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Photo by
tomekantyou1
蟻とわたし
こんなことがあった
テーブルの上を歩く蟻を見つけて
手で通せんぼをした
蟻はその手を避けて
先に進もうとした
わたしは更に行く手に
手を広げた
それでも蟻は触覚を上下させ
その手を避けて先を急いだ
だからわたしはとうとう
両手を使って彼のことを
牢に閉じ込めてしまった
彼は困ったに違いない
行く手が塞がり
おまけに真っ暗なんだから
君はこんな目にあったことはある?
上も下もわからない
壁に覆われて
それはひとは絶望ともいう
でも考えてもみて
君が蟻だったとしても
君の行く道に蓋をした人間は
最初は意地悪をしてやる
つもりだったかもしれない
でもずーっとずーっと両手を使って
君を閉じ込めておくわけにはいかないんだよ
君は塞がれている
でも君の存在が
相手の両手を塞いでもいるんだ
そんな時は相手が諦めるまで
やみの中で耐えるんだ
動くのをやめて
心配になって蓋を開けた瞬間に
逃げるんだ
光が貫くようにやってきた方へ
そして君を閉じ込めている
その壁が環境だったのなら
待つしかない
でももしひとがしていることだったら
くらやみの中で彼の手のひらに
噛みつくんだ!!
ガブリってね!