〜米国医師国家試験 USMLEの直前期〜part8 4年かかったUSMLE
直前期の過ごし方
一度解いた問題に関しては、
ストーリーを大まかに覚えていたこと
そしてその周辺知識をまとめたFirst Aidの表をなんとなくインプットできていたことから
選択肢が何と引っ掛けようとしているのかを読み取ることができる様になっており
間違えることは格段に減っていました。
思い出す際はキーワードの書かれていた場所がふわっと浮かぶことが多く、結局確信を持つことは本番までありませんでした。
しかしその問題を解いていても、全く思い出せないストーリもあったので
その際はまた初心に返って
主訴から考えるべき鑑別疾患を想起し、
区別するには何がキーワードになるのか
ということを逐次確認していました。
本番の2週間前までは、
1日の進捗は多くても70問程度にとどまっていたと思います。
これは完全に卒業試験を並行して受ける中で生じた慢性疲労が原因だったと思います。
私は働きながら受験される先生方を
本当に心の底から尊敬しています。
ある方は前日が何時の就寝であっても必ず朝5時に起きて出勤までの時間でなんとか学習時間を捻出しながら、
ある方は家庭の時間と連日押し寄せる心臓外科の手術と学習のそれぞれの時間をすべて大切にしながら、
ある方は今の職場では目標を到達することは無理だと悟り転勤してまで環境を整えながら、
孤独な戦いに挑んでおられました。
これらの先生方の話を聞いて私は、
自身のもがいている環境のストレスは
本当にちっぽけだなぁと思うと共に
社会はこういった方々の計り知れない犠牲に支えられているのかも知れないという畏怖を感じる様になりました。
これらの選択が正解・不正解ということではなく
夢を叶える、自分の人生を生きるとはそういうことなのかも知れないと
自身の甘さを反省するばかりだったのです。
しかし、しんどいものはしんどいので
そう感じたからといって急に解ける問題数が増えるわけではないのが悲しいところです。
本番2週間前
本番2週間前ともなると、
果たして今の自分に合格する能力があるのか
今の勉強法で正しいのか
苦手分野を倒すことと今まで見てきた表をもう一度詰め直すことのどちらを優先すべきなのか
最後の模試で点数を取れなかったらどうしようか
という様な悩みやプレッシャーが大きくなってきます。
結局これらの悩みを解決するためには
"2連続模試"を実際に受けて
直接確認するしか方法がないのです。
2連続模試とは
USMLEの第一人者セザキングが勧める
本番前最後の大戦争です。
NBMEという模試では、
50問/1ブロックを1時間15分×4ブロック、
5時間と休憩時間を合わせた5時間30分ほどを使って解くのですが、
そこにFree120という
本番と同じ形式の練習問題を
40問/1ブロックで1時間×3ブロック分足して
計9時間で320問を解きます。
本番は
40問×7ブロックで280問、
これを7時間+1時間の休憩=8時間で解くので
本番よりもやや問題数が多くさらに時間も長い演習を行うことになります。
これに耐えることができれば、
この模試で結果を残すことができれば本番もなんとかなるだろうというのが
この模試の意義となります。
私はこの2連続模試を恐れに恐れて
結局受験したのは本番の5日前でした。
2連続模試
本番5日前となる12/14の午後2時
私は重い腰を上げて9000円もする模試を親におねだりして購入してもらいました。
円安の影響は大きく60$の模試は約9000円にも上ります。
本番を想定するために、
本番で飲もうと決めていたおやつとジュースを購入しておきました。
席についた時は本当に気分が重たかったです。買ったおやつはおかきと紗々のチョコレート、加えてたらこ味のじゃがりこ
買ったジュースはヤクルト1000とタリーズのミニ缶コーヒー
各休憩時間は
6分、7分、8分、14分、13分、12分の
計60分間で計画しました。
1ブロック、2ブロックは順調に解き進みます。
この模試を解いている間のイメージとして、
合格するためには70%の正答率が必要とされるため、
逆に30%は落としても良いという発想を持ち続けました。
間違えることを過度に恐れると
足元を掬われると感じたからです。
50問の30%は15問。
つまり4問に1問くらいはわからなくて良いと自分に言い聞かせながら解いていました。
しかし問題を解き続けていると、別の問題が発生します。
とにかく自分があとどれくらいの時間を
目の前の問題にかけていいのかが
途中からわからなくなるため
テーブル表を事前に作っていました。
これは本番でも同様に用いたため良い閃きだったと思います。
解いている時の感覚は、
これまでとは違い分かる問題は分かるし
わからない問題は類題も見たことない。
という感じでした。
最初のFree120を解き終えた時点で
スコアが表示されます。
それぞれ、70%、68%、69%で、合格点を無事超えていることを把握できました。
少し安堵したのも束の間
続いてはNBME模試に移行します。
模試を解いている間に食べたお菓子のうち、
1番お煎餅が美味しく感じました。
塩気は大切です。
問題を解いてる時、
分からない問題にうんうんと頭を悩ましていると
どうしても1分30秒、2分、2分30秒と時間を使ってしまいます。
そうなると困るのは後半の問題達。
だからこそ模試を解き続ける中で
切るべき問題と戦うべき問題を
区別することも強く意識づけます。
NBME模試は、休憩画面というものがなく
自身で一旦停止ボタンを押し、
「離脱する」を選択することで休憩時間を確保する形になります。
以前解いた模試では休憩方法が分からず涙目になりながら
4時間ぶっ通しで模試を解いたミスを糧に
今回は定期的に休憩をとりました。
そして後半の模試の2ブロックを解き終えた時、
私はなんと
夜ご飯を作り出しました。
もう限界だったこと、
そして合格点を超えているだろうと確信を持てたことで
完全に集中の糸が切れてしまい、
大好きな料理を始めてしまったのです。
この様な有様ではは本番でも同様に
集中力が切れてもおかしくないですが
この時は疲れ切っており、
半分投げやりになっていました。
美味しいご飯を作った後私は改めて机に向かい
なんとか最後まで解き切ることに成功しました。
解き終えた頃にはもう夜は22:00を回っていました。
結果は
ということで、最低ラインではありますが
1週間以内に受験した場合の
合格率は99%
というお墨付きをいただき完走を果たしました。
科目ごとの点数は
直前に対策をした範囲は
無事平均点に到達していましたが
対策し切れていなかった血液などは
平均点を下回る結果となってしまいました。
しかしこれで、本番に臨む覚悟が出来ました。
12/14の夜はぐっすりと睡眠をとり
12/15は親との食事のため、
数時間かけて新幹線に乗って実家に帰りました。
そこで美味しい晩御飯を食し英気を養った私は、
来る12/19の受験のために覚悟を決めたのでした。
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今回の記事はここまでにしようと思います。
次回の記事は
本番前日の過ごし方と本番について記載したいと思います。
ここまでダラダラと
初期研修のマッチングの話などを
挟んでしまいましたが
本番について記載したいと思います。
よろしくお願いいたします。
ではまた!