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【胃の静脈】Henleの胃結腸静脈幹をご存知?
胃の静脈の解剖について、解説してみます。
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まず大事なポイントの一つは、『胃の静脈はすべて門脈に還流する』ということですね。
胃の”動脈”が、小弯側と大弯側、そして右左で2×2の4本ありますが、”静脈”についても同じです。
小弯側、大弯側、右、左で4本あります。
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まずは、右胃静脈から見てみましょう。
右胃静脈はこのように走って門脈に入ります。
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今度は、左胃静脈を見てみましょう。
左胃静脈は、腹腔動脈の分岐部の前を通過していって、門脈に向かっていくんですね。
そして門脈に入ります。
では今度は、大弯側の静脈を見てみたいと思います。
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まず、左大網静脈は、大弯側を通って脾静脈に流入して、脾静脈が膵臓の裏側を通って門脈に入ってきます。
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そして最後、今度は右側ですね。
右胃大網静脈は、大弯側を通って、このように奥に入っていって、膵臓の前面から上腸間膜静脈に流入します。
以上のような4つの静脈があります。
ポイントは、『左胃静脈と右胃大網静脈は変異が多い』ということです。
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まず左胃静脈。
先ほど見たもののように、このような走行で門脈に入ることもありますし、またはもっと下の方に降りて行って脾静脈に入るパターンもあります。
もしくは、もちろん門脈に入るパターンもありますし、門脈と脾静脈の間(合流部)に入ったりと、結構バリエーションが多いんです。
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もう一つ、右胃大網静脈も見ていきたいと思います。
右胃大網静脈は、膵臓の前面から上腸間膜静脈に流入します。
先ほど見たように、このような形で入っていくのですが、ここに上前膵十二指腸静脈があります。
膵臓と十二指腸の静脈です。
右胃大網静脈はこの上前膵十二指腸静脈と合流しています。
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あとは、(図中には描かれていませんが)上右結腸静脈とも合流します。
さらに、中結腸静脈とも近いところにあって、ここで一緒に合流して上腸間膜静脈に入っていったりします。
ここの合流した部分を『胃結腸静脈幹』といいます。
別名、『Henleの静脈幹』です。
消化管のつながりとしては遠く離れている胃と結腸ですが、ここではそれらの静脈が非常に近接していて、共通幹をつくっているという箇所なんですね。
ということで、胃の静脈の解剖について、解説してみました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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