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【音食同源】  第32回:ゆでたまごとエコーズ「EGGS」

毎日、朝起きたときになぜか頭の中に鳴っている音楽というのがあります。こんなことを言うと、ミュージシャンきどりかよと思われてしまうかもしれないですが、事実なのでしょうがありません。音楽が頭に鳴っているのは何もミュージシャンだけに限りません。

その音楽は、最近聴いている音楽だったり、昔聴いていた音楽だったり、アイドルだったりロックだったり、洋楽だったり邦楽だったりと、まったくその日によって異なります。

今朝、起き抜けに頭に鳴っていたのは、エコーズの「EGGS」という曲です。エコーズは、現在は作家としても活動中の辻仁成を中心に結成されたロックバンドで、バンドブーム期に活躍、一度解散したものの現在も活動をしています。「EGGS」は1990年にリリースされたアルバム『EGGS』の1曲目を飾るタイトルチューンです。

なぜこの曲が頭に浮かんだのかはわかりませんが、起きてすぐにAWAで検索して聴いてみました。すごく、イイ。当時、エコーズのことは特別ファンでもなかったのですが、この曲だけは、ものすごく好きでした。パンキッシュなバンドが多かったバンドブーム期の作品にありながら、1曲目からいきなりスローナンバー。ローリング・ストーンズの「You Can't Always Get what You Want」を思わせるゆったりとしつつ鋭いエレキギターのカッティングから始まります。

もうじき僕は生まれる タマゴの殻を破って
表の世界が気になる タマゴの中は狭すぎる

当時19歳だった僕は、何がやりたいかもやれるかもわからず、ただバイトをしつつバンドを組みたくて組めなくてもやもやしていたときでした。今思えば無駄な時間を過ごしまっくっていました。そんなときに聴いたこの曲は、殻を破りたいともがく気持ちにフィットしたのだと思います。

なぜ今この曲が浮かんだのかはわかりませんが、今年になって何かを変えたい、という気持ちがムクムクと頭をもたげて様々な行動を行っている自分にとっては聴くべき曲だったのかもしれません。

殻を破ってアグレッシブに、ポジティブに。改めてそんなことを思わせてくれる曲でした。
そして、初めてちゃんと歌詞を見たのですが、これまでサビの歌詞を勘違いしていたことが発覚。

さよならMOTHER
自力で僕は立ち上がる
さよならMOTHER気力で
なんとかくいしばる

という歌詞なのですが、僕はずっと「さよならまた 自力で僕は立ち上がる」だと思い込んでいたのです。その期間、じつに28年間。思い込みとは怖いものです。もしかしたら、人前で勘違いしたまま歌ってしまったこともあるかもしれません。ああ、恥ずかしい。

そんなことを思いながら、曲に合わせて無理やり朝食にゆでたまごを作ってみました。ゆでたまごのベストゆで時間は、ズバリ6分。この28年間で自分が確立したゆでたまごクリエイターとしてのアイデンティティです。


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