角砂糖と喫茶室
コーヒーに入れた
角砂糖が溶ける間には
ゆるせないかもしれなんだ
何故ならば
そんな時間的余裕すらない
コーヒーがホットならば
わかる
あつあつの
ひとをあたためる温さ
許容と寛容さを併せ持つ
世界中の喫茶室
コーヒーカップ持つ手だって
その日はぬくくていいもんだ
だがおれがした仕打ちは
あんたに
アイスコーヒーの中に
角砂糖をぶちこんだようなもんだ
真夏の汗っかきのおれが
許してなんて言えねえから
アイスコーヒーの量よりも
多い角砂糖をぶちこむ
すまなんだ
すまなんだ
汗っかきのおれを許して
くれ
冷たいグラスに溢れる
角砂糖
おれの観念の甘さ故に
氷りと角砂糖のとがったこころで許しを乞う
どうか
あんたの手のひらの温もりで溶かしてくれや
このおれの傲慢さを