『英語独習法』読書メモ② 2つの言語の間で、単語同士が一対一対応する、という思い込みはどうして生まれるのか
今井むつみさん著『英語独習法』を読んで、特によく理解したい部分をまとめていきます。これまでの私の英語学習において壁になった部分について言及されており、学びが多いと感じました。
2つの言語の間で、単語同士が一対一対応する、という思い込みはどうして生まれるのか
背景1 英語の単語を使って文を作るとき、対応する日本語の単語に使われる構文をそのままあてはめてしまう
構文スキーマが影響しているようです
例えば、「ぶらぶら歩く」を英語にするとき。
日本語が母語の話者の場合「歩く、を英語にしよう!」と考えてしまいます。この時点ですでに、母語の構文スキーマにとらわれているというわけです…!
「歩く、を英語にしよう!」
↓
walk だ!
↓
「つぎは ぶらぶら を加えよう」
↓
walk casually とか walk mindlessly とか?
こんな感じの流れで、日本語の構文スキーマに則り英語にしてしまうということなのだそうです。
私もほんとにこんな感じ…
英語の場合、様態を本動詞で表現するのが自然であるため、英語の母語話者はstrollとかambleといった言葉1つで「ぶらぶら歩く」を表現します。
背景2 単語が使える範囲が日本語と英語で同じだと考えてしまうため
例えば、日本語で「言う」という意味に該当する英語はsay,tell,talkなど複数あります。say,tell,talkはそれぞれ使用に適したシチュエーションやニュアンスを持っています。そのため「どれでもいい」ということはありません。
こういったことを知っていないと、「言う=say」でひたすら通してしまい、適切な英語表現にいつまでたってもたどり着かない(英語母語話者から見ると不自然な英語で話す)ということが起こってしまいます。
スキーマは自分で探さないと身につかない
ここまで読み進めてくると、「母語以外のスキーマを意識すること、身につけることって難しそう‥」と感じます。
今井さんは、以下を推奨しています。
まずは、自分が英語を使う時に無意識に日本語スキーマを使っていることを認識する。
次に、英語母語話者のスキーマを自分で探していく。
後者については、いくつか理由が書いてあるものの、もっとも印象的だったのは以下でした。
これは本当にそうだよなあ…と思いました。手持ちのスキーマにどうしても頼ってしまう。
自ら「英語スキーマだとこうかな?」と仮説を持ち、それがうまく当たっていなかった場合にはそこから学ぶ。その繰り返しで、母語以外のスキーマを身につけていくことができるのではないかと思います。
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