グッピー
おれの猫め
朝に玄関開けると手土産げ
どこかのうちのグッピー盗んで来やがった
玄関前に不自然な色の魚
喰うこともせず
ここまで連れて来やがった
飼い主の元になんて
連れてかえれねぇ~だろ?
何時間経つ?
乾燥し始めて
わざわざ連れて来た美女が
死んでいる
最後の最後でこのグッピーは
遠出したんだ
猫に連れられて
まさか嘘をつかれているたぁ~
気づくまい
きっと甘い甘い嘘をいって
連れ出したんだ
「月を見ようぜ!」か
「いい、酒あるぜ!」か
グッピー騙されて棄てられた
墓を作られねばなるまい
近所付き合いのねぇおれは
グッピーを拾うと
儀式のように
庭の隅に持っていった
猫め
うろんな眼で見てやがる
寝てる女はあどけなく輝いている