【音食同源】 第19回:おかゆとスザンヌ・ヴェガ「Tom’s diner」
完全に更新をサボっていたのですが、「読んでますよ」と言ってくれた人が(2名・男 ※追記 プラス1名・女)いたので、こうして書く気になりました。ありがとう!2名・男!(と1名・女!)
とはいえ、別に理由もなくサボっていたわけではありません。年末に盛大に風を引きまして、そのため正月中に計画していた仕事をまったく進めることができずにいたことから、どんどんその皺よせがやってきて仕事に追われてしまっていたのです。という言い訳も虚しくなるほど、じつは1月2月は全然忙しくないのですが、とにもかくにもなんでも良いので文章を書くのだ、との目的から始めたこのnoteです。ちょっと仕切り直しの気分で、2018年、音食同源始めます(BRAHMAN・TOSHI-LOW風に)。
おかゆ。それはきっと、風邪を引かなければ食べないもの。そんな認識は、とうの昔に変わっていると思いますが、自分にとってはやっぱり同じです。子供の頃、風邪を引いたときに母親が作る食べものでした。そして、それは正直美味しくなかった。「良かった 本当に良かった 故郷を捨てて しがみ付く手を…」(MOROHA「望郷タワー」)ということではないのですが、ようは「味がない」微妙な塩の味だけの感じがダメだったんですよね。子どもの頃からの生粋のバカ舌なのかもしれません。
そのおかゆが、今回風邪を引いて食べてみたところ美味しかったのです。しかもレトルトのやつなのに。それはきっと、舌が敏感になったとかいうことではなく、シンプルなやさしさ・あたたかさが身に沁みた、ということなのだろうと思います。年をとったんですね。
そんなことを思いながらおかゆを食べているときに浮かんだのが、スザンヌ・ヴェガ「Tom’s diner」。伴奏なしのアカペラで歌われるあれです。一般的にはこの曲を聴くとコーヒーのCMを思い出す、というサブリミナル効果があるのがデフォルトなんですが、そのときの自分はおかゆを朝のコーヒーを飲むがごとく深く味わっていたということなのかもしれません。
2018年は、シンプルさの中にもそんな味わい深さを感じる1年にしたいなと、月末になってようやく今年の抱負を考えた僕でした。本年もどうぞよろしくお願いします。