我孫子・手賀沼日帰りひとり旅
2022年11月。
志賀直哉ゆかりの地へひとり旅
約1か月振りの1日の休日に千葉県我孫子に行こうと決めたのはいつからだったかは忘れたけれど、行こうと思えばいつでも行けた場所についに行くことにした。
我孫子に行く目的は志賀直哉が住んでいた土地という1点のみ。
志賀直哉や武者小路実篤らが遊んだという手賀沼を見たいと思っていたから。
事前の下調べは軽く、当日することもなんとなく決めただけのゆったりとした日帰り旅行。
持ち物はリュックにデジタル一眼レフと文庫本2冊、ペットボトルの水、手拭い(温泉入る時用)、メガネ(UVカット、自転車乗る時用)。
お財布は長財布から小さい旅行の財布に入れ替えてカメラバックにもしているポシェットに入れる。
いつもに比べてだいぶ身軽。
いつもより少し遅めに起きて準備して家を出たのは10:30過ぎていて、我孫子に着くのはお昼頃になりそう。
最寄り駅から高田馬場で山手線で日暮里に向かい、日暮里から常磐線で我孫子へ向かう1時間15分ほどの移動となり、ちょっとした旅行気分も味わえる距離。
持っていった本は2冊。
志賀直哉の「灰色の月・万暦赤絵」と吉田健一の「夜汽車の酒」。
旅先で旅の本を読むとより非日常感があって楽しい。
常磐線は柏で大勢下りていき、車両には私一人になった。
車窓の風景もだいぶ変わり、川沿いの紅葉が見えたりした。
我孫子駅到着
我孫子駅で降りる人は少なく、まして観光的に来ている人はいないようだった。
駅を出てまず観光案内所的なアビシルベへ。
手賀沼のガイド地図をもらい手賀沼へ向かう。
我孫子駅から手賀沼へは一本道で10分くらい。
手賀沼は徒歩で廻ろうか、レンタサイクルを借りるかはお昼ごはんを食べてからにしようと思い、まずは事前に調べていた手賀沼沿いにあるサンドイッチ屋さんへ。
手賀のモリーノでランチ
手賀沼公園から10分くらいで「手賀のモリーノ」へ。ショーケースにはサンドイッチがほとんどなかったけど、店員さんがすぐに作れるとのことだったので「十文字鶏と梅たたきと大葉の和風サラダサンド」450円とセットドリンクでアイスラテ300円を注文する。
店内は席数7席ほどの小さなお店で、他のお客さんもなくのんびり窓から見える手賀沼を見てしばし待つ。5分ほどで作りたてのサンドイッチが出て来た。ボリュームもあり美味しい。
ゆっくりと食事を取ったあとは、また手賀沼公園方面へ。
水辺のサフランでパン購入
途中で行く途中で行列ができていたお店が空いていたので、なんとなく店内へ。「水辺のサフラン」というカフェも併設のパン屋さんだった。人気店らしく店内は常時2.30名くらいのお客さんがいて、焼き立てのパンが次から次へと運ばれてきている。
カヌレやら、台湾カステラやら何やら気になるものも多く、お昼ご飯を食べたあとだったけどおやつとお土産に色々と購入する。
手賀沼公園へ戻りベンチで早速先程購入したカヌレを食べる。
生カヌレチョコ260円はカヌレの中に生クリームとチョコが入っていて、チョココーティングされていた。カヌレ自体もとても美味しかったので、もう少し買えばよかったと思った。
手賀沼公園には沼に付き出した形で公園岬があり、沼を眺められるベンチが複数設置されている。
老若男女思い思いにベンチでゆっくりとしている。
人々の傍らには鳩やら鴨が休んでいて、「人と鳥の共生」を我孫子市が打ち出しているのにも納得した。
結局この日は自転車での散策はやめて徒歩で廻ることにした。
白樺文学館
次の目的地は白樺文学館。
志賀直哉の原稿などを興味深く見させてもらったが、一番心に残ったのは柳宗悦の「我孫子から」という文章だった。
我孫子での思い出や手賀沼への思い入れなどその文章を読むだけで私も我孫子に対する思いが湧いてくる気がした。
志賀直哉邸跡
白樺文学館の次は文学館のすぐ近くにある志賀直哉邸跡に。
書斎が復元されているのと、当時の母屋原寸大平面図があり公園に整備されている。丁寧な説明もあり親切。土日は書斎の中が見れるようなので次は土日に来たいところ。
し書斎の裏手に階段を発見し、とりあえず登ってみる。途中で白樺文学館から同じように散策していたおばさまに「上には何があるの?」と話かけられる。「何があるか分からないですけどとりあえず登ってます」と伝える。結局上にはなにもなく、細い道から上の道に続いていた。
志賀直哉邸跡のある緑雁明緑地を出て、ハケの道を通りなんとなく進む。
瀧井孝作仮寓跡
案内板で瀧井孝作仮寓跡があると見つけ階段を登っていく。
瀧井孝作の「無限抱擁」はこの場所での短い仮寓期間に書かれたらしい。
仮寓跡なので何があるわけではないけど、昔と変わらない景色があるのかなと思う。
ハケの道に戻ると湧き水が。
旧村川別荘地
さらにハケの道を進むと旧村川別荘地があった。こちらは見学できるように整備されているので見学することに。
母屋は水戸街道の本陣を移築したということでかなり歴史のある建物。
外から見るよりも中は広い。窓が大きく竹林が見える。いつまででもいられそうなくらい静かで居心地の良い空間。
入館料はなく自由に見学できるようになっているのがすごい。
新館は洋式な感じ。窓はこちらも大きくて景色がきれい。少し紅葉している木々が見える。
子之神大黒天
旧村川別荘地を上がって裏門を出るとお寺があった。
真宗宗豊山派 延寿院 子之神大黒天せっかくなのでお参りする。
この日は晴れたり秋らしい雲が出たりと空模様も変化が多かった。
手賀大橋
ここからさらに足を伸ばしてみようと思い手賀沼にかかる手賀大橋を渡ることにする。
橋の向こうは柏してまたちょっと雰囲気が違う。手賀沼沿いをサイクリングしている人もいて我孫子側よりもアクティブな印象。
道の駅しょうなん
手賀大橋の下をくぐり道の駅しょうなんへ。
夕方に行ったから野菜は少なめ。直売所の他に体験ができるところやレストラン棟もある。
とりあえずお土産用に深山のおかき250円を購入。
外にあったキッチンカーでコーヒーを買って飲みながら河川敷に。
手賀沼の夕陽
だいぶ日が傾いて来たので急ぎ目に我孫子に戻る。
橋の上からは沈む夕陽がきれいに見える。
手賀沼沿いを歩きながら沈む夕陽や夕焼け空を見る。広い空と穏やかな手賀沼で刻々と変わる空模様はここでしか見られない景色だと思った。
志賀直哉や柳宗悦がこの土地を好んだ理由が分かる気がした。
手賀沼公園に戻ると昼間とは全く違う景色が見えた。
みんな思い思い手賀沼の夕陽を眺めている。ただただ穏やかな時間。何もせずに過ごす。
だいぶ空が暗くなってきたので手賀沼を後にする。
香取神宮
手賀沼公園から我孫子駅に戻る途中で香取神宮に寄る。
志賀直哉の小説にも出て来る由緒の我孫子の鎮守。
すっかり暗くなってしまっていたので、次は明るいうちに来たい。
我孫子駅にお昼12時頃に到着して18時頃までの約6時間のショートトリップだったがだいぶ楽しかった。
手賀沼は昼間も夕方もきれいで何度でもみたいと思った。
今回行ききれなかったところや、自転車での散策もできるのでそれは次回に回したい。
かかったお金
交通費:1,660円
ランチ:750円
カヌレ:260円
白樺文学館:300円
コーヒー:250円
合計:3,220円
※お土産代除く