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捨てたい、けど捨てられない―機能不全家族で育って

第37回

高校2年生の時の三者面談に、「俺が行く」と父が来たことがあります。面談で話す内容はもちろん進路についてで、先生は私に「お前の成績だと、いい就職先は上位の子に取られてしまうだろうから進学も考えた方がいい。」と言いました。こちらの事情も知らないのに、余計なことを言わないでほしいと思いながら聞いていました。
そして家に帰ると父は、「先生は進学も考えた方がいいと言ってたけれど、行きたいんやったら自分の金で行けよ。」と言ったのです。そんなことは何度も言われてきたので分かっていましたが、せっかく面談に同席したなら先生に直接そう言えばよいのに、面談の場では「そうですか」などと呑気に返事をしていた父が、弱い立場の私に後からこんな言い方をすることに無性に腹が立ちました。
この頃の私は、怒ると逆上して言わなくていいことまで言うくせに、私が「そこはきちんと言ってほしい」と思うことについては何だかんだと誤魔化してはっきり言わない親に不満を感じていました。その不満は父だけにとどまらず、母に対しても同様でした。
(2024.5)

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