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フランス料理のテーブルマナー

日本では、お箸を使って料理を食べますが、フランス料理では、ナイフやフォークを使って料理を食べます。ここでは、西洋料理におけるナイフやフォークの使い方について順を追ってご説明します。

ナイフやフォークの基本

まず、椅子には、背筋を伸ばして座わります。(深く後ろに座らずに、5cm程手前に座ります。)フランス料理では、日本のように食器を手に持つことがありません。お皿を触らずに、ナイフとフォークを八の字に持って食事を楽しみます。

基本的に、フォークを左手に持って、ナイフを右手に持ちます。正式な作法では、フォークを右手に持つことはありません。そして、料理に口を入れるときや切るときは、音を立てないように周囲に配慮しましょう。

ナイフやフォークの持ち方

ナイフやフォークを持つときは、背筋を伸ばして軽く肘を曲げましょう。肘は、テーブルにつけないようにすることがポイントです。ナイフは、柄の部分に人差し指を添えて、刃の面がお皿と垂直になるよう、立てた状態で使用します。

フォークも同様に、柄の部分に人指し指を添えて、下向きに持ちます。その際、肩の力が入らないように、ふんわりと手を置くイメージでナイフやフォークを持つようにすると良いでしょう。

ナイフやフォークを使う順番

ナイフやフォークが複数本並んでいる場合、基本的に外側から使います。そのため、最初の料理として前菜やオードブルが運ばれてきた場合は、右手は一番右側(外側)にあるナイフを手に取り、左手には一番左側(外側)にあるフォークを手に取ります。

料理を食べ終えたら、使用したカトラリー(ナイフやフォークなどの食事を食べるときに使用する道具のこと)は、食器とともに取り下げられてしまいます。そのため次の料理がきたら、そのときに一番外側にあるナイフやフォークを使うことになります。

ナイフレストが置かれている場合

ナイフやフォーク置き場であるナイフレストがある場合、どのような所作が求められるのでしょうか。ナイフレストは、カジュアルな料理を提供するお店で置かれており、次の料理にも同じナイフやフォークを使ってほしいという意向から設置されています。

そのため、料理を食べ終わったあとは、ナイフレストの上にナイフやフォークを置きます。その際、ナイフの刃を内側に向けて、フォークは先端が上側になるように置きましょう。

ナイフやフォークの置き方

フランス料理を食べる際、ワインなどの飲み物やパンを食べながら人との会話を楽しむ場合は、ナイフやフォークをお皿の上に八の字に置いてください。八の字に置くことで、「まだ料理を食べている最中です。」と周囲に伝えられます。

お皿に対して、ナイフは、右側に置きます。そして、フォークは、左側です。ナイフやフォークを置く位置にも決まりがあり、皿のフチにかけると良いとされています。

その際、ナイフの刃を外側に向けないように注意してください。ナイフの刃は、内側に向けることがフランス料理のマナーとなっています。フォークは、上側ではなく、下側に向けてお皿に置きます。

そして、料理を食べ終えたときは、お皿の右側にナイフやフォークを揃えて置きます。先ほどと同様に、ナイフを置くときは、内側に向けましょう。フォークは、下向きではなく、上向きに置きます。これにより、「料理を食べ終えたので、お皿をさげてください。」という合図になります。

食べきれずに料理を残す場合は、食べ残した料理をナイフで右側に寄せて、お皿をキレイに整えるようにしましょう。あとは、先ほどと同様に、ナイフとフォークを右側に揃えておくことで、お皿を取り下げてもらえます。

ナイフやフォークの豆知識!最中柄(もなかえ)とは?

ナイフやフォークを利用していると、持ち手の部分がふっくらとふくらんだものを見かけることがあります。薄いタイプのものよりも、非常に重厚感があり、このようなタイプの持ち手の中は、空洞になっており、重量自体は軽く作られています。

そのため、料理を食べる際、持ち手が太いため持ちやすく、あまり重さが気になりません。見た目は、まるで和菓子の最中のような形をしていることから、最中柄と呼ばれています。

尚、刃と持ち手の部分が一体化しているものは、持ち手部分が平たく薄くなっています。このような一体型のカトラリーを共柄(ともえ)と呼びます。製造の際、形を整えやすいという理由から、最中柄のナイフやフォークよりも手ごろな価格で購入できます。

フランス料理の着席してからのテーブルマナー

フランス料理は、ナプキンやナイフ、フォークを使ってスマートに料理を食べていきます。普段の生活の中では、テーブルマナーについて学ぶ機会がない(少ない)ため、不安に思う方もいるでしょう。それでは、フランス料理の着席してからのテーブルマナーについて順を追ってご説明します。

着席したらナプキンを使用する

ナプキンは、メインとなる大皿の上にセッティングされています。まず椅子に着席したら、ナプキンを手にとって、折っている形から一旦広げ、2つ折りにしてひざの上に置きます。着席した直後に、ひざの上に置く必要はありませんが、料理がくるまでに済ませておくことがマナーといわれています。

このとき、ナプキンの輪っかとなっている折り目の部分を身体側に、布端をひざ先にくるようにしてください。これにより、オードブルや前菜をテーブルへ運んでも良いという合図になります。

ナプキンは、口周りが汚れてしまったときや指先が汚れてしまったときに使います。また、席を離れるときは、ナプキンを椅子の上に置きます。これにより、「一時的に席を離れますが、戻ってきます。」という合図を伝えられます。椅子の上にナプキンを置く際は、軽くたたんで置くようにすると所作としてスマートです。

ナイフやフォークを使って料理を食べる

ナイフは、右手、フォークは、左手に持って、料理を食べますが、これは利き手が右手の方の場合です。利き手が異なる方は、ナイフとフォークの持ち方を逆にして、軽く指を添えるように持つと良いでしょう。

フランス料理を食べていると、ナイフやフォークが指からすべり落ちることがあります。その場合は、スタッフの方を呼びとめて、拾ってもらいましょう。食事中にナプキンを落としてしまった場合も、同様です。

マナー違反にならないポイント

フランス料理では、どのような行動がマナー違反となってしまうのでしょうか。食事中に相手の方を不愉快にさせないよう、注意するポイントをまとめてみました。

◆カトラリーの使用中に音をたてない。
◆ナプキンやナイフ、フォークを落としても、自分で拾わない。
◆席を離れる際、ナプキンをテーブルの上に置かない。
◆お店の雰囲気を壊さないように、楽しい食事を心がける。
◆食事中に、咀嚼音をださない。
◆ナイフの刃を人に向けることになるため、外側に向けない。
◆食べ物を口に入れたまま話さない。
◆人に対する批判的な言動は、控える。
◆食事中に、髪の毛を触らない。
◆人の料理に興味があったとしても、交換はしない。
◆食事中にスマートフォンを触らない。
特に、ナプキンやナイフ、フォークを落としてしまったとき、すぐに自分で拾ってしまいそうになりますが、スタッフの方を呼ぶことを心がけておくことが大切です。マナーを守りながら料理を食べることで、食事の時間を最大限楽しめます。

上記のうち、ほとんどは昔からのマナーとして定着してきたものですが、一番したの「食事中にスマートフォンを触らない」というのは、近年になってから浸透してきたものです。フランス料理に限ったことではありませんが、食事中のルールとして気をつけたいですよね。

スープの食べ方

スープは、スプーンを手前から奥にかけて動かし、すくうことが正しいマナーとなっています。口に入れるときは、吸い込むのではなく音を立てないように流し込むようにいただきましょう。スープの量が減ると大変食べづらくなりますが、左手で右側にお皿を傾けてスープをすくいやすい状態にしましょう。

無理やりスープをすくおうとすると、スプーンとお皿から音がでてしまいます。また、スプーンやお皿に傷をつけてしまう可能性もあるので、お皿を傾けてスマートに食べましょう。

パンの食べ方

パンを食べるタイミングは、決まっていませんが、オードブルと同じタイミングで食べると良いでしょう。そのため、最初からパンを食べ始めても問題ありません。ただし、1つ注意点があります。パンは、お皿と同時に下げられてしまうため、タイミングを見計らって食べることが大切です。

食べる際は、一口サイズにちぎって食べることがマナーです。尚、パンのちぎり方にもマナーがあります。パンの角をお皿につけてちぎると、パンくずを周囲に飛ばすことなくスマートに食べられます。パンに直接口をつけてかぶりつくことはマナー違反となっているため、パンくずをこぼさない美しい所作で料理を楽しみましょう。

また、パンをちぎって料理のソースをきれいにつけて食べると料理人へ「全てソースまで美味しかったです」との表現となります。バターをつけて食べるよりもソースをつけて食べる方が喜ばれます。

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