虫好き男子母の備忘録④〜恩恵〜
卵の発見、幼虫を育てる
ネットで飼った3ペアのカブトムシの成虫が、夏の終わりに一匹また一匹と動かなくなり、とうとう一匹もいなくなったのが8月の終わり頃。さぁ、ケースを片付けようとケースの外から土をよく見ると、白い小さな玉があることに気がつきました。
まだ初心者だったのでそれが卵ともわからずに、息子と新聞紙を広げて土をひっくり返してみました。まん丸の白いBB弾くらいのが卵らしく、10個以上あったと思います。夫が調べてくれて、卵だと分かって家族で大喜びしました。
カブトムシを飼い始めて最初の夏は、まさか翌年まで(その後5年経つ今も続いてます)続くとは考えもしませんでした。
卵はその後、まん丸から縦長の楕円形になって、小さな半透明の幼虫が産まれました。
幼虫は、脱皮を2回しながら翌年の春までに大きく成長します。(幼虫の育て方は、長くなるので割愛。別で詳しく書こうとおもいます。)
幼虫のお世話
カブトムシの幼虫は、腐葉土を食べます。そして、糞(フン)をします。当たり前だけど。
このフン掃除が、慣れるまでの間は結構大変な労力でした。今なら適当に土をまるごと変えるとかざっくり上だけ土を入れ替えるとか良い方法が分かるのに、この時は何せ初めて。
幼虫を死なせたら息子が悲しむと思って、大事に大事に扱いました。頻繁にケースをひっくり返してはフンを拾いました。
ザルで濾すとフンが取れやすいと調べて試したり、一つ一つ割り箸で拾ったりしました。
息子には、なかなか難しい作業で、2人でフン掃除を始めても結局やるのは私。もちろん息子にも横に居させて一緒にやろうね、と約束してはいましたが。小さな子には無理。一人黙々とフン取りでした。
このフン取りが、意外にも心を無にしてくれる良い時間になりました。コツコツ作業をするのが、もともと私に向いていたからか考え事をしながら黙々とフン掃除。側から見たら変な光景ですね。
ところで。国産のカブトムシのメスは1匹が20個〜30個の卵を産むそうです。一番大きくなった三令幼虫なら、100均ショップの大きいケースに5匹がちょうど良い環境。多すぎると共食いするのか減ってしまいます。全部を翌年に成虫に育てようとすると、ケースだらけになり、糞の掃除も大変、ケースを置く場所も必要で、土も沢山買うことになります。部屋の片隅はカブトムシスペースとなってしまいました。ちなみに、多摩動物園の昆虫館調べでは、1匹の幼虫が産まれてから成虫になるまでに2万個程のウンチをするらしい。そんなに沢山ですよ??ビックリ〜!!
幼虫の糞(フン)は宝の山??
【カブトムシの幼虫のフンが最高の肥料になる!?】
たまたまそんな記事を、腐葉土を買うためにネットサーフィンしていて見つけました。溜め込んで何袋にもなって何ゴミが迷って処分に困っていたフンが、なんと最高の肥料だなんて!!目から鱗でした。
そうと分かってから、早速ベランダ菜園を開始しました。植木鉢の底に大きめの糞を敷き詰めて小石の代わりにしました。その上に土を入れて、花や野菜の苗を植えて、最後にまた糞を土の上に置きました。
家庭菜園、大成功!!
狭いベランダの、慣れない家庭菜園だったのに、ゴーヤ、ナス、紫蘇、ミント、パクチー、プチトマト、枝豆に成功!!小さな植木鉢が、あれよあれよと言う間にどんどん増えていきました。カブトムシのおかげで、予想だにしない家庭菜園まで目覚めてしまいました。
ベランダ菜園は、子どもたちも大喜び。毎日の水やりも率先してやってくれました。収穫して食べた時も、嬉しそう。子どもたちにも野菜を育てる経験をさせてあげれたし、食卓にも出せて一石二鳥でした!
それでもまだまだ増え続ける幼虫のフンは実家にお裾分けしました。カブトムシ肥料の評判は上々。花が綺麗と通りがかりの人から褒められて、母も嬉しそうでした。
さらなる恩恵が!! 一石三鳥四鳥に
家庭菜園を始めたら、紫蘇やミントは葉物だからどんどん増えてしまい、もう困るほどでした。捨てるのも忍びないし。
そこで、ご近所にもお裾分けすることにしました。こんなもの、貰ってくれるかな〜、恥ずかしいかしら、迷惑かも、とも思ったけれど、そこはチャレンジ精神で!
ピンポーン!『ベランダで採れたんです。よろしければ如何ですか?』 と。
思った以上に皆さんからの返事は、良い感じでした。
『まぁ、ありがとう。孫がミントを好きなの!』『紫蘇、美味しかったわ〜!』と感触も良くて、時々会った時に貰ってもらうようになりました。
そのうち、お返しが届くようになりました。
『お漬物を漬けたから食べてみて!』『お中元の巨峰食べきれないからお裾分け!お子さんと食べて!』『旅行のお土産。軽井沢で買ってきたパン、食べてね!』『カブトムシ居る?田舎で採ってきたよ』。。。
これ、本当に、本当に、嬉しい出来ごとでした。実話なんですよ!!
繋がり
紫蘇とミントが、交流の機会を作ってくれました。
もともとはカブトムシを飼ったのが始まりです。そして、
→幼虫を育ててみて
→フンを役立てようと家庭菜園して
→作りすぎた野菜をおすそ分け
→お返しをもらって
→ご近所とも仲良くなりました。
→子育てするのに環境が良くなりました
今は、何かと子どもにも声をかけて下さるご近所さんが増えました。共働き家庭ゆえ、親がいない時に子ども達がお世話になることもあるかもしれません。特に小学生くらいになった時、ご近所の目は頼りになります。もし1人で困ったらどこどこのおばさんのとこにピンポンしなさい、と言えるくらい。実際、何度かお世話になったこともあるのです。
時代劇を見て長屋の雰囲気に憧れていましたが、そんな感じになりました。遠くの親戚よりご近所様です。感謝してもしきれません。
カブトムシから凄いことが起きた!!ミラクル!!なのです。
追記
大切なことを書き忘れました!
幼虫のフンは特に臭くありません!
黒くてちょっと四角くて小石くらいです。
・・・続く
これは息子2人とカブトムシやら沢山の生き物を飼った時の思い出の備忘録です。いつか読み返せるように。そして、これから虫好き男子母になるかもしれないお母さん(お父さん)にもお役に立てたら嬉しいです。
どうぞよろしくお願いします。集まった資金は虫のエサ代にさせていただきます。ありがとうございます。