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魔法をかける人になりますか?魔法をかけられる人になりますか?
最近めっきり本屋に行くことが減ったけれど、
先日たまたま寄った時に手にしたのがこれ。
落合陽一さん。
あの「国際ジャーナリスト」落合信彦さんの息子。
落合信彦、かつては夢中になって読んでたなぁ。
で、落合陽一さん。
「メディアアーティスト」という肩書きですが、絵や音楽を創造して価値を生み出すのではなく、メディア=主にデジタル技術そしてそこから派生するプラットフォーム、を創造して価値を生み出す、という仕事のようです。
プラットフォームを創造しようとするくらいなので、時代や世界を俯瞰する力があり、その視点は参考になります。
例えば、
現代を「魔法の世紀」(技術やプラットフォームのブラックボックス化)と捉え、
あなたは「魔法をかける人」になりますか、それとも「魔法をかけられる人」になりますか?と問いかけます。
デジタルとノンデジタルの境界がなくなった「デジタルネイチャー」が、これからのわたしたち人間を取り巻く「環境」だ、と言います。ふむふむ。
また、Society5.0(※)に突入した現在、ブルーカラー・ホワイトカラーとクリエイティブクラスの生き方はまるっきり違ってくるだろう、と。そうだろな。
(※)Society5.0
科学技術基本計画で提唱されている言葉だそう。知らなかった!
狩猟社会(1.0)→農耕社会(2.0)→工業社会(3.0)→情報社会(4.0)→Society5.0(サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会。←今ココ)
などなど、
肌感として感じていたことがうまく言語化されていてとても参考になりました。
さらに、そういう時代に幸せに生きるには、
「激変するこの時代に解決すべき小さな課題(もちろん大きくてもいい)」を自ら設定し、それを他者が理解できる文脈で提示し、力をつけながら実現していくことだ、と言います。
副題「これからの世界を作る仲間たちへ」にもあるように、現代の若者へ向けて書かれた本ですが、ウィズコロナ・ポストコロナを考える上で現在を捉えなおすのに有用な視点を与えてくれる万人向けの本だと思います。
僕はこの視点から自分の仕事や生き方を見直してみようと思いました。
著者は10代の頃からニーチェやジョン・ロックを読み込んでいたそうで、読みやすいけどその文脈は骨太。俯瞰して現代を捉え直したい方にはオススメです。
あ、新刊ですが、ロングセラー「これからの世界を作る仲間たちへ」(2016)の新書化なので既に持ってる人はお気をつけあれ。
ではまた。