闇とひかりの回廊を行くと
杉木立の向こうにひとが
作業人だろうか
肩にかけた
落ち葉ブロワーで
枯れ葉を一ヵ所に集めている
けたたましい音
闇とひかりを縫い合わせるような
空間で
舞い上がる枯れ葉が
埃が砂が
木々の切れ間から
陽の差す場所で
スノーパウダーのように
舞っている
格子のような
ひかりと闇
が幾重にも交差して
闇の中ではそれは消えてしまい
ひかりの中では
そのスノーパウダーは輝き
砂塵のようだ
杉木立の格子と
やみとひかりの格子
連なる中で
作業する男
まるで
奇跡の流砂が舞っているように