「ことりっぷ」に紹介された、ジュエリー作家の彼女の話
今日はとある金工・ジュエリー作家さんのご紹介。
彼女の名前はCHIAKI KAWASAKIさん。
2017年3月発売の旅行ガイド (ことりっぷ 松江・出雲 石見銀山)の1ページに彼女の作品が紹介されている。
盤石な基礎を築いた下積み時代
もともと彼女は美術大学出身で、学生時代は工芸学科に所属。金属を加工し「表現」につなげるノウハウを勉強してきた。また、様々な金属素材を用いてする鍛金・彫金などの専門的な技法も学び、自身の腕を磨いた。
卒業した後も都内のジュエリー専門学校へ通い、その基礎を存分に吸収。
その後それら学び得た技術とセンスを生かし、ジュエリー作家としてデビュー。日々製作に励み、展示会や各種イベントにご自身の作品を出展・販売している。
彼女の作品を見れば「職人技」と表して問題ないだろう。それだけの専門的な知識と技術と下積みが彼女の作品の中には込められている。
「カモノハシのブローチ」
作品と対話しながらつくりあげる
彼女の作品はひとつひとつが実に緻密で丁寧なつくりとなっている。 銀や銅、真鍮などを加工して作る作品はどれも完全なオリジナル。使えば使うほど味の出るような作品がお好きな方にぜひお勧めしたい。
彼女の作品づくりの工程は、コツコツとゆっくりと。ひとつの作品に向き合って対話しながらカタチにしていく。じっくりと着実に、決して作品への妥協や諦めはない。作品には彼女の実直さ堅実さが表れている。
また、そのクオリティは年々着実にレベルアップしており、今後はさらに素晴らしい作品が生まれる可能性も充分に感じさせてくれる。
彼女の成長には終わりがない。そのアイデアや発想もさることながら、その加工技術の緻密さは年々精度を上げている。
ひとつの金属板を手作業で作品へと作り上げる。その過程についてはまた改めてじっくり取材させていただきたい。
「かざぐるま」
モチーフとなるのは主に動植物
彼女の作品は、主に動物や植物をモチーフにしたものが多い。細かな動物の表情や形、植物の葉や種子なども、彼女の目に留まれば素敵な装身具へと変貌をとげる。
日頃、作品へのインスピレーションがわく様にと動物園へも頻繁に足を運んでいるそうだ。図鑑や本でその動物を観察することも出来るだろうが、彼女は実際に動く姿をよく観察し、そこで得た感覚を作品に落とし込んでいく。
それからこれは彼女の好みなのか、少しマニアックな動物の作品が多い。彼女のホームページには可愛らしい動物たちの作品が紹介されているので、見てもらえたら。
「まきまきエリマキトカゲ」
作品への意外な反響
つい先日開催された展示会に、彼女は出店していた。動物好きなお客様方が多数来店し、各作品の評判は上々だったそう。
最近は意外な作品への受注も多く、彼女は「何に人気が出るかはわからない。」と話す。
それがこの作品。
「むしめがね」
真鍮で枠を作りレンズをはめたこのむしめがねは、もともと彼女の細かな作品をじっくり見てもらうために作られた非売品だった。
「作品を見てもらうためにつくったのに、そのむしめがねの方が欲しいと言われることが増えて最初は驚いた。」
と言う。
本人はとても意外だった様だが、作品を見る限り人気が出るのも頷ける。
とても洒落ていて、どこか味のあるフォルム。日々の生活にこの虫めがねがあったなら、きちんと実用性も兼ねた上でインテリアとしてもアクセサリーとしても、その空間のアクセントにも成りうるのではないだろうか。
ゆっくりじっくり出来上がりを待つこと
彼女は個別の受注相談も承っている。
最近は結婚指輪のオーダーや、自分の愛猫・愛犬を作品にして欲しいという声も多いそうだ。
ただし一点物で充分に時間をかけて製作するため、また他のお客様の予約状況などの兼ね合いにより、「ゆっくりじっくりお待ちいただけるとありがたい」ということだ。
「木の実のリース」
思い出の指輪
実は、私たち夫婦の結婚指輪も彼女にお願いして作ってもらった。
このオーダーをした時も、「どんな作品を望んでいるのかをよくよく確認したい」と、ヒアリングの時間を多くとって相談したことを覚えている。
夫婦で好みが分かれた時も、それぞれにあったものを、そしてペアで並んだ時の見た目にも統一感が出るようにとだいぶ工夫してがんばって下さった。私たちのワガママを聞き入れて下さって、有り難い限り。
結婚式でリングピローにのせられた指輪が参列者の前を通り、私たちの元へときた瞬間のことは今でもはっきり覚えている。
そして、おかげさま。今でも夫婦で大切に使わせていただいている。ありがとうございます。
CHIAKIKAWASAKIさん。彼女とのお付き合いは長きに渡るのだが、何事にも飽きっぽく続かない私とは正反対なタイプで、コツコツと継続してゆっくりじっくり着実に歩を進めていく。
彼女の作品たちを見ていると、ただでさえ愛らしい姿かたちのものが多いのだが、彼女のそんなひたむきさもうかがえてより愛しい。
ぜひ、みなさんにも手に取っていただきたい。
「うとうとマレーグマ」
夢は自分の作品で動物園をつくること
最後に、彼女の今後の展望を聞いてみた。
「夢は、自分の作品で動物園をつくること。」
「もともと動物が好きで、学生の頃から足しげく動物園に通って観察してきた。」
「これからも、自分もみなさんにも好きになってもらえるような、喜ばれる作品をたくさん作り続けていきたい。」
そんなことを話す彼女を見ていて、やはり「好き」という気持ちは何にも変えがたいモチベーション、原動力となるのだなぁと。
いつか、彼女の作品が散りばめられた素敵な動物園が完成することを、これからも陰ながら応援していきたい。
「あるまじろう」
CHIAKI KAWASAKIさん、インタビューありがとうございました。
※写真はCHIAKI KAWASAKI Website からお借りしました。(一部物撮りあり)
※ことりっぷさんの掲載記事は引用させていただきました。
※ANTWORKSGALLERYには現在はCHIAKI KAWASAKIさんの作品は展示されておりません。
※作品に興味を持ってくださった方、Sunaoにご相談くだされば彼女に直接繋ぐことも可能です。
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