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続・私と歳時記の話

嶋村らぴです。

去年(2022年)の私はこんなnoteを書いていました。

気が付けばちょうど一年。
改めて、現在使用している&していた歳時記を整理しようと思います。
ついでにオススメも挙げちゃいます。


【はじめて編】実際に使ってみてオススメしたい歳時記3冊

①オールカラーよくわかる俳句歳時記(ナツメ社)
②俳句歳時記第五版(角川ソフィア文庫版)
③増強版いちばんわかりやすい俳句歳時記(主婦の友社)

【二冊目以降編】実際に使ってみてオススメしたい歳時記3冊

①(該当なし)(角川季寄せ!と言いたいけど必要に思うタイミングはそれぞれだと思うので「オススメ」で挙げる本では無いと考えた為)
②オールカラーよくわかる俳句歳時記(ナツメ社)
③美しい「歳時記」の植物図鑑(山川出版社)又は、音数で引く俳句歳時記(草思社)


(最終更新:2023年6月)


●カラー図説日本大歳時記(講談社)

*良い点*
・圧倒的な情報量、例句数。(言うまでもない)
・カラー写真付きなのでわかりやすい!

*残念な点*
・人に進めるには難しい。(入手難度 高)
(私は持っていないけど、もしいま大歳時記が欲しい!という人には素直に「新版 角川俳句大歳時記」をお勧めしたい。ま、高いけど…)
・「カラー版」より情報が古い。(だがそこが良い)
・大歳時記とは言っても、例句の無い季語もある。
・夏は「蛭」の写真が怖くて毎回ヒッとなる。(でもつい見ちゃう)


●俳句歳時記第五版(角川ソフィア文庫版)

*良い点*
・表紙が可愛い!(重要)
・安い!(重要)
・文庫サイズで持ち運びやすい!重くない!(重要)
・飽き癖があり「俳句1年続くかしら…」と不安に思っている人に特におすすめしたい。(季節別の分冊の為)
・「新年」の索引は全季節から引くことが出来るので助かる。

*残念な点*
・「三春」「初春」「仲春」「晩春」などの記載が無い。
・私の好きな「夏痩せて嫌ひなものは嫌ひなり」が載っていない。
(編者の意図が読者と合わない場合がある。この本に限らずだけど。)


●増強版いちばんわかりやすい俳句歳時記(主婦の友社)

*良い点*
・定価1500円の一冊に春夏秋冬新年の季語が纏まっている!安い!
・見た目のわりに軽い。
・例句が面白い。生活感がある気がする。(個人の感想)

*残念な点*
・それって傍題?と思う傍題もたまに混ざっている。おそらく収録季語数を増やす為の策か…。(個人の感想)
・「三春」「初春」「仲春」「晩春」などの記載が無い。
・レイアウトの関係上、よくも悪くも例句の数は一定で季語の説明も手短。
・以上の理由からこの歳時記では物足りなくなる日が来る可能性あり。(実は他の歳時記が増えていくにつれ開く頻度が減ったので、現在は友の家にあります。)
とは言っても1500円なので、最初の一冊を迷った時のお勧め候補として挙げたい歳時記です。実際とても助かりました。


●オールカラーよくわかる俳句歳時記(ナツメ社)

*良い点*
・国語便覧が好きだった人へお勧めする一冊。
・写真が楽しいオールカラー!
・私は心の中で「ベッドの上で気軽に読めるカラー図説歳時記」と呼んでいる。どこから開いても楽しい。
・読んでいて楽しい季語解説。たっぷり。
・例句のセンスが好き。「例句解説」も勉強になる。
・「覚えておきたい季語」「よく使う季語」が載っている。

*残念な点*
・分冊タイプの歳時記と比べると掲載季語は少ない(ただし主要な季語は扱っているので不便という事は無い)
・こちらより「ハンディ版」の方が新しい。(こちらは2010年発行、ハンディ版は2020年発行)プレバトの俳句が載っているのはハンディ版のみ!
・ハンディ版より重い。持ち運びを考えるならハンディ版の方が(新しいし)良いかも。個人の感想。
もちろん2010年版も2020年版も一長一短なので実際に本屋で読み比べて、また自分がどんな時にこの歳時記を読みたいかなどを考えて、好きな方を選ぶ事を強くお勧めします!(私はハンディ版も手に取った上で「家で読むしボリュームある方が楽しいかも!」と思いハンディではない方を選びました。)


●新歳時記(河出書房新社)

*良い点*
・季語の「本意」が載っている。
・分冊で、持ち運ぼうと思えば持ち運べるサイズ&重さ(案外軽い)
・帯が夏井いつき組長(可愛い)

*残念な点*
・実は、あまり活用できていないなと思っている歳時記です。
ここまで読んでお気付きかと思いますが、他にも歳時記があるのでわざわざ「新歳時記で調べよう」という機会が私の中で少ないのです。新歳時記自体は良い本だと思います。ただ、家に大歳時記があると大歳時記だけで足りてしまうな…と感じました。(それでも良い点に挙げた「本意」が他の歳時記には無い特徴なので譲らずにいます。)
・他の歳時記では傍題として扱っていない季語を傍題としている場合がある。確認が大切。
・「三春」「初春」「仲春」「晩春」などの記載が無い。(残念…)


●草木花歳時記(朝日新聞社)

*良い点*
・例句が多い!一季語に対して20句以上あったりする。
・植物の写真が大きく載っている。撮影場所も載っているので実際に写真の場所へ吟行も(やろうと思えば)可能。
・大歳時記の解説よりも植物について詳しいかもしれない。

*残念な点*
・タイトルからわかる通り植物以外の季語は無い。
・人に進めるには難しい。(入手難度 やや高)
・当たり前だが目当ての植物季語が必ず載っているとは限らない。


●角川季寄せ(角川学芸出版)

*良い点*
・角川俳句大歳時記の全季語が収録されている!(これ超すごい事だと思っています。大歳時記だよ!?)
・ほぼ文庫サイズ。持ち運びやすい。(大歳時記の季語が、だよ!?)
・「三春」「初春」「仲春」「晩春」などの記載もしっかりある為、その確認に使う事が個人的に多い。
・とにかくギュッと季語が詰まっているので、パッと開いて楽しい。なにそれ!?という文字列の季語との出会いが楽しめる。

*残念な点*
・大前提として「季寄せ」なので注意。
載っているのは季語・傍題・四季・例句(だいたい一句)で、季語の解説は一言あったり無かったりする。季語の解説が読みたい人は素直に歳時記を買いましょう。
例えば「嵯峨大念仏とは何だろう?どういうもの?」と思った時に必要なのが歳時記、「嵯峨大念仏が京都三大狂言のひとつで、どういうものかは知っているけど…季節はいつだっけ?仲春?」と思った時に必要なのが季寄せ…なのかなと私は思います。(ちなみに嵯峨大念仏は晩春です。調べた。)


●美しい「歳時記」の植物図鑑(山川出版社)

*良い点*
・オールカラー!オールカラー大好き。
・私は心の中で「ベッドの上で気軽に読める草木花歳時記」と読んでいます。それもそのはず。参考文献に「草木花歳時記」もあります。
・大歳時記より詳しいかもしれない植物の解説。
・どのページを開いてもお花の写真があるので楽しい。
・いろいろな種類のお花の例句を読めるので「植物季語はこうやって扱うと良いのかな」と参考になる。(作れるようになるとは言っていない)
・「三春」「初春」「仲春」「晩春」などの記載あり。

*残念な点*
・無いよ!と言いたいけど敢えて言うなら、これは歳時記ではなくて「図鑑」かもしれないという事。
(というかタイトル「植物図鑑」だったなとこれを書きながら気が付きました。図鑑だ。帯の組長も「図鑑です!」って言ってた。でもお勧めしたい本なので「歳時記」として書いちゃいます。)
・例句は1〜3句ほど。(図鑑に俳句がついてると思えば上等。)
・あくまで園芸植物が中心なので、載っていない植物季語も多いです。たとえば「桜草」はあるけど「桜」はありません。尖ってる。

※「俳句でつかう 季語の植物図鑑」の姉妹編らしいですがそちらは持っていません。


●音数で引く俳句歳時記(草思社)

*良い点*
・タイトルの通り「●音の春の季語が欲しい!」という時に便利。
・音数別に季語を探す事で、新たな季語との出会いがある。(楽しい)
・関連季語や傍題も何音か、それは何ページにあるかなども書いてある。
・「音数検索」という目的がはっきりしていて、その目的をきっちりと果たせるので優秀。
・音数別ではあるけどその中で時候・天文・生活などの括りはきちんとされている。大事。
・例句は少数精鋭ながら面白い。楽しい。
・「三春」「初春」「仲春」「晩春」などの記載もあり便利。

*残念な点*
・タイトルに「歳時記」とあるけど、これって季寄せに近い存在なのでは?と個人的には思う。(利便性に特化している点など)
・季語解説は短め、無い時もある。
・例句は数句〜0句。0句率高め。少数精鋭。
ただ「残念な点」として挙げた点は「音数で引く」という目的に徹した為だと思うので「音数で引く」を目的として購入するなら気にならない点だと思います。



以上!
すべて個人の感想でした。



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