使い方が機能に影響する(万人にとって普遍的なもの)

シンプルで当たり前と思われるかもしれませんが
良くても悪くても
自分の使い方は機能に影響します。

私の例を少しお話しますね。
私がアレクサンダーテクニークを学び始める前
わたしは20年のブランクを経てテナーサックスの演奏を再開させていました。
テナーサックスは約3.5kgの重さがあります。
若い頃と同じように構えて演奏しているつもりでしたが
背中にひどい痛みを感じるようになりました。
ストラップを変えてみたり、座り方や構え方をかえてみたり。
自分が変えられる部分については工夫をしてみましたが、改善されてくる気がしませんでした。
「ちょっと体の使い方を考えなくてはいけないなぁ」。
ブランクがあることや年齢的なことはずっと付きまとう問題です。
ましてやこれから年齢は重ねていくもの。
学生の頃サクソフォンの師匠なるものはおらず、かといって演奏テクニックを教えてもらう以前のことをどう解決していけば良いのか。
そう思って探した先にたどり着いたのがアレクサンダー・テクニークでした。

レッスンを受けて気づいたのは
「私はサックスの重さを主に首だけで受けようとしていた」ということでした。
考えてもみてください。
ペンダントトップが3.5kgもあるネックレスをつけて姿勢良く座る姿を。
3.5kgって500mlのペットボトル7本分です。
身体を起こすために
私の背中は必死で頑張ってくれていたのです!

初めてレッスンを受けた時
姿勢を変えたことで背中の負担が減ったのはわかりました。
それ以上に衝撃だったのは
呼吸や音色も変わった事でした。
明らかに今までよりもずっと自分の好きな音を楽に出せていました。
「楽して良い音が出せる」ってどういうこと?
自分の機能に沿った自分の使い方をすることで起きた変化は
まるで狐に摘まれたような気分でした。

アレクサンダー・テクニークを学んで10年近く経ち
今では演奏を長時間しても背中が痛むようなことはありません。
レッスンに通うことでテナーサックスを全身で支えて構え、演奏する手段を身につけたのです。
これからも私の身体に変化は起こるでしょう。
まだまだ演奏は続けたいので
その中自分の使い方を探究し続けたいと思います。

歳を重ねることで加齢変化は誰しも起きます(そのスピードには個人差がありますが)。
癖だから、習慣だから、歳だからといった言葉で片付けるのは簡単です。
でも、もし自分の使い方をちょっと見直すだけでそこから脱出できるとしたら?

私は変化する楽しさや喜びを
使い方が機能に影響することをお伝えしながら分かち合えたらいいなと考えています。


今回は、使い方が機能に影響していた私の体験を書いてみました。

次回は「心身統一体」について書いてみたいと思います。

最後までお付き合いいただいた皆様、ありがとうございました!