夢のプリンスエドワード島
2024年8月11日~8月17日
私は、プリンスエドワード島に行ってきた。
私の家では、昔から毎週金曜日は父方のおばあちゃんの家に行くのが習慣だった。おじいちゃんとおばあちゃんとおばあちゃんの妹と母と私と姉と弟で、おばあちゃんが作ってくれた美味しい夜ご飯を食べる。そのあと母は家に帰り、子供たちはおばあちゃんの家に泊まる。私はおばあちゃんの家が大好きだったから、毎週金曜日が待ち遠しかった。
おばあちゃん、おじいちゃんが好きだったのもあるし、その頃おばあちゃんの家で飼っていたうさぎや猫が好きだったのもあるし、おばあちゃんの料理が好きだったのもある。でも特別楽しみにしていたのは、夜ご飯の後におばあちゃんと一緒に映画やアニメを観ることで、そのなかでも一番のお気に入りが「赤毛のアン」だった。
物語に出てくるキャラクター、セリフ、描かれている景色、すべてが好きで、小説も読んだ。おばあちゃんとおばあちゃんの妹も赤毛のアンが好きだったから、何度も一緒にアニメを観た。何かのきっかけで、この赤毛のアンの物語はカナダのプリンスエドワード島が舞台になっていると知ったとき、「素敵だね」「いつか一緒に行ってみたいね」と言い合った。でも当時小学生か中学生だった私はプリンスエドワード島の場所なんて知らなかったし、「いつか行きたいな」とただ口に出しただけで真剣には考えていなかった。
大学4年のとき、休学してカナダのトロントに留学した。バイト先で仲良くなったAndyが旅好きで、カナダのあちこちを周ったと言ったので、「カナダでどこが一番おすすめ?」と聞くと、「プリンスエドワード島」と返ってきた。そこから、プリンスエドワード島の写真をたくさん見せてくれ、私は猛烈に行きたくなった。トロントから飛行機で約2時間。行こうと思えば留学中に行くこともできたが、プリンスエドワード島に行くなら絶対に夏だとAndyに言われ、その話を聞いたのはすでに秋だったので留学中に行くのは諦めた。
帰国後、おばあちゃんにこのことを話し、スマホで検索して出てくる写真を見せたところ、「死ぬまでにこの景色を見たい」と言った。それなら、行くしかない。ということで、2024年、社会人2年目のお盆休みを利用して、おばあちゃん、おばあちゃんの妹、私で、念願のプリンスエドワード島に行ってきた。今回は、その旅をいつでも振り返れるようにまとめた備忘録なのでとても長くなると思う(もう既に長いけど)
8月11日
朝家を出て、最寄りの空港から羽田空港へと向かう
良い天気で良かった
羽田空港で和食を食べた
第一ターミナルから第三ターミナルに向かうバスの中、白人の男性がにこやかに私のおばあちゃんに席を譲ってくれた。"Thank you"と言うと、ブルーの瞳をキラキラさせて、"No problem!!"と言ってくれた。「ああ、海外の人のこういうところが大好きなんだよな~~」と改めて実感し、今から自分がその海外に行くということにワクワク度が増した。(もちろん日本にも席を譲る人はたくさんいるけど、対応の爽やかさが違うと勝手に感じている)
荷物を預けたりチケットを発券したり保安検査を受けたりしてようやく一安心。トロント行きの飛行機の搭乗口にはワクワクした顔の日本人や疲れた様子の外国人がいて、人間観察するのがとても楽しかった。
ようやく機内へ搭乗。離陸するときの空の色が好きで窓に張り付いて見ていた。東京の夜景もとっても綺麗だった。
機内のモニターには私の大好きな映画がたっくさんあってテンション上がった。迷いに迷って、"The Parent Trap"(ファミリーゲーム)を観た。小さい頃に4,5回は観た、大大大好きな映画。子供が観ても大人が観ても楽しめる作品で、久しぶりに観てもやっぱり面白かったし女の子が可愛すぎた。
前日の睡眠時間が短く、移動で疲れていたのもあり、割と眠ることができた。私は窓側の席だったけれど、隣の人がちょくちょくトイレに立っていたのでそのタイミングで私もトイレに行くことができ、トロントまでの約12時間のフライトはそんなに苦ではなかった。
トロント空港で乗り換え、シャーロットタウン空港へ。私が見る限りではこの飛行機には日本人は一人も乗っていなかった。斜め前の座席に犬がゲージに入れられた状態で乗っていて、ちょうど座席の隙間から見ることができたので「かわいいな~~」と観察していたら2時間のフライトはあっという間に終わった。
シャーロットタウンに着いたのは現地時間の夜中2時とか3時とか。小さい空港だったので真夜中にタクシーが止まっているか心配だったけれど、ちゃんと止まっており乗せてくれたので一安心。ホテルに到着するとフロントスタッフに「予約されてないよ」と告げられて驚愕。到着したのが現地時間8/12の夜中2,3時なので8/11から宿泊の予約をしなくちゃだったのに、8/12からしか予約していなかった。(ポンコツ)運よく空いている部屋があったのでそこに泊まった。1日ぶりのお風呂とベッドでの睡眠はとーーーっても快適だった。
プリンスエドワード島1日目
前日寝るのが遅かったのでゆっくりと起きて、ホテルの朝食を食べて、ダウンタウンを散策しに行った。ホテルの朝食は、5つのメニューから選ぶ形式で、私はパンケーキとヨーグルトのセットにした。ヨーグルトがとても美味しかった。外は快晴で、涼しく快適だった。道端の至るところに花が咲いていて、ただ歩くだけでも本当に楽しかった。教会やウォーターフロント、大きな公園などを見てまわった。私はトロントに留学していた時期があるので、そのときに使っていた銀行やスーパーを道端で見かけては心がジーンとして、トロントでの生活を鮮明に思い返していた。
夕方は、Dalvay by the Seaにサンセットを見に行った。前日空港に着いたときにホテルまで運転してくれたタクシー運転手の人がとても優しかったので、予め連絡先を聞いて、次の日Dalvay by the Seaに行きたいことを伝えており、快く連れて行ってくれた。私は道中の景色からもう感動していて、運転手さんが色々話しかけてくれていたけど、私の視線は窓の外に釘付けだった。(ちなみに運転手さんの名前はあまり一般的な名前ではなく、発音するのが難しかったという記憶しかなく、思い出せない。悔しい。)
夕日は本当に本当に綺麗だった。日が沈むまで飽きることなくずっっと、夕日と、その夕日の光が反射してキラキラしている水面を眺めていた。ネットで「プリンスエドワード島」と検索すると割とすぐ上のほうにでてくる有名な灯台も見ることができて嬉しかった。
プリンスエドワード島2日目
この日は、プリンスエドワード島の観光名所の一つでもある、フレンチリバーに行った。本当にのどかで天気も良くて目に映るものすべてに癒された。夕方は、ダウンタウン辺りを散歩したり、近くの教会に入ってみたりした。朝と夜は肌寒いくらいで、蒸し暑くて毎日熱中症対策をしながら過ごしていた日本とは比べ物にならないくらい快適だった。
プリンスエドワード島3日目
この日は念願の赤毛のアンツアー!幼い頃から赤毛のアンのアニメを見て、小説も読んで大好きだった私にはたまらなく楽しみな日だった。赤毛のアンの作者, モンゴメリのお墓を訪れたり、物語の中に出てくる郵便局、そしてアンのお家であるグリーンゲーブルズに行った。どれも作品の中にでてきいたものそのもので、終始ドキドキしてた。お花がいたるところに咲いていて、とても可愛かった。お昼には、とても美味しいロブスターのお店に行った。私はロブスターの見た目が少し苦手で今まで挑戦したことなく、ちぎったり身を捥いだりする作業に苦戦したけど、初めてのロブスターはほんっっとうに美味しくて感動した。ちなみにロブスターの横に置いてあったゆでたジャガイモも美味しすぎて、テイクアウトまでした。(プリンスエドワード島はじゃがいもの産地として有名)
ホテルに帰り着いた後は少しお昼寝して、おばあちゃんたちとテイクアウトしたじゃがいもを温めなおしてテレビを見ながら食べた。途中、「ホットミルクを飲みたい」というおばあちゃんの希望を叶えるためにおばあちゃんの妹と私とで、「寒い寒い」と言いながら夜近くのコンビニに牛乳を買いに行った。帰り道、City Hallがライトアップされていて綺麗だった。
プリンスエドワード島4日目
この日は最終日で、ゆっくりホテルの周りを散歩したり、お土産屋さんに行ってお土産を買ったり、ウォーターフロントでアイスクリームを食べたりした。夜は、その地域で人気の海鮮料理屋さんに行ってエビを食べた。私はどちらかというと味音痴であんまり味覚が鋭いわけではないけど、やっぱりプリンスエドワード島のエビは格別に美味しかったように思う。店内には地元の人らしき人がたくさんいて、「こういうところで生まれ育った人はどんな人になるんだろう・・」と人間観察が止まらなかった。
夜ご飯をかなり早めに食べたので、ホテルに帰り着いたのは18時ごろだった。明日プリンスエドワード島を離れる、と考えるととても寂しくなって、一人で散歩することにした。歩いて20分くらいの公園に行くと、水面に月の光が差してキラキラしていてとても綺麗だった。綺麗すぎて、ベンチに座って20分くらい、ぼーっとしていた。
8月16日
朝早く起きて荷物をまとめ、空港に行った。ホテルの人が、朝食を食べられない私たちのためにマフィンやヨーグルトなどの軽食を袋に入れて持たせてくれて、とても嬉しかった。宿泊したホテルは、豪華なホテルではなくこじんまりとしたものだったけれど、働いている人がみんな優しくて、朝食も美味しくて、ここを選んで大正解だった。
トロント空港では、案内のマークに従ってどんどん歩いていたつもりが、なぜかアメリカ行きの手荷物検査のところへ行ってしまい、スタッフを困らせたりしたけど、それ以外は何の問題もなくトランジットできた。ただ、帰りの飛行機は風向きの影響で行きよりも1時間ほど長く、あまり深く眠ることもできず、羽田に着くまでが永遠に感じられた。
羽田空港では、吉野家で牛丼を食べた。プリンスエドワード島にいる間、日本食が恋しい!!となってはいなかったけど、約1週間ぶりのお米とお味噌汁はとってもおいしくて、「やっぱり日本人なんだなあ」と感じた。(おばあちゃんたちはプリンスエドワード島でとてつもなく日本食を恋しがっていたから牛丼に感動していた)
羽田から地元の空港までの飛行機の中ではみんな爆睡だった。
こうやって、ずっっと楽しみにしていた、小さい頃から大好きだった赤毛のアンの舞台、プリンスエドワード島への旅行は終わった。
一緒に行ったおばあちゃんは80歳、おばあちゃんの妹は79歳。2人とも元気だけれど高齢なことには変わりないので、長時間のフライトに耐えられるか、環境の変化に耐えらるか、不安が無いわけではなかった。欲を言えば、「おばあちゃん孝行」として、もっとお金を貯めてこの旅行をプレゼント!としたかったところだけど、そのお金が貯まった頃にはおばあちゃんたちがプリンスエドワード島に行ける体力が無いかもしれない、と思い、今のタイミングで行くという決断に至った。
結果、今年行って本当に良かった。
帰国後も、おばあちゃんたちはとても嬉しそうにプリンスエドワード島での思い出話をする。元気なうちに一緒に行くことができて本当に幸せだった思う。
今、私は「DIE WITH ZERO」という本を読んでいる。かなり話題になったし、本屋さんでも目立つところに置かれていることが多いから目にしたことある方も多いと思う。(まだ読んでいない方は是非読んで欲しい)
この本の中で筆者は何度も繰り返し、「人生は経験の合計であるということ。最大の目標は、お金を増やすことではなく、できる限り人生を豊かにすること」だと言っており、私もそれに深く賛同する。
「おばあちゃんたちとプリンスエドワード島に行く」というバケットリストにも書いていた夢を、今年叶えることができて本当に良かった。きっと、これから何度もこの旅のことを私は素敵な思い出として振り返るだろうし、当時の写真を見ては心が弾むと思う。今回の経験を通して、私の人生はより一層豊かになったと胸を張って言うことができる。
少しでも「やりたい」と思ったことを実行することの大切さと楽しさを今回の経験を通して再認識できた。
一緒に行ってくれたおばあちゃんとおばあちゃんの妹、本当にありがとう。
今度は尾瀬に行こうね。