人混みに
苦しい時は相談すること
そう教わった
しかし
誰になにを相談しても
苦しみは終わらなかった
だからわたしは暴れ
物を壊しひとを罵倒した
それでも苦しみは終わらずに
わたしは最後には
黙った
黙って苦しみを受け入れた
すると様々な町行くひとも
誰に教わることなく
その苦しみを黙って
受け入れているのではないかと
ふと気づいた
わたしは最初から人混みに紛れるべきだった
苦しみを抱えたひとたちの
無言に教えを乞うべきだった
最初から苦しみを黙って耐えていたひとこそ
教師だった
最初から黙って
苦しみに耐えているひとたちがいた