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【音食同源】 第21回:台湾料理と宇宙人「Hello Princess」(你以為)

僕は2017年の夏頃から、某レコード会社のオフィシャル・プレイリストを某音楽ストリーミングサービスで作成しています。そのため、毎月リリースされるサンプル盤CDを頂いて聴いているのですが、初めて聴くアーティストもたくさんいます。

ほとんど邦楽なのですが、アメリカ・イギリスの音楽もあればたまにアジア圏のアーティストの音楽を聴くこともあります。その中で、昨年リリースされた台湾のバンド「宇宙人」にハマってしまいました。日本にもかつて同名のバンドがいましたが、現在は解散しています。

正直、歌っていることの意味はまったくわからないのですが、それがまたいいんです。歌詞で検索すればもしかしたら出てくるかもしれませんが、MVを見て漢字と映像の様子からどんな内容なのかを想像するのが楽しいのです。

台湾料理も、メニューだけ見るとよくわかりません。「牛肉麺」、これはわかります。「担仔麺」、これもなんとなく担々麺的なもので何かしら ちゃいちーなかんじがあるのだなと想像がつきます。「蚵仔麵線」はてな?「鹹蜊仔」ますます読めない。「魩仔魚炒土豆」パス。「下水湯」、げ、下水!?臭そう…なんていうことを思いつつ、実際に食べてみるのが楽しいんです。そうは言いつつ、だいたい「鶏肉飯」とか、どう見てもそのまんまのメニューを頼んでしまう保守的な自分がいるのですが。ああ、今年は人間変えたい。。。

そんな自分には、よく考えたらバンド名からしてわからない台湾のバンド・宇宙人は、その曲たちを台湾料理のメニューのごとく捉え、自分の想像力と読解力を試すことができる貴重な存在です。

「Hello Princess」(你以為)というタイトルとMVの内容から、おそらく「モテモテなお嬢様に尽くすものの、報われない男」の歌かと思われます。つまり、岡村ちゃんで言うところの「車のない男には興味がないわ」(「Dog Days」)「ねぇ あんまりだって 遊びまわって 迎えに来いなんて 新しいボーイフレンドといちゃつかないで 僕の車の中で」(「妻になってよ」)といった歌と同様の世界観です。ちなみに自分は岡本貴之と申しますので、名前の頭と終わりの語感が同じ岡村靖幸さんには昔から一方的にシンパシーを感じています。おっと、すっかり岡村ちゃんの話になってしまいました。つまり、宇宙人は台湾のバンド版・岡村靖幸や!とは、他の曲の意味も調べているわけでもないので一概には言えないのですが、曲もポップなものもあればオアシス的な哀愁漂うシンガロングできるメロディありで、非常に楽しめます。

台湾料理も、台湾の音楽も、「わからないからこそ面白い」。まして音楽は言葉を越えて伝えられるものである、というごく当たり前のことを宇宙人から教えてもらいました。ありがとう、宇宙人。地球人を代表して、お礼を言わせてもらいます。


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