森に帰る
今日、おれ
森と一体
紅葉の木々も
落下するどんぐりも
地面に残る草の葉も
日陰に宿る苔も
石も土もにおいもそのすべても
カラスもそのふんも
誰かが捨てたら吸殻も森の一部になる
誰かが残していった空き缶も
作者不明のオブジェも
枯れ葉がたまって誰も座っていないだろう
木製のベンチも
そこに座る
汚いおれも
ニンゲンモ動物も植物も
無生物も
すべて仲間
森と一体
夏の間は誰もここには来なかっただろうから
秋の終わりにやって来たおれは
ベンチの落ち葉を払い
溶け込む
森に
森に帰る
帰ってきた
おれ