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「小宮商店」さんの傘
傘を買おうかしら。
梅雨入りのニュースを見て、そう思い立ちました。
低気圧で日照不足。
インドや東南アジアからやってくるこの膨大な湿った空気には、自律神経をかき乱す要素が満載です。
せっかくなら、楽しんでしまいたい!
5年選手の私の傘が、そろそろ寿命を迎えそうだということもあり、
今年は買い換えようと思っています。
お洒落な傘が欲しいなぁ、と思いながら検索していると、
心惹かれてずっと見てしまうWebサイトに巡り合いました。
それが「小宮商店」さんです。
1930年創業。
まだまだ竹の骨組みに和紙と貼り油を塗った「番傘」が一般的な時代。
江戸時代後期のペリー来航と共に広まった洋傘は、昭和初期になっても一部の限られた層しか持つことのできない高級装飾品だったそうです。
空襲の困難を乗り越え、高度成長期には大勢の傘職人が軒を連ねるまでになります。
業界中が活気ついていましたが、バブル崩壊とともに減速し、アジア製の安価な傘にとって変わられてしまいます。
今では、国産の傘は全体の1%未満だそうです。
激動の時代を乗り越えて、今なお職人さんがつくり続ける貴重な傘。
制作の様子が、動画でも公開されています。
1つ1つの工程に、熟練の技と、きめ細やかな配慮が施されているのがよく分かります。
紛失や盗難を恐れて、ついつい安価なビニール傘で済ませがちな人生でしたが、
日本の誇りと愛情に溢れた傘に包まれたい、という気持ちが芽生えました。
デザインも、女性用と男性用ともに洗練された上質な仕上がりです。
ただ、やっぱり高級品。お値段は張ります…。
観葉植物の購入に少し使った給付金。
もともと、経済の循環のために応援したい商品やサービスなどに使いたいと思っていました。
それと、長く育める日本の伝統工芸品を手元に置きたいという思いも抱いていました。
まさにぴったりな傘との巡り合い。
買ってしまおうかしら。
梅雨の憂鬱さを吹き飛ばす、ワクワクする悩み事ができました。
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