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愛について。

片道6時間。海の近くに住む恋人と月に一度会うようになって半年が過ぎた。

夏は車で恋人が私の住む街へ、冬は公共交通機関で私が恋人の住む街へ。

峠に雪が積もる頃、初めて恋人の住む街へ行った。数年前まで住んでいた街のことを思い出し、懐かしくなる。海がすぐ近くにあり、山に囲まれ、寒く長い冬のある街。

海沿いをドライブしながら、ある夏の日を思い出す。

私が海を見たいというので、海のない私の街から海まで車を走らせてくれた夏の日。

ふと気づいた。

恋人の住む街はこんなにも近くに海があるのに、あの日わざわざ車を走らせてくれたのか。

半年越しに、届いた愛。

「3日もあれば、君はどこでも楽しいって言っているよ。」

コロナ禍で異動ばかりの1年を過ごした私に恋人がよく言っていた一言。この一言で何とかやってきたとさえ思える。

これまでもこれからも出張、転勤を繰り返す恋人。

コロナが落ち着いたら片道6時間の距離も縮まるだろうか、隣で早く生きられたらと願う。

3日もあれば、私はどこでも楽しくなるのだから。

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