生きにくさ
わたしの生きにくさって
いったいなんだろう
何をしても何処にいても
誰といても
生きにくい
それを象徴するかのような出来事がある
ある会議室で数十人と集い
座っていると
一匹の蝿が
わたしに
たかる
そっと手で追い払っても
また肩にとまり
肩を払っても身体にとまる
これだけの人がいるというのに…
これはつまりわたしが不潔だということに違いない
汚ならしいにおいを蝿はちゃんと嗅ぎとって
わたしに狙いを定めてやって来ているのだ
その時の絶望ときたら
払っても
払っても
蝿
叫ぶことも退席することも出来ないひとの中で
蝿にひたすら愛される屈辱
この苦悶はみなが気づいているようでいて…
しかし素早く動く蝿は捕まえることが出来ない
わたしは…
わたしは…
蝿のなすがままになって
石になるしか
術はなかった…