ポートランドでジョージ・フロイドの名前を呼んだ日
オレゴン州ポートランド市の南東部にあるエピスコパル教会(米国聖公会)の前で、金曜日の正午から、8分46秒の間、私たちはいくつも名前を呼んだ。7月最初の金曜日。こうやって集まるのは2回目だ。
教会の鐘が鳴り響いた後、"Say their names!"とその場にいる10人余りが、声を合わせる。
"George Floyd!" と拡声器を持った教会員の一人が言う。"George Floyd!" 私たちは繰り返す。
ジョージ・フロイド。5月にこの黒人男性が、警官の拘束下で窒息して息絶えた事件からもう一か月が過ぎた。8分46秒間は、彼が首を警官の膝で押さえつけられていた長さだという。
また鐘がなり、私たちは声を上げる。"Say their names!" 呼ぶ名前は続く。いくつも。知っている名前もあるし、初めて聞く名前もある。Breonna Taylor、、、Ahmaud Arbery 、、、Tamir Rice、、、この3人は、みな銃で撃たれて死んでいる。
実は教会はその会員の多くが白人だ。実際ポートランドに住んでいて、つくづく私も (私だってPeople of Color、有色人種だ)マイノリティだと、たまにだけど思う。でも教会内で真剣にこの人種不平等の問題に対して考えよう、話をしよう、という人たちがいる。
そんな教会員の一人が提案したこと。人種差別の、また警察による暴力によって殺された人々の名前を呼ぼう、と。「そしてね、この名前のリストは長いの」そう、長すぎる。
ダウンタウンに行ってデモをするところまではできないけど、せめて名前を呼ぼう。8分46秒の間。そうして、一人一人が生きていたことを追悼しようと思う。小さなことだけど、大きな変化の中の一つに関わるきっかけとして。