三和レバーに近い柔らかさながら、入力感があり弾避けはしやすい部類のレバーですが、軸の直径が小さいので安定感が無く高速精度が出しづらいです。
ボタン/自社製ボタン搭載で、三和ボタンに近く反応速度も良好なので、特に交換する必要はありません。
安定性/底板と天板が金属製で剛性が高く、本体重量もあって安定感があります。通常プレイは勿論激しいプレイでも本体ズレ、本体ブレは起こしませんでした。
【機能性】
ほぼ全てのハードに対応しているだけでなく、無線接続にも対応しました。無線接続時は1000mAhバッテリー駆動となります。無線の遅延は特に感じられませんでした。接続ハードの設定をダイヤルで簡単に行えるのも良いです。連射固定機能が無い事以外は、高機能と言えます。
【デザイン】
オーソドックスなアケコンと言った感じで、F300を洗練したデザインです。天板のアクリルは外せるので、中にイラストカードを入れる事でオリジナルデザインのアケコンにカスタム可能です。
【カスタマイズ性】
公式で三和レバー、ボタンへの互換性を謳うだけあって、あらゆるレバーへの交換が干渉無しで行えます。F300同様に搭載されているレバーはハンダ付けされていますが、別売りの「Basicest JST XH 5pinケーブル」を接続するコネクタが基板に用意されています。
LS-32-01(5pin型)交換可能。交換時レバー軸17mmとかなり短いので、軸のみ別売りのADJ-SFT-LS32-4(+4mm軸)に交換をオススメします。
LS-40-01(5pin型)交換可能。交換時レバー軸19mm
LS-58-01(5pin型)交換可能。交換時レバー軸22mm

【総評】
ほぼ全てのハードを網羅し、機能も申し分ない。レバー交換のバリエーションも豊富で、天板デザインも変更可能。自分好みにカスタマイズし易くとても優秀なアケコンです。据え置きの高級機を探している方には非常にオススメできます。

⑧レトロフリーク用 アーケードスティック¥13,800 評価★☆☆☆☆

━━我が道をゆく、硬派入力デバイス。レトロゲーム互換機レトロフリーク対応アケコンとして売られていますが、PCにも対応しているので問題なく使えます。

【DATA】
価格¥13,000~¥14,000/W293×D177×H55/1280g/8+8ボタン ビュウリックス配置/ケーブル3m/三和レバー&三和ボタン搭載(レバー軸21mm)/PC,レトロフリーク対応/
【操作感】
レバー/三和レバー搭載なので、レバーは柔らかく入力感はあまり無いため精度が出にくい。
ボタン/三和ボタン搭載なので反応速度は良好です。
安定性/天板が金属製で剛性が高く、レバーの入力感やボタンの打鍵感に安定性があります。通常プレイでは膝置きの場合本体ブレを起こしますが、机置きの場合ゴム足のおかげで本体ズレは起こしませんでした。
【機能性】
レトロフリーク専用ボタンは、PCで使用する際は汎用ボタンとして認識します。各種機能に乏しいので、機能面はあまり良くない印象でした。
【デザイン】
グリッド調のいかにも入力デバイス、と言った感じの硬派なデザイン。金属の天板と直線的なフォルムがメカニカルな印象を醸しています。
【カスタマイズ性】
分解の際にゴム足を剥がす必要があります。搭載されているレバーは5pin型端子で接続されています。しかしセイミツレバーは軸の全長が下にやや長いため、底板と干渉してしまい交換不可でした。六角スペーサー等で、底板にゲタを履かせる工夫で、スキマは空いてしまうものの干渉を防ぐ事ができますが、カスタマイズ性は極めて低いと感じました。
LS-32-01(5pin型)交換可能。交換時レバー軸15mmと相当短いので、軸のみ別売りのADJ-SFT-LS32-4(+4mm軸)に交換をオススメします。

【総評】
硬派なデザインは好みが分かれますが、刺さる人には刺さるアケコンだと思います。天板が金属なので重心が上に位置し、小型アケコンにしては安定性があります。セイミツレバーへの交換は可能ですが、蓋が閉まらない等、カスタマイズ性が致命的に低いのがネックです。改造を楽しみたい方にはオススメできます、是非空いた隙間からLEDを光らせてみて下さい。

⑨HORI ファイティングスティックmini ¥4,900 評価★☆☆☆☆

━━小は大を兼ねるのか? 大手ゲーム周辺機器メーカーHORI製、サイズも値段も最小クラスのアケコンです。持ち運び性能は言うまでもないが、アケコンとしての実用性は果たして大丈夫なのか?

【DATA】
¥5,000~¥6,000/W208×D148×H33/460g/8ボタン+5ボタン/ケーブル2.5m/ビュウリックス配置/自社製レバー&ボタン(レバー軸22mm)/
【操作感】
レバー/搭載されているHORI製レバーは柔らかく、やや入力感があり三和レバーとセイミツレバーの中間くらいの位置付けでした。レバー単体で評価すると、思ったよりも操作性は高いと感じました。
ボタン/ボタンは小さくて、間隔も狭いので指が窮屈になります。
・安定性/本体があまりにも軽いせいで、通常プレイでも本体ブレ、本体ズレが起きてしまい、手のひらでしっかり押さえないと、机置き膝置き共に精密入力はまるで出来ません。かろうじてアケコンを両膝で挟んで固定すると、それなりの安定感は得られますがあまりオススメはできません。
【機能性】
PCではPOV(ハットスイッチ)として認識し、LS/DPの切り替えが出来ないので、東方で使用するにはjoy to keyの割り当てが必須となります。連射が3段階と連射ホールド機能が搭載されています。
【カスタマイズ性】
残念ながら、小型筐体ゆえにセイミツレバーに交換する余地も互換性もありませんでした。
【総評】
持ち運んでも荷物にならない事くらいしかメリットがありません。値段相当と言ってしまえばそれまでですが、東方を始めとするゲーム性の高いゲームをプレイするならば、やはりある程度の値段を出すべきでしょう。


6.レバー軸交換について

まだだ、まだ諦めないぞ! 我らの手に秘宝がある限り、いくらでも強くなれるのだ。……多少の代償に目を瞑れば。

鬼人正邪/東方輝針城~Double Dealing Character.

今回のレビューでは、レバー交換前と交換後の、天板からレバーボールまでの軸の長さを記載しています。手の大きさや持ち方によって差はありますが、通常19mm~24mmが最適な長さと思われます。レバー軸が長すぎると精度が出にくくなり、短すぎると柔軟性を損ないます。
特に市販のアケコンはLS-32-01に交換するとレバー軸が短くなりがちです、プレイ感が気になる方はレバー軸を「LS-32系レバー用長さ調整シャフト (+4mm、Eリング付) /ADJ-SFT-LS32-4」に交換しましょう。

レバー軸を交換する

レバー軸交換セット              分解時の位置関係

レバー軸はEリング(Cリング)と言う金属で固定されています。これを外して締め直すのには、かなりの力と器用さを要求されます。慣れればラジオペンチのみで交換出来ますが、専用工具の「Cリングプライヤー」「Eリングプライヤー」を使用するとスムーズです。多少費用が掛かりますが、Eリングプライヤーは最悪ラジオペンチで代用できます。

7.まとめ

「アケコン東方のすゝめ」いかがでしたか?これだけの情報量があるという時点で、アケコンの導入ハードルがいかに高く、アケコン使いが少ない理由が分かって頂けたかと思います。
アケコンで東方を快適にプレイするための情報は全てこのnote.に詰まっています。特にこだわりが無ければ、基本的に★★★★☆以上のアケコンを購入して、解説の通りにカスタムすれば良いでしょう。みなさんも、これを機にアケコン東方を始めてみてはいかがでしょうか?もし不明な点や間違いがありましたら、SMYK社長のXアカウントまで気軽にDM下さい。

どう? 貴方の道具は今の方が嬉しそうでしょ?喜んで使っている貴方に訊くまでも無かったわね。

少名針妙丸/東方輝針城~Double Dealing Character.


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