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捨てたい、けど捨てられない―機能不全家族で育って

第34回

話が前後しますが、高校1年の夏休みに入ってすぐに三者面談がありました。面談の内容は、卒業後の進路をどのように考えているか、ということ。先生に聞かれた私が「働きます」と答えたら、先生は笑いながら「なんやお前、大学へ行かんのか。みんな大学へ遊びに行くんやぞ。そんなに金儲けしたいのか、そうか、わかった。」と言いました。私は特に勉強が好きなわけではなかったし、とにかく働いて自分で自由に使えるお金が欲しいと思っていたので、大学へ行く気はなく、先生の言葉で気持ちが揺らぐことはありませんでした。それにまさか母も同席している場で「私が大学へ行くためのお金を親が出せるわけがない。」などと言える筈もなく、その場はただ笑って受け流しました。
でも周りの同級生を見ると、正直気持ちが沈みました。秋には次年度に向けての文理選択の時期となり、文系を選ぶのか理系にするのか、選択教科は何にするか…などが話題に上りました。真剣に考えて話す皆の姿が輝いて見えました。中には何か目指すものがあって大学進学を希望している子もいて、本当に羨ましかったです。
(2024.2)


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