ライター岡本貴之

フリーライターです。著書『I LIKE YOU 忌野清志郎』(河出書房新社)発売中。B…

ライター岡本貴之

フリーライターです。著書『I LIKE YOU 忌野清志郎』(河出書房新社)発売中。Billboard JAPAN、OTOTOY、BARKS、Rolling Stone Japan、StoryWriter、マイナビニュース等、音楽メディアを中心に幅広く取材・ 執筆しています。

マガジン

  • contact~表現者と社会~

    僕はフリーライターとして活動を始めて2022年で10年になりますが、きっかけは音楽評論家の方に教えを受けたことでした。その方の言葉で、今も取材する際の指針にしている言葉があります。それは、「どんな作品にも、世の中に出ている以上は必ずどこかに社会との接点がある」ということです。それはきっと様々なジャンルの「表現」に言えることだと思います。コロナ、戦争、SNS問題など混迷を極める社会に於いて、表現者は己の表現と社会との接点(contact)をどこに見出して生きているのか?いろんなジャンルの方々に話を訊いてみたい。そんな想いから企画した対話集です。

  • 1971年うまれのぼんやり音楽体験

    1971年生まれ、主に80年代の音楽をリアルタイムで聴いて育ってきたフリーライターが50歳を機に自分が10代の頃に影響された音楽について、【ぼんやりした記憶を頼りに】綴ります。間違ってたらご指摘ください。

  • 【音食同源】

    つまるところ、音楽を聴くことも食べることも豊かな人生を送る上で同等に必要なものではないのかと。「医食同源」と言いますが、「音食同源」(おんしょくどうげん)なんて言葉もあって良いのではないかと思いまして、自分が好きな音楽とそこからイメージする ”食” についてnoteで書いていくことにしました。

最近の記事

contact~表現者と社会~ vol.4  Jumpei Yamada

不定期連載対話集「contact~表現者と社会~」第4回のお相手はフォトグラファーのJumpei Yamada。バンドやアイドル界隈でのライブ、ポートレート撮影のみならず、近年は出身地の富山で「山田写真館 TOYAMA」をオープンさせるなど、活動の幅をより一層広げている。筆者は数年前から仕事で度々ご一緒させていただいていているのだが、正直言ってそこまで頻繁に顔を合わせてきたわけではないし、お互いを深く知っているかというとそうではない。ただ、これまでわりとサブカル寄りな現場で顔

    • contact~表現者と社会~ vol.3  佐々木"RUPPA"瑠

      さまざまなジャンルで自分を表現している人たちとの対話集「contact~表現者と社会~」。第3回のお相手はKAGERO、videobrother、YAPANI!(ヤパニ!)など様々なバンドで活動するサックス奏者、佐々木"RUPPA"瑠。轟音の中で咆哮するサックスとは対照的に、普段は飄々としたオタク気質も感じさせるユニークな人物だ。これまで単独で取材に応えたことがないというRUPPAに、コロナ禍でのこの2年あまり、音楽家として、2児の父親としてどのように過ごしてきたのか話を訊い

      • contact~表現者と社会~ vol.2 上杉周大

        さまざまなジャンルで自分を表現している人たちとの対話集「contact~表現者と社会~」。第2回のお相手は、上杉周大(THE TON-UP MOTORS)。2016年にバンド活動休止後も、「ブギウギ専務」などタレント活動と並行しながら楽曲制作、ライブを続けてきた上杉。先行き不安な世の中で、その歌声はより一層力強く、聴く者の心に寄り添ってくれる。それは彼がこれまで体現してきたソウルフルな音楽の真骨頂ともいえるが、コロナ禍以降から今日に至るまで、どんな想いを込めて曲を作り歌ってき

        • 「1971年うまれのぼんやり音楽体験」 第7回 KUWATA BANDその②

          KUWATA BANDコンサートの日、僕は緊張していた。なにしろコンサートというものを経験したことがない。あえて言えば、東京に住んでいた幼少期に、家族で牧伸二のウクレレコンサートに行った記憶があるぐらいである。牧伸二の次がKUWATA BAND。音楽史を語る上で何の繋がりもないものの、実際にそれぐらい生で音楽を聴く機会などなかった。 自分の席は1階席の前から7列目ぐらいで、ステージはすぐ目の前にあった。今からここに桑田佳祐が登場するのか、と思い興奮で胸が高鳴ったであろうこと

        contact~表現者と社会~ vol.4  Jumpei Yamada

        マガジン

        • contact~表現者と社会~
          4本
        • 1971年うまれのぼんやり音楽体験
          7本
        • 【音食同源】
          44本

        記事

          「1971年うまれのぼんやり音楽体験」 第6回 KUWATA BAND

          僕にとって生まれて初めてロックコンサート、ライブ体験は中2か中3のときに観たKUWATA BANDだった。1985年、アルバム『KAMAKURA』で僕はサザンオールスターズの大ファンになった。ファンクラブ「SAS応援団」の入会申し込み書を取り寄せたぐらいのハマりようだったのだが、その矢先に活動休止となってしまった。ガッカリしていた僕の目の前に現れたのが、サザンの桑田佳祐、ドラムの松田弘を中心に結成されたロックバンドKUWATA BANDだった。 KUWATA BAND は1

          「1971年うまれのぼんやり音楽体験」 第6回 KUWATA BAND

          「1971年うまれのぼんやり音楽体験」 第5回 RATT

          RATTというバンドを知ったのは、「夜のヒットスタジオ」だったと記憶している。おそらく、80年代中盤ぐらいに起こっていたHR/HMブームの流れからだったのではないだろうか。HR/HMとはハードロック及びヘヴィメタルのことだ。どっちがどうとか、そういう棲み分けはわからなかったし、いつどんな形でやってきたのかはぼんやりしているのだが、長野県の片田舎にも、ブームの波は確実にやってきた。何しろ、昨日まで聖子ちゃんや明菜を聴いていた2歳上の姉が、アースシェイカーという日本のHR/HM

          「1971年うまれのぼんやり音楽体験」 第5回 RATT

          「1971年うまれのぼんやり音楽体験」 第4回 佐野元春

          佐野元春のことをとんねるずの「Shikato」で知ったのか、それ以前に何かしら知っていたのかは、時系列はぼんやりしているものの、僕が10代の頃に衝撃を受けたミュージシャンの1人が佐野元春であることは間違いない。何しろ、テレビに出ないのだ。なのに、売れているらしい。そんなことってあるのか。「活躍している人は等しくテレビに出るはず」という、田舎の中学生の中にあった間違った常識は、彼の存在で打ち砕かれた。 あるとき、新聞に載っていたある記事を見て驚いた。佐野元春というミュージシャ

          「1971年うまれのぼんやり音楽体験」 第4回 佐野元春

          「1971年うまれのぼんやり音楽体験」 第3回 とんねるず

          本当は佐野元春について書こうとしたのだが、考えているうちに佐野元春を知るきっかけの1つにとんねるずの存在があったことを思い出した。ほぼ毎日、中学校からの帰宅後に『夕やけニャンニャン』を見ていた僕は、自然にとんねるずのことを好きになっていた。自分が音楽好きになった時期に、テレビではとんねるずが一番勢いのあるお笑いタレントだったのだ。ちなみに、当時は「お笑い芸人」なる呼び方はまったくなかった。「漫才師」か「落語家」「お笑いタレント」としか呼ばれてなかったはず。 その中で最も売れ

          「1971年うまれのぼんやり音楽体験」 第3回 とんねるず

          「1971年うまれのぼんやり音楽体験」 第2回 トンプソン・ツインズ

          中学生になって音楽を意識的に聴くようになった1985年頃、おそらく一番最初に好きになった洋楽のバンドが、トンプソン・ツインズだった。きっかけは多くの音楽ファン同様に、「マクセル カセットテープ UDシリーズ」のCMだった気がする。今回も「そんな気がする」というぼんやり加減で申し訳ない。なにしろ、40年近く前のことなんだから仕方がない。ニューウェーブとかシンセポップとか、今ではさも当たり前のように書いたりするのだが、当時はそんなジャンルというか用語はまったくわかっていなかった。

          「1971年うまれのぼんやり音楽体験」 第2回 トンプソン・ツインズ

          「1971年うまれのぼんやり音楽体験」 第1回 サザンオールスターズ

          サザンオールスターズとの出会いは、1985年頃に読んだ桑田佳祐のコラムだった。2歳上の姉の部屋にあった雑誌に載っていた連載コラムだったと思うのだが、何の雑誌だったか思い出せない。早速ぼんやりして申し訳ない。なんとなく「セブンティーン」とかだった気がするが、「プレイボーイ」だった気もする。だが16歳の姉が「プレイボーイ」を読んでるわけがない。検索してみたが、ネットで何でも出てくると思ったら大間違いだった。何にも手がかりが出てこない。とりあえず、記憶を頼りに書いてみるが、間違いな

          「1971年うまれのぼんやり音楽体験」 第1回 サザンオールスターズ

          contact~表現者と社会~ vol.1 白水悠

          さまざまなジャンルで自分を表現している人たちとの対話集「contact~表現者と社会~」。第1回のお相手は10年前から何度も取材を行ってきた白水悠。KAGERO、I love you Orchestra / ILYOSSといったバンドをはじめ様々な形態で音楽活動を続けており、その一方で、吉祥寺のライブハウス「NEPO」のディレクターという顔も持っている。そんな彼は自分の作品を世に出すとき、NEPOを運営するときに、どんな想いで社会と向き合っているのだろうか。 「バンドマン」

          contact~表現者と社会~ vol.1 白水悠

          【音食同源】第43回:とんかつサンドと武藤敬司の旧テーマ曲「The Final Countdown」

          先日6月6日(日)に行われた『CyberFight Festival 2021』(サイバーファイトフェスティバル2021)を観戦してきました。この大会はDDT、ノア、東京女子プロレス、ガンバレ☆プロレスという、「サイバーファイト」に所属する4団体の合同興行で、メインイベントはGHCヘビー級チャンピオンの武藤敬司vs丸藤正道でした。 当日に思い立ち、急遽さいたまスーパーアリーナまで足を運んだのですが、「STARTING BATTLE」の開始が12:45ということもあり、最寄り

          【音食同源】第43回:とんかつサンドと武藤敬司の旧テーマ曲「The Final Countdown」

          【音食同源】第42回:冷しとろろそばとレーナード・スキナード「Free Bird」

          昨年9月末に、それまで8年間も住んでいた下北沢界隈から引っ越しまして、現在は京王線沿線に住んでいます。引っ越しの最大の目的は、「猫を飼うこと」で、とにかくペット可で予算に合う物件ならばどこでもよかろう、というぐらいな感じで探した結果、現在の住居と相成りました。 京王線界隈は非常にのどかです。晴れた昼下がりに新宿から下り方面の電車に乗り、車窓を流れる家々を眺めていると、「ああ、このままどこか知らぬ街まで……」と思ってしまいます。そんなことを思いながらも結局いつも行かないのです

          【音食同源】第42回:冷しとろろそばとレーナード・スキナード「Free Bird」

          【音食同源】第41回:オムレツと忌野清志郎「心の解放区」

          「和洋折衷」という言葉があります。日本ならではの良いところ、海外の良いところをほどよくブレンドして創り上げられたものを指しているわけですが、服、住居など、海外の様式が生活の隅々まで行き渡っている日本ならではの用語といえます。 そして、日本の音楽、特にロックはまさに和洋折衷なくしては成り立たない世界です。1950年代以降、エルヴィス・プレスリーをはじめとするアメリカのミュージシャン、ビートルズ、ローリング・ストーンズをはじめとするイギリスのバンドが活躍することで、遠い国から日

          【音食同源】第41回:オムレツと忌野清志郎「心の解放区」

          【音食同源】第40回:ソーセージエッグマフィンとYUKI「朝が来る」

          ときどき、無性にマクドナルドのソーセージエッグマフィンが食べたくなることがあります。正直言うとマクドナルド自体は年齢と共にあまり受け付けなくなってきました。先日も某芸人さんがマクドナルドの「チーズてりたま」を絶賛していると聞き、食べてみたのですが、そもそも照り焼き系全般が苦手なことを再認識する結果に終わりました。 ところが、所謂朝マック、中でもソーセージエッグマフィンはいつ食べてもまったく飽きがこない美味しさに感じます。実際、恐らく中学生の頃に長野県松本駅前のマックで食べて

          【音食同源】第40回:ソーセージエッグマフィンとYUKI「朝が来る」

          【音食同源】第39回:寿司魚がし日本一の中トロとロバート・ジョンソン「Crossroad」

          寿司が好きです。 コロナ禍であまり外食ができないムードの世の中ですが、自分はもともと好んで大勢での宴会に行くようなタイプではないため、ほぼいつも「個食」です。そうなると必然的に飛沫が飛ばないような「黙食」にもなるのですが、先日行った蕎麦屋の店内に墨字の縦書きで「黙食」と書いてあったのはちょっとズコ~!っとなってしまいました。 そんなに強調しなくても良いのではと思うのですが、お店で大声を出して喋りまくる人は少なからずいますし、飲食店側からするとそうしたお客さんにいちいち「“

          【音食同源】第39回:寿司魚がし日本一の中トロとロバート・ジョンソン「Crossroad」