葱
二ヶ月葱を喰ってねぇ
どおりで息が臭うわけだ
いつの間にか
葱が突き刺さる
土を喰らっていたようだ
悪魔払いの尼僧がおれを呪っている
列車の音がやけにくっきりと
聴こえてしかたがねぇ
のびほうだいの雑草に紛れて
おれは田畑に忍び込み
葱を探す
尼僧はまだ呪いの言葉を送っている
汚れ放題の土に足跡残して
尼僧の声は列車に飛び乗ると
どこかへ去って行った
「キセルかよ」
おれは葱を
引き抜くと
泥をこそげおとす
列車の音だけが
やけにくっきりと聴こえてきやがる
二ヶ月葱を喰ってねぇ
どおりで息が臭うわけだ
いつの間にか
葱が突き刺さる
土を喰らっていたようだ
悪魔払いの尼僧がおれを呪っている
列車の音がやけにくっきりと
聴こえてしかたがねぇ
のびほうだいの雑草に紛れて
おれは田畑に忍び込み
葱を探す
尼僧はまだ呪いの言葉を送っている
汚れ放題の土に足跡残して
尼僧の声は列車に飛び乗ると
どこかへ去って行った
「キセルかよ」
おれは葱を
引き抜くと
泥をこそげおとす
列車の音だけが
やけにくっきりと聴こえてきやがる