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#01 宗教二世のリアルを語る
いつご覧頂いてるかわからないので 、
おはよう こんにちは こんばんは 🌞🌛*゜
「 いやぁ、まさに乱世乱世っ ... !! 」
そんな会話が現実味を帯びてきた2022年、
皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
はてさて、世間は国葬について騒がれ、
安倍元首相とエリザベス女王との比較が
メディアやSNSで取り沙汰されている昨今。
やはり 統一教会という謎の組織について、
実態がイマイチ明かされないことや、
そんな組織と議員との癒着がある事など、
国民の不満や不安が日々高まっています。
さて 私は "二世信者" として生きてきました。
多額の献金や壺を買わされたといった、
大きな話題は皆さんも見聞きするでしょうが、
「 リアルな話 実際どうなの? 」という内面は
なかなか発信する人は少ないと感じています。
なので、宗教に対して疑念をお持ちの方や、
同じ宗教二世として日々過ごしておられる方、
色んな人に対しての一つの答えとして、
個人的に思うことを書き記したいと思います。
「宗教」について関心を持ってもらうには
今だからこそ言えることもあるのでは... と。
⚠️ 以下 本題に入るにあたってのお願い
宗教そのものに対し批判も賛同もしません。
信仰に対しとやかく言うつもりもありません。
皆がそれぞれに幸せであれば良いと考えます。
「 実際こんな人も一定数いるのだな 」程度に
軽い気持ちで読んでもらえれば喜びます。😌
《 目次 》
1. 私が入信したきっかけ
2. 教団 及び 両親との付き合い方
3. 自身にどういう影響があったか
4. 普段 信者としてやっていること
5. 今後 宗教とどう向き合うのか
6. 宗教に対して疑念がある方へ
7. 二世信者として悩んでいる方へ
8. 最後に皆さんへ伝えたいこと
私が入信したきっかけ
私が今 所属している某教団には、小学校の高学年の頃に入信しました。きっかけは正直 両親や周囲の大人たちの言いなりでしかありませんし、当時 その事に対しては何の疑念もありませんでした。むしろ、産まれた時から自分や家族の事を真剣に考えてくれていた人達と、やっと同じ立場になれる事に対する喜びを覚えた記憶があります。
例えるならば、小さい頃から通っていた空手や剣道教室で、初めは体格的にも精神的にも見学することしか出来なかったのが、年齢的に技能を身に付けられる歳になって、晴れて入門して周りからも認めてもらえた。そんな感覚に近いのかもしれません。そうして私は信者となりました。
二世信者が信仰をする上で一番ネックになるのは、宗教の一番の軸となるべき『 "神様や教団に対する信仰心が自身にあるか否か" が曖昧なまま入信してしまう事 』であり、その事が根底にある為に出てくる問題が、一生を通じて心にまとわりついているのだと思います。逆を言えば、ブレない信仰心を持ち合わせている信者というのはとても強固なもので、その事に対して外部からどうやって働きかけても、本人の幸せを壊してしまう事に繋がりかねないという事実を忘れないように、こちらとしても関わっておく必要があると感じています。教団 及び 両親との付き合い方
これは信仰している教団や生まれた家庭環境によって、千差万別の形があると思います。私の場合 幸か不幸か、先に入信していた両親の信仰心があまり深いものではなく、『 心の拠り所 』にしか教団とは向き合っていませんでした。なので 献金や行事などの奉仕作業に対しても、「 無理をしてまではやらない、そこまで最優先事項では無い 」というスタンスで居てくれたお陰で、私自身も「 この教団の言う事が全て!他は間違っているのだ!! 」みたいな偏った価値観を持つことは無く、入信して15,6年が経った現在でも 一歩引いた目線で付き合えているのだと思います。( 勿論 教団側からすればそこまで善良な信者では無いと思いますが... 笑 )
ただ、生まれてから現在に至るまで、同じ教えのもと育ってきた同世代や、我が家の事を信仰の面以外でも普段から支えてもらっている両親に近い世代の方々とは、『 第二の親兄弟 』といっても過言では無い関係性を築いており、地元の幼なじみ等とはまた違った意味での深い関わりを持っています。そうなると自身の信仰だけでなく、「 両親や周りの信者の方々とこれまで培ってきた関係性を壊さない為にどうすべきか 」という視点で行動することが多く、そこに信仰心はあるのか?と自問自答する事も少なく無いのが現状です。自身に対しどういう影響があったか
宗教とは本来『 神様から与えられた教えに沿って行動し、自身の周りの方々 強いては人類皆んなで幸せになろう 』というテーマの下に存在するものだと認識しています。そうなれば基本的には『 神様の教え 』が普段の考え方や行動する上でかなり重要視されます。そう聞くとかなり壮大な事の様に感じるかもしれませんが、例えば...
・他人にやったことは自分に帰ってくる
なので常に品行方正を心掛けること
・この身体は神様からの借り物である
なので常に健康管理を心掛けること
また毒になるものは摂取を控えること
・世界平和の為に行動する必要がある
なので他国の文化に触れて理解を深め
自国の文化を発信出来る人であること
・先祖を敬う事は神様を敬う事に繋がる
なので先祖には感謝の心を持つこと
... これって信仰の有無を問わず、人として生きていく為に必要な事には変わり無いと思いませんか?そういった価値観が幼い頃から染み付いていた事で、私自身も周囲の方々との協調性を考えて行動に移したり、自国 他国問わず色んなものに触れようと心掛けてみたり。きっと信仰していたからこそ持ち合わせたものがあるはずなので、そういった面にはそれなりに誇りを持って生きているつもりです。
また、個人的に良かったと思えた事としては、教団には世間一般からすれば敬遠されるような人( 病気や障がいしゃの方など )も少なからず存在していますが、そんな人の居る環境が普通に思える生活をしていると、日常でパッと出くわした時に差別的思考にならないと言うか、「 そんな人も世の中には居るんだよなぁ 」と切り替えが出来ることは良かったと思います。あとは、自分がいつか何らかの理由で死んだとしても「 死後の世界って何かよく分からんけどあるっぽいし、まぁ現世ではボチボチ幸せにやろうか 」という、気休め程度に考えられる余裕も持っている面は、何だかんだ大きいと感じています。普段 信者としてやっていること
宗教団体の "最終的なゴール" が何か考えたときに、『 世界の人達が神様の教えのもと救われて、争いでは無く皆んなで支え合う世界の実現 』と定義付けしたとして、その為に必要なのは、祈りの場の提供や維持管理をする事と信仰のバトンを繋ぐ事が大切になります。そうなると 運営資金の調達と若者世代の育成や新しい信者の開拓が必要不可欠です。
かく言う私はというと、普段 拠点の若い世代を取りまとめる役職であると同時に、立場上 月に1万円程度の奉納をしつつ(信仰心からではなく義務感から)、年に数回は教団本部に赴いて祈りを捧げたり、他の若い信者へのバトンを途絶えさせないよう、BBQ等のワイワイ出来るイベントを企画したりと忙しなく活動しています。でも 新しい信者を開拓する活動にはあまり積極的ではありません。何故ならば信仰は人それぞれの自由だと考えているからです。役職を持っているような信者であっても、実際に新規開拓を進められる人はほんのひと握りしかいません。なので既に信仰している周りの方の気持ちを落とさない様な行動や関係性を保ちつつ『 "自分だってこれだけ新規開拓に動いてますよ!教団にはこれだけ貢献しようと頑張ってますよ!!感 " を如何に演出するか否か 』が、日頃 信者として過ごす上での目安となっています。今後 宗教とどう向き合うのか
これまでの内容でお分かりだとは思いますが、"信仰" とは自分一人だけの問題では無く、家族や他の信者といった多くの方々との関係性が様々な形でまとわりついて出来上がったものとなっています。従って「 自分一人の考えを優先してしまったら、これまで培ってきたものが一気に崩れてしまうのでは、両親のことも傷付けてしまうのでは... 」という不安とは常に隣合わせの日々を過ごしています。
『 二世信者がほぼ必ずぶつかると言っても過言ではない"人生の壁" 』って皆さんご存知ですか?お察しかもしれませんが、『 無宗教の人との恋愛・結婚 』です。私自身も結婚を考えていた元カノさんと、理由は幾つかあれど 二世信者だった事を理解しあえなかった事もあってお別れしてしまった過去があります。それだけ大きくて難しい話なのです。その辛く悲しい気持ちと、それらを取り巻く複雑な経験をした事が今回の原稿を書こうと決心した原動力なのだと思います。
そんな過去を振り返り、「 じゃあ今後二世信者としてどう向き合っていこう 」と考えた時に、私の中で一つ決めていることがあります。それは『 交際相手には二世信者である事を早々に伝え、理解して貰えずに相手との折合いがつかない場合は信仰を断つ覚悟もしておく 』という事です。
急に驚きましたか? 何故そう思えるのかと言うと、今の時代はひと昔前とは違って、人それぞれの依存先を様々な方法で形成する事が出来たり、価値観が多様化して誰しも認め合える風潮が出来上がってきたと実感しているからです。まさにこの note の様に、色んな価値観をぶつけ合える媒体なんて、ひと昔は存在すらしておらず、狭いコミュニティでの世間体を気にするがあまり、『 自分の意志とは直結しない正解 』に身を委ねるしか無かったのだと思います。でも 今はそうでは無いし、自分の中から "宗教" という要素を取り除いても、それなりに強く生きていける自信があるからです。だからと言って信仰そのものを無下にするつもりは毛頭無くて、これまで信者であったからこそ身に付いた価値観や考え方を、周囲に強要しない程度に続けていく事で自身のアイデンティティを保って生きていくことになるのだと思っています。宗教に対して疑念がある方へ
ここまでの投稿内容を見て、率直にどうでしょう。「 案外 不確定で不明瞭なものに縛られてるんだなぁ 」などと思われたかもしれませんし、目に見えない世界に人生の多くを委ねる訳なので、とても難しい事柄だよなと当事者の私でもそう思います。
宗教に疑念を持たれている方は、きっと一方的な勧誘に遭遇したり、メディアで取り沙汰されるような犯罪に走る人達の存在があったり、はたまた貴方自身も何らかの形で宗教と関わった経験があって、その内面が理解し難いものだったり、理由はきっと様々あったことと思います。
そんな貴方に二世信者という立場から伝えたい事として、「 私、宗教やってる 」そのひと言だけで、まるで相手の存在そのものを否定する様な考えには至って欲しくないという事。その相手は本気で貴方の幸せを願っているのだという事。でもその事に嫌悪感を覚えるのであれば、バッサリ切り捨てても構わないという事。宗教を理由にして貴方の日常を何かと乱してくるような人は、きっと根本的に何かが欠如しているので逃げても構わないという事。でも、熱心に信仰している方々には人として成熟していて尊敬出来る方々も大勢いるという事。その一方で私のように曖昧なステップを踏みながらのらりくらりと信仰している人も一定数存在しているという事。色んな人が関わって出来上がっているコミュニティなのだという事実は知っておいて欲しい、それが私の願いです。二世信者として悩んでいる方へ
まずは皆さん、日々 お疲れ様です。きっと私自身も含め、宗教と関わっている事に対して何かしらの悩みや苦しみがある方で無ければ、この投稿には辿り着かなかったはずです。信仰の形は様々あるので、貴方の置かれた立場に基づいてこちらがどうこう意見するつもりはありませんが、私の様に日々あれこれ悩みつつも信仰を続けているような信者が確かに存在している事が貴方にとっての救いになるのであれば、ここまでの5,000文字余りの原稿を書き残した事が実を結んでいるのだと思います。何の疑念も無く信仰を続けられる人の方が少ない中でここまで信仰を続けてこられた事に対して、まずは貴方自身の事を精一杯褒めてあげてください。周りから何と言われようとも、どう思われようとも、貴方の人生は貴方自身で決めて歩むべきものなので、何かにそれを侵害される事は決してあってはなりません。もし 二世信者である事で同じような悩みを抱えているのであれば、一緒に乗り越える仲間が居ると思ってあと一歩 勇気を出して共に進みましょう。ただ、貴方の信仰心を否定するつもりも一切無くて、何かのきっかけで信仰することに腹落ちしたのであれば、きっとそれはそれで歩むべき人生の形だの思うので、確かに歩んでいってください。どちらに転んでも、私はどこかにいる貴方の味方です。最後に皆さんへ伝えたいこと
ここまでの長文、これまでの人生で書ききった事などあったのだろうかと、これだけの熱量で語れるものが "宗教" だったのは何だか皮肉みたいな感じですが... ここまでお読みいただき、まずはとても感謝しています。宗教というのはメディアの向こうにある異世界では無くて、割と密接に しかもかなり近い距離で日常に存在しているのだと御理解いただけたら幸いです。だからといって敏感になり過ぎる必要は一切無いと思います。それぞれのアイデンティティとして結果持ち合わせた個性の一つでしかないと思うので、「 〇〇ってアイドルが私の推しなの〜 」とか、「 ××から出た最新のコスメ、あれ最高じゃん?! 」と似たようなものだと認識して貰えれば、私個人からすればそれだけでも十分です。それがその相手にとっての心の拠り所であり依存先であり、価値観でしかないんです。
ただ、その中には私のように『 自分の意志とは直結しない正解 』と人生の殆どの時間を共に歩んでいる人も一定数存在している事を、今回 割とリアルな温度感で知ってもらえたのではないかと思います。でも心配しないでください、私はそれなりに幸せだと思える人生を過ごしています。そして、自身の最善の選択を迫られた時には、バッサリ現状を斬り捨てる心の準備も着々と進めています。その時が来るのか来ないのかは私にもわかりませんが、 『 自分の意志と直結した正解 』で残りの人生を彩れるように、時には皆さんの手を借りる事もあるかもしれませんが、日々 慎ましく過ごしていきたいと思います。それでは皆さん、ごきげんよう。 tomowo
(追伸)
荻上チキさんという方が「社会調査支援機構チキラボ」にて、宗教二世に関する調査を行っておられます。調査をまとめたものは、研究、出版、報道、政治家などへの要望の場面にて活用されるとのこと。もしお悩みの方がいらっしゃれば、その思いの丈をぶつけてみては如何でしょうか↓