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ドラマの「衣裳部」


「朝の連続ドラマ」の撮影スタジオ
よみうり文化ホール(千里中央)
「朝の連続ドラマ」の撮影スタジオ
よみうり文化ホール(千里中央)
「朝の連続ドラマ」の撮影スタジオ
よみうり文化ホール(千里中央)

スタジオ収録の開始は普通午前9時。男優さんはその30分前の午前8時半。女優さんは1時間前の午前8時にスタジオ入りする。「衣裳部」は毎日俳優さんが入って来る前にスタジオ入りし、衣裳を準備。いろんな俳優さんが出入りするのに合わせ、衣裳を着せたり脱がせたりが一日中続く。スタジオ収録がすべて終了。最後の俳優さんが衣裳を脱ぎ、私服に着替えてスタジオを後にするまでが仕事。長く一緒にいるので、「衣裳部」に愚痴を言う俳優さんも多い。

朝の連続ドラマ「花らんまん」
主演・野村真美さん
松山市でのロケ
松山市でのロケ


たくさんの「衣裳箱」をフェリーで
大阪から松山に運んだ



松山にロケで行った時、戦前が設定のドラマだったので、大阪からトラックで運び込まれた衣裳は衣裳箱60箱以上。こうした時代物のロケの場合、エキストラの服まで、その時代に着ていたものを用意しなければならない。衣裳箱が所狭しと積まれたホテルの一部屋が衣裳部屋に。「衣裳部」はこの部屋に泊まり、翌朝早くに起きて、まずエキストラの着替えをやり、その後、俳優さんの着替えを時間差でやる。俳優さんとエキストラの数が多ければ多い程、「衣裳部」の起きる時間は早くなる。夜のシーンだが、「夏祭り」のシーンも、浴衣の男女を多数着付けしなければならないので、「衣裳部」の頑張りの見せどころである。

夏祭り(イメージ)
夏祭り(イメージ)



もう一つ、衣裳さんにとって大変なのが、学校や警察のシーン。共に「制服」が出てくるからである。大阪の場合は制服のストックが「衣裳部」にあまり無く、集めるのに苦労する。東京の「衣裳部」は過去から現在までいろんな学園ドラマや刑事ドラマをやっているので、高校生や警察の制服を用意しやすいと言える。いずれにしても、制服を新調するのは、結構予算的にキツいかも。

高校生の制服(イメージ)
警察官の制服



今、主役クラスの俳優さんには専属のスタイリストが付いている事も多い。この場合、スタイリストが「衣裳部」に代わって、「衣裳」をいろんなブランドから調達して来る。

スタイリスト(イメージ)



「衣裳」は俳優さんを魔法にかけて、ドラマの中のキャラクターに変身させてくれる大切な要素。ドラマにとって、その重要さは今も昔も変わらない。

40年近く前の、大阪で「朝の連続ドラマ」を撮っていた頃の話。

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