言葉にした瞬間、凝固する。
私の中には言葉が詰まってる。溢れ出す水には生命が宿ってる。その水は外側で言葉にした瞬間、凝固する。生命の形を決定されるのだ。「そうでありたかった」という声と、「殺しやがって」という声が聞こえる。殺された数の私は死んだのではなく、口を塞がれて、産まれていなかったことにされるだけ。私たちは、気持ちを、思いを、言葉にする。表現する。伝達する。私たちは、私たちの大地たる気持ちを、思いを、たかが言葉に集約する。
それでも私が言葉にするのは、溢れ出す水をただ垂れ流していると、いつか溺れてしまいそうになるからだし、あるいは名前のないそれらに名前をつけて命を宿らせることで、私の心に生命のエネルギーが灯り続けると知っているからである。