10月の音楽レク【秋は夕暮れ】
「秋」と言えば?
参加者の皆さんは何と答えるでしょう?
「食欲」、「スポーツ」、「芸術」そして「読書」
そこで、読書の秋にちなみ今回は「枕草子」から
「秋は夕暮れ」の一節を紹介します。
「秋は夕暮れ」は知らなくても「春はあけぼの」は知っている方は多いでしょう。
「秋は夕暮れ」は「春はあけぼの」「夏は夜」に続く文章です。
「秋は、夕暮。夕日のさして、山の端(は)いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などの連ねたるがいと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はたいふべきにあらず。」
解説はこちらをご覧ください。
私は「秋は夕暮れ」を摸造紙に書いて朗読しました。
清少納言は秋は夕暮れ時がいい、と書いています。
「みなさんはどう思われますか?」
とお聞きすると、多くの人が「うんうん」と頷き、共感することでしょう。
今回のプログラムは「秋は夕暮れ」がテーマです。
赤とんぼ
三木露風作詞 山田耕筰作曲 昭和2年
「夕焼け小焼けの赤とんぼ」赤とんぼには夕焼けが似合いますね。
子どもの頃、竹でできた垣根にとんぼがたくさん止まっていたのを思い出しました。
人差し指をくるくるしながらそっと近づいて、とんぼを取って遊んだものです。
誰か故郷を想わざる
西条八十作詞 古賀政男作曲 霧島昇歌 昭和15年
「花摘む野辺に日は落ちて」
花を摘んで首飾りを作って遊んだことはありますか?
首飾りをつけて、お友達と手をつないで、歌を歌いながら帰った記憶が蘇ります。
この歌を歌うと、私はみなさんに故郷をお聞きします。
認知があっても、故郷は言える時があるのです。
湖畔の宿
佐藤惣之助作詞 服部良一作曲 高峰三枝子歌 昭和15年
「水にたそがれせまる頃」
同じ昭和15年の作品ですが、作曲家古賀政男と服部良一は作風が全く違います。
古賀メロディは日本人のDNAに沁み入ります。
一方服部の作品の基調はジャズです。
ハイカラな曲の感じが何ともいいですね。
七つの子
野口雨情作詞 本居長世作曲 大正10年
「秋は夕暮れ」に烏がねぐらへ帰るのが「あわれ」と書いてあります。
烏は童謡やその他の歌によく登場しますが、どの歌も烏が愛されているのが分かります。
烏が嫌われ者なったのは最近のことなのではないでしょうか。
ゴミが溢れている都市部では、烏は、もう山へ帰らなくてもよくなってしまったんです。
夕焼け小焼け
中村雨紅作詞 草川信作曲 大正12年
「烏と一緒に帰りましょう」
子どもの頃、「烏が鳴くからか~えろ」と言いましたね~
心がほんわかしてしまいますね。
故郷の空
大和田建樹訳詞 スコットランド民謡 明治21年
「夕空晴れて秋風吹き 月影落ちて鈴虫鳴く」
「秋は夕暮れ」を見てください。
「風の音、虫の音」とありますね。
1000年前の秋も、秋風が吹き、虫が鳴いていたのですね。
感慨深いです。
自然はいつも変わりなくここにあるのですね。
虫の声
作詞作曲不詳 明治43年
歌詞摸造紙、虫の鳴き声のところを赤く書きました。
それぞれの鳴き声に楽器を割り当てます。
楽器活動については会員登録の上「音楽療法のヒント!」をご覧ください。