隠れる細菌たち#12
おはようございます。
smile☺︎まもり隊/隊長Yumiです。
歯科衛生士として日々多くの患者さんのお口をみています。
見る。視る。そして観て、診る。いろんな視点からその人がどうして病気になったのだろうかと考えながら接しています。
毎日歯磨きしているし、前の歯医者でクリーニングに通っていたのに歯がぐらぐらしてきましたという方が来院されることがあります。
「なんでだろう・・・?ちゃんと歯磨きしているのに・・・」と患者さん。
一般の方の中には歳を取ったら入れ歯になるのは仕方ないと思っていたり、遺伝だから自分の歯が弱いのは仕方ないと思っていたり、虫歯になっても治せばいいと考えている方がまだ多いように感じます。私自身高校生の頃、むし歯の治療で歯科医院に通院しながらそう感じていました。
「いつかわたしもおばあちゃんみたいに入れ歯になってしまうのは仕方ないのかな・・・」恐怖でした。人生お先真っ暗だと思っていました。
「予防することで一生自分の歯を残すことができる」
それを知ったわたしはとてもショックでした。
「早く教えて欲しかった・・・泣」周りの人を責めるわけではないけど、知っていたらコンプレックスを持たずに済んだかもと思ってしまう自分がいます。
歯みがきだけで歯は守れるのでしょうか?
答えは、いいえです。
細菌たちが隠れている場所や自分の苦手な場所を、どうやって守るかを知ることが重要。どんな道具で、どんなふうにバイオフィルムを落とせばいいのか?
バイオフィルムの中は細菌たちのパラダイスです!しかも、興味深いのが100%上手な歯磨きでなくても守れる人もいるということです。
これまた、びっくりかもしれませんね。
要は、バイオフィルの中に病気を進行させるとても強い細菌が活動しやすい環境になっているかどうかが問題!
動物の生態系ピラミッドの頂点に君臨する肉食動物のように、お口の中の歯周病菌もピラミッドように表されるんです。
患者さんにわかりやすくお話しする時こんな風に伝えています。
「歯周病は虫歯同様に感染するんです。小学生の頃、一番下のちょいワル歯周病菌の世界が完成すると、歯肉炎を起こし暴れては身を潜めてを繰り返しています。そして中学生くらいでワルな歯周病菌たちに感染。だんだん、手強い奴らが増えてくると・・・18歳以降、超ワルな歯周病菌がトップに君臨!そこに至るまで、彼らはひっそりじっと私たちの身体の免疫力が落ちたり、自分たちが活動しやすい環境になる日を今か今かと待っています。」
ちなみに18歳以降にしか最強の歯周病菌に感染しないのかまだ理由はわかっていません。常に新しく変わる歯周病の常識なので私たちも日々情報を入れるようにしています。
さて、大事なことはこの歯周病菌のピラミッドは小さい頃から長い年月をかけて色々な細菌の種類に感染して積み上げられるといこと。下から順に積み上げられないとピラミッド頂点は完成しないのです!
頂点に君臨する超ワルな細菌が棲みつくまで、他のたくさんの最近の種類が必要なんです。
だから・・・子供の頃からむし歯予防のためにお口をキレイにしておくことは、将来の歯周病を予防する事にもつながるのです。
では、大人は?
「大暴れしないようにお掃除をすればいいの。ある年齢になると人のお口の中の細菌たちの集まりは変わらないんですよ。良い子もいれば悪い子もいてこれも私たちの一部なのです。一生付き合ういわば共生パートナー。特徴を知って上手に長く付き合わないとね!」と患者さんに伝えると
「え〜!!悪い子はいらない〜!いい子だけ増やしたい!」と苦笑い。
だったらどうしましょうね?
むし歯菌は酸素のある所が大スキ♡歯周病菌は酸素のある所が大嫌い!
むし歯菌は糖質(砂糖・炭水化物)が大スキ♡歯周病菌はアミノ酸(タンパク質)が大スキ♡超ワルの歯周病菌は鉄分と良質なタンパク質を含む血液が最高の食料なんです。恐るべし肉食系です。
そんな歯周病菌は歯と歯ぐきの隙間・・・つまり歯周ポケットの中に隠れています。
歯周病菌の棲み家である歯ぐきの中のお掃除こそがとっても重要。
となると・・・どうしたいですか?
何を使って?いつならできそうですか?朝?昼?夜?
耳から言葉で伝わることもあれば、視覚から感じることもあるので色々試しながらその方が「やってみたい!」と思えることを一緒に探すようにしています。
お任せします〜!的な方もいらっしゃいますが
「数ヶ月に1回の来院・・・24時間増え続ける細菌たちのお掃除・・・わたしは毎日お掃除できませんし(笑)・・・。足掛かりとなる始めの細菌が着かないように歯の面をキレイにお掃除しますので、次の来院まで自分で守れるように一緒にお掃除練習しましょう♪」
子供だって頑張るのです!
大人も・・・大人こそ、しっかり自分で予防する背中を子供たちに見せませんか?
今日は、次男の20歳の誕生日です。離れて暮らしているので何もしてあげられませんがコツコツ育てたキレイな歯並びと丈夫な歯だけはプレゼントでできたと思っています。健康は1日で手に入れられるものではありません。毎日続ける良い習慣こそが健康への近道です。
予防するためには、知識と情報と実践が大切です。かかりつけの歯科医師・歯科衛生士さんがきっと健康に導いてくれるはずです!仲良くなってほしいです!
最後まで読んでいただきありがとうございました。今日も素敵な笑顔で頑張りましょう♪
smile☺︎まもり隊/隊長Yumi