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【音食同源】第40回:ソーセージエッグマフィンとYUKI「朝が来る」

ときどき、無性にマクドナルドのソーセージエッグマフィンが食べたくなることがあります。正直言うとマクドナルド自体は年齢と共にあまり受け付けなくなってきました。先日も某芸人さんがマクドナルドの「チーズてりたま」を絶賛していると聞き、食べてみたのですが、そもそも照り焼き系全般が苦手なことを再認識する結果に終わりました。

ところが、所謂朝マック、中でもソーセージエッグマフィンはいつ食べてもまったく飽きがこない美味しさに感じます。実際、恐らく中学生の頃に長野県松本駅前のマックで食べて以来、ずっとその美味しさが変わったと感じたことがありません。

そんな大ベテラン朝マックメニュー、ソーセージエッグマフィンを食べるときにいつも思い出す曲があります。それはYUKIの「朝が来る」です。2010年3月10日にリリースされた5thアルバム『うれしくって抱きあうよ』の1曲目を飾る曲です。あるときイヤホンで音楽を聴きながらマックに入り、当時新譜だったこのアルバムを聴いたとき、曲が進むごとにそれまでのYUKIのイメージが一新されていきました。それまであまり深くYUKIの音楽を聴いたことがなかった自分には、ポップロック調なサウンドに乗せて独特の恋愛ソングを歌うアーティストだという固定概念がありました。しかし、「朝が来る」でシンフォニックな演奏と共にゆっくりと日が昇るように歌い、サビのこみ上げるメロディを情感込めて歌う彼女のボーカルは、神がかったように美しく聴こえました。

同アルバムを引っ提げて行われたツアーでは、弦、ホーンを加えてロックサウンドな過去曲もリアレンジして、まるで演劇の舞台を見ているようなストーリー性のあるライブを行っていました。「朝が来る」から、最後は「夜が来る」で本編を締めくくるコンセプチュアルなセットリストは、バンド時代からそれまでのYUKI像を打ち破る挑戦であり、それが見事に成功したアルバム、ツアーだったと思います。きっと、YUKIにとっても新しい朝を迎えた時期だったに違いありません。

早朝、仕事に行く前などに眠い目をこすりながら朝食としてソーセージエッグマフィンを食べる人もいるでしょう。そんなときは、ソーセージエッグマフィン、コーヒー、ハッシュドポテトのセットを食べながら「朝が来る」を聴いてみてください。きっと今日を生きる活力が得られるはず。古今東西の楽曲で、これほどまでに「朝」の訪れを見事に表現した楽曲は他にないと思います。


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