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帰郷せず(歌詞)

部屋の片隅で無言の二人
片方が天使なだけに
ぼくは居心地が悪くて

接待するにせよ
温いコーヒーを出すに留まる
夕前までには帰るという君は
背中を向けてそこに立つ

翼があったばかりに
その翼の跡を見るのにためらいがある
君は背を向けて震えている
傷痕に毛布をかけようと
ぼくは君に手をのばす

天使に帰る場所があるのならきっと
美しい天国だけ
でも傷つけられた君は翼を失ない
どこにも飛べない



無人の部屋の片隅に
羽がひとひら落ちていて
それがドアが開いた拍子に
舞い上がる

翼があったばかりに
帰る家を持たず
別の部屋を探してる
そんな彼女が着たセーターは
ぶかぶか翼の跡を覆い隠す

天使に帰る場所があるのなら
きっと美しい天国だけ
だけどぼくはそこまで
送れない
タクシー呼ぶ金すらもない

天使に帰る場所があるのなら
きっと美しい天国だけ
だけどぼくはそこまで送れない
タクシー呼ぶ金すらもない

傷痕見ないから
ここにいて

傷痕見ないから
ここにいて

天国行きのタクシーはない
帰郷するあてのない
天使をなだめてる