沼
ゴーストのような拍手
浴びて
悦に浸るおれさま
自分で叩くのは何だから
阿弥陀に被った麦わらで
薄の原の中を進む
ロックな蝿が錆び付いた
バイクを撫でては拝む
お構いねぇお構いねぇ
乗り捨てられたバイクのナンバーを見ると
天国語の文字
ああご勘弁をかみさま
沼が沼がヒタヒタと
パンを浸けるように
ボートを浮かべる
ま緑
これじゃ南京虫だって浮かばれねぇよ
ボート漕ぎたちは
終末の熱にさらされたまま
水位の下がっていく
沼で
アメンボのように行ったり来たり
われ
鉄製のチェーンによりかかり
ゴーストたちの
拍手を待つ
早く秋を受け入れてくんねーかな
ここも
バスロマンに浮かんでいるようだ