ドラマのタイトルバック

ドラマのロケで借りにくい場所一覧。

デパート、コンビニ、病院、裁判所、電車の中・ホームなどなど。

エレベーターの内部も「カメラの引きじり」が無いので、セットで作る事が多い。

「デパート」は開店までの時間、「恵比寿のアトレ」を借りて撮影した事がある。

午前10時開店なので、余裕をみて、午前9時半「完全撤収」。それゆえ、撮影は早朝からになる。

プロデューサーは「早朝」や「深夜」の撮影には立ち会う事が多い。キャスト・スタッフのケアとトラブルが起こった時、即座に対応する為だ。

「アトレ」の時も僕はロケ現場に居た。お腹が痛くなり、トイレで用を足して出て来ると、掃除のおばさんに詰め寄られた。

「私がせっかくトイレ掃除したのに、開店前にトイレを使わないで。この後、アトレの係員のチェックがあるんだから!」

かなり、怒り心頭の模様。僕は平謝りした。

「コンビニ」。東京郊外の「個人営業のコンビニ」を借りる。店を借り切って、撮影。「撮影した時間分のコンビニの売り上げ」を「ロケ使用料」として支払う事が多い。

「八王子のコンビニ」を借りて撮影した時は「オーナー」の意向もあって、「営業」しながら「撮影」した。「実際のお客さんがドラマの映像に映り込んでしまう危険」があるので、非常にレアなケースだと思う。気も遣った。

実際のお客さんの「顔」は「個人情報」なので、映り込んでいると、再放送やDVD化の際に支障を来たすからだ

「病院」。都内でも、「病院の表」を撮らせてもらえる病院はいくつかある。

実際の病院(病院名の看板は架空の病院に代える)を使うか、「病院らしき建物の表」に「架空の病院の看板」を掛けて撮影する。

「病院の1階ロビー」は「別のそれらしい場所」を使ってのロケ。病院のロケでここがいちばん借りるのが難しい。

セットで作るには大き過ぎるし、「実際の病院のロビー」は土曜日の午後以外は「外来の患者さん」でいっぱいだから。

「ナースステーション」「病室の前の廊下」「病室」「手術室」は基本セットである。予算の無いドラマでは「廃院」になった「病院」で全てを賄う事もあるが。

「裁判所」も基本、セットである。実際の裁判所はもちろん貸してくれないし、カメラが「4方向」から撮らなくてはいけないので。

但し、例外はあって、この4月期放送された志田未来主演のドラマ「勝利の方程式」(読売テレビ制作・日本テレビ系)の「裁判所」は都心からとても離れた茨城県内の「使われていないホール(内装が「裁判所」にそっくり)」で撮影された。このドラマは「オールロケ」だった。

「電車の中」。「京王電鉄」の「東府中駅から東京競馬正門前駅間」を何往復もして撮る事が多い。

「鉄道」はなかなか「撮影」には「鉄道施設」を貸してくれない。それゆえ、ほとんど唯一「貸してくれる京王線・井の頭線」での撮影が多いのだ。

しかし、ドラマ「silent」の様に「小田急電鉄」全面協力で撮影しているケースも出て来ている。

今後「鉄道会社のPR」と「撮影使用料による利益」を考えて、「撮影可能な鉄道」も増えていく事だろう。

大阪で「朝の連続ドラマ」をやっていた時、年中、いろんな場所でロケをした。

そんな折、マイケル・ダグラス、高倉健、松田優作出演のパラマウント映画「ブラック・レイン」(1989年)の撮影が大阪で大々的に行われた。

出来上がった映画を観に行くと、「朝の連続ドラマ」では絶対貸してくれない「梅田・阪急百貨店前」他の場所でロケをしていた。

やはり、大阪府も大阪市も大阪府警も「いつも撮影している地元・大阪のテレビ局」より「ハリウッドのパラマウント映画」を大事にするんだと、少し悲しい思いがしたものだ。

汗ダラダラの灼熱の夏も、身体の芯まで凍えるガタガタ震える冬も「ロケ隊」は様々なロケ現場やスタジオを移動しながら、日々撮影を続けて行く。

それが視聴者に「新たな感動」を与える事になるのである。

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