
Photo by
kawatamaico
陰のある季節に
晩秋の
木の梢に付いた葉は
天までいけばいくほど
ひかりに近くなって
色をつけているようだ
鮮やかな黄色に
でも
光の届かない場所の葉は黒く見える
その黒く見える陰にある葉は
季節に置いてきぼりにされているかのようだ
秋を味わうことなく
散っていく
陰の葉
ひとはみな天を見上げ
鮮やかなることを尊び
陰にある色が判別できない
葉は見てやれない
思いも馳せない
そこにわたしはいた
そこにわたしはいた
陽の当たらない場所に
陰のある季節に