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SMS Designが取り組んだ、Designship2024に向けてのコンセプトワーク

こんにちは。エス・エム・エスでコミュニケーションデザインを担当している寺川です。

先日の記事「エス・エム・エスはDesignship 2024をすごく楽しみにしています!」でも紹介している通り、エス・エム・エスはDesignship2024にPLATINUMスポンサーとして協賛しました。

ブースの制作などを進めていくにあたり、Designship2024でSMS Designとして何を伝えるか、メンバー間での認識を合わせて同じ方向を向くためにコンセプトを設定していました。
今回はその際に行ったコンセプトワークの取り組みについてご紹介します。


設定していたコンセプトは「デザイナーと介護・障害福祉を『社会課題』で結ぶ」

なぜ、コンセプトを決めようと思ったのか

昨年協賛していたDesignship2023の振り返りで、全体設計・トンマナを統一したい、というコメントが出ていました。

全体設計・トンマナ等
時期的にしかたないところもあったが、トンマナはもう少し揃えたかった

そこで今年もDesignshipに協賛するというお知らせを知り、今年は軸になるコンセプトを決めて進めたいということになりました。

コンセプトと、コンセプトを表現するビジュアルのモチーフを決めることにした

何を決めたか

なぜコンセプトを決めたいか?をメンバーに伝える際、以下を提示しました。

  • コンセプトや想いをより直感的に来場者へ伝える

  • ビジュアルを統一してイベントに一体感をもたせる

この2つを実現するために、アウトプットのイメージを先に共有し、ワークを進めていきました。

  • メッセージ

  • コンセプト(1語or1文)

  • この2つをビジュアル化したときに何になるか

まず、以下の問いを設定し、デザインチームの現在地と状況、Designshipを通してどこに向かっていきたいのかを言語化することから始めました

  1. 現時点で組織(デザインチーム)がどんな状態、環境におかれているか?

  2. その中で、何に取り組んでいる?

  3. どのような組織にしたいか?

  4. どういう人を求めているか?

  5. 何を目指しているか?

問いに対しての回答を発散・収束し、フォーマット文にあてはめてみる

文章に起こすため、書籍を参考に、フォーマット文にあてはめて整理しました。

  • 対象者は誰か

  • [対象者]が本当はやりたいこと

  • [業界]の常識・固定観念

  • [固定観念]により、見落としていること

  • だから[どんなコンセプト]で

  • [何]を提供するか

上記の項目を整理して、コンセプトを決めていきました。

文章を一文にまとめたコンセプト

このコンセプト文の納得感、解像度をより上げるために、深堀りするメッセージを設定しました。

有志メンバー各自で調整した文章案を持ち寄り、良いところ・使いたいところをピックアップしながら、メッセージをまとめていきました。

元の文章を入れ替えたり、一旦壊したり、議論を重ねて、できあがったのがこちらです。

見た目だけの表層的なデザインではなく、
本当はもっと、ビジネスの課題に深く関わって、サービスの成長に携わりたい。もっと社会と繋がりたい。
そう願うデザイナーは増えていると感じています。

エス・エム・エスが取り組む介護・障害福祉業界には
デザインで解決できる社会課題があり、業界特有の課題を解決するデザイナーを必要としています。

介護・障害福祉の社会課題というと、解決できそうにない難しいもの、
デザインから遠いものと感じてしまうかもしれません。

SMS Designは今回のイベントで、来場者に
介護・障害福祉業界の社会課題は身近なものであることを伝え

デザイナーとして、ひとりの人として、
普段見えにくい介護・障害福祉領域との繋がりや
業界におけるデザイナーの活躍の場を知るきっかけを提供します。

メッセージをビジュアル化するとどうなるか?モチーフを決める

Designship公式のコンセプトとビジュアルを参考にし、メッセージをビジュアル化した時のイメージがチーム内でブレないように、モチーフを決めました。

コンセプトからイメージするキーワードと、キーワードの画像を発散してグルーピング、収束していきました。

その中で投票し、「領域同士が近づく・重なる」といった方向性・「別の世界同士をつなげる」「人がつながる」を体現したビジュアルを検討しました。

人がつながる・別の世界同士をつなげる
円の集合体で表現するとしたらどんなビジュアル?

一口に「円の集合体」といってもさまざまな表現方法が存在します。みんなで参考ビジュアルを集めた際に、その幅はかなり広いことを実感しました。

一緒に取り組んでいたメンバーからも、
この方向性は会社のロゴとも合っていて良いと思うけど、使い方や見せ方を絞っておかないと、具体的に使用するのは難しくなりそう」という意見をもらいました。

そこで、みんなで集めた「円の集合」参考ビジュアルを、「配置」「輪郭の状態」を基準にグループ分けして、「どの見せ方が最もコンセプトに近いか?」を議論しました。

最終的に決まった取り扱い方がこちらです。

気付いた方もいらっしゃるかもしれませんが、最終的なアウトプットとしてのビジュアル表現と一部食い違っている箇所があります。感想でもふれますがこれは私がチームに提案した「する表現」「しない表現」の設定時点で、実際に使用する状況を考慮しきれていなかったために起きたことだったなという反省が残りました。

その後決めていく制作物で、アイディアの軸に活用

このコンセプトを軸に、ブースでやることとして、「おみくじ」をアンケート欄に「結ぶ」体験が決まっていくなど、アイディアの軸に活用していきました。

イベント準備から、当日を終えて感じたこと

感想

デザイナーと介護・障害福祉を「社会課題」で結ぶというコンセプトを決めたことで、イベントで使用する制作物の軸として活用することができました。

ブースではコンセプトを元に「おみくじを引く・結ぶ」という体験を企画しました。おみくじは、いきなり話すよりも、引いてもらうことでコミュニケーションが始められて良かったという声も挙がっています。また、引いたおみくじは介護・障害福祉に関する問いに対して、投票先のひもに結ぶアンケートとして使用し、300を超える来場者の方に、結んでもらうことができました。

一方で、決めたコンセプトのビジュアルを使用するのはあしらい程度の想定でいたため、モチーフ決定までの実施で、実際、使用したのはパネルとチラシのみにとどまりました。テンプレート化などもっと活用しやすい形まで詰めておけば、ブースや配布物での展開ができ、よりイベントでのエス・エム・エスの一体感が目に見える形になったのではないかという反省もありました。

今後このようにコンセプトを設定して展開をしていく際には、コンセプトの文章から一歩先に、ビジュアルのテンプレート化と展開を見据えて準備をしていけるようにしたいと思います。

さいごに

初めての試みで右往左往していたにもかかわらず、意見やコメントをくださったり、一緒につくりあげていったSMS Designのメンバーにとても感謝しています。
当日Designshipで立ち寄ってくださった方々、おみくじを結んでコミュニケーションが取れて嬉しかったです。みなさまありがとうございました!

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