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高校生クイズ
ソース: 日本テレビ
昨夜、今年から3時間になった「高校生クイズ」を観てしまった。
ドラマ「海のはじまり」を観終わったのが、21:00。
録画中だった「高校生クイズ」のアタマだけ観ようと思い、再生を始めたら、めちゃくちゃ惹き込まれて、最後まで観てしまい、お風呂に入るのが24:30になった。
今、この原稿は「通勤途中の満員電車の中」で書いている。
今年の「高校生クイズ」の何が良かったかと言うと、まず「走らせた事」。
「高校生」が走る事により、より素直な「喜怒哀楽」を出していた。
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これはドラマ「太陽にほえろ!」でチーフ監督である竹林進がタイトルバックで、石原裕次郎以外の刑事たちを「走らせた事」と重なる部分がある。
そして、「敗者のドラマ」という観点で作られている事。
「高校生クイズ」は「人間ドキュメンタリー」であり、それは「敗者」を描く事なのである。
「敗者」を描けば、「勝者」は「敗者の思い」を背負って戦える。
そして、1週間という期間、「同年配の高校生たちが旅をする事で団結して、参加していく姿」をまざまざと見せつけた。
その事が「視聴者」にもビンビン伝わって来るのである。
そして、「スタジオ」では無く、「日本列島」を縦断して、全て「野外」で撮ったという事。
これも「欠かせない要素」だと思う。
「壮大な大自然の中でクイズをやる」、この事は「東大王」とか「パネルクイズアタック25」とは完全に一線を画している。
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MC 福留功男さん
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MC 福澤朗さん
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放送された「木曜スペシャル」
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放送された「木曜スペシャル」
今年の「高校生クイズ」の演出陣は「アメリカ横断ウルトラクイズ」の「素晴らしさ」を良い意味で「パクって」いた。
「アメリカ横断ウルトラクイズ」をもう知らない世代の人たちも多いだろう。
「アメリカ横断ウルトラクイズ」は、1977年から1998年、全部で17回放送された「画期的なクイズ番組」である。
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「後楽園球場」(後に「東京ドーム」)に何万人もの人が集まり、クイズが始まる。
そして、「アメリカ大陸」を横断して、当時「日本人の憧れの地」であった「ニューヨーク」決戦を目指して、「クイズ王」を決めるという「空前絶後のクイズ番組」だった。
これはやはり、「日本テレビ」にしか出来ないと思う。
「高校生クイズ」もまた同じ。
今年の「高校生クイズ」。
まず、「国立競技場」で行われた「走って3択を選ぶクイズ」。
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◯✖️クイズ
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◯✖️クイズ
これは明らかに、「アメリカ横断ウルトラクイズ」の「後楽園球場(東京ドーム)」で行われた「◯✖️クイズ」への「オマージュ」である。
引き続き、スタジオで行われた「40チーム早押し通せんぼクイズ」は「ウルトラクイズ」の「準決勝」でよく使われた「クイズ形式」。
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グアム島の「ドロンコクイズ」
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グアム島の「ドロンコクイズ」
「小田原城の◯✖️ドロンコクイズ」は「ウルトラクイズファン」なら誰でも知っている「グアム島」での「◯✖️ドロンコクイズ」をそのまま使っている。
番組内では「問題の数」が足りなくなったので、「じゃんけん」という流れは「ウルトラクイズ」の「成田空港での恒例のじゃんけん」を盛り込んでいるのが僕には分かった。
「新幹線 三河安城駅ホーム」での「早押しクイズ」は「ウルトラクイズ」で「大陸横断列車が通り過ぎる間に答えるクイズ」の要素を使っている。
「新幹線車両基地」での「どちらかの動いた方の新幹線に乗ったチームが敗者復活」というコンセプトも「ウルトラクイズ」で度々出て来る。
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バラマキクイズ
「比叡山延暦寺」で行われた「バラマキクイズ」。
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バラマキクイズで使われた「ハズレ」
「ウルトラクイズ」でもいろんな場所で行われた「クイズ形式」だが、「ハズレ」のフダのデザインが「ウルトラクイズ」と一緒だったのには笑った。
「1チームずつ敗者になっていく」のも「ウルトラクイズ」と同様だ。
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ニューヨークでの船上決勝
さらに沖縄で行われた「船の上での早押しクイズ」は「ウルトラクイズ」の後期、ニューヨークで行われた「決勝戦」が「ハドソン川を行く船上で行われたクイズ」をモチーフにしている。
そして、沖縄の真っ白な浜辺で行われた「決勝戦の早押しクイズ」。
10問勝ち抜き、誤答・お手付きは「マイナス1点」は、本家「アメリカ横断ウルトラクイズ」と全く同じルール。
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今回、すごく感心したのはクイズを読む日本テレビアナウンサー・石川みなみさんの存在感が素晴らしかった事。
2020年日本テレビ入社。B型。
僕がショートカットのボイッシュな女性が好きなのも多分にあるが、「出過ぎず、でもちゃんと聞きやすい様に問題を読むという大役」を見事にこなしていた。
さらに、指原莉乃、Sixs STONESやかまいたち、そして田中圭らのサポーター・スタジオゲストにもすごく好感が持てた。
僕は「アメリカ横断ウルトラクイズ」のスタッフになりたくて、テレビ業界を目指した。
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テレビ局入社の前年冬には「史上最大ウルトラクイズ敗者復活戦」に今は無き「大阪球場」に行き、一問目で敗退した。
翌1983年、テレビ局に入った僕は「第1回高校生クイズ」にADとして付いた。
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「アメリカ横断ウルトラクイズ」の
「総合演出」を務めた加藤就一さん
その時のクイズ会場である「大阪球場」で、後に「アメリカ横断ウルトラクイズ」第11〜15回と「今世紀最後」の「総合演出」をする日本テレビ・加藤就一さんと会っている。
その後、少しでも多くの「高校生クイズ近畿大会」にスタッフとして付き、1992年の京都、1993年の大阪、1994年の姫路では「高校生クイズ近畿大会」のディレクターを務めた。
初めの数年、「高校生クイズ」は夏休みと大晦日、年に2回放送されていた。
丸一日をかけて収録する「高校生クイズ近畿大会」。
しかし、「編集」は過酷を極めた。
朝9時から夜10時過ぎまで、2週間以上に及ぶ「地獄の編集」は忘れられないだろう。
何度も「ノイローゼ」になりかけた。
だけど、「高校生」の「喜怒哀楽」の「いちばん良い表情」を放送する為に頑張ったつもりだ。
そして、今回の「高校生クイズ」を観ていて、思い出した事が1つある。
それは「映像」より「音声」の重要さ。
「カメラ」は撮影すれば、「高校生の表情」を映し出す事は容易だが、「音声さん」が「高校生の生の声」を「カメラに映らない様に録る事」はとっても難しい。
でも、今年は「音声」もとっても巧く録れていたし、「ナレーション」の入り方、「高校生のインタビューを映像に被せる手法」など、細かい点に目が行き届いていた。
さらに「ドローン」のおかげで、「吊り橋」でのクイズは成立した。
ヘリコプターでは絶対無理だ。
近年、低迷を続けていたかに思える「高校生クイズ」が復活した瞬間を見届けた様で、深夜に「祝杯」を挙げたくなった。
1992〜1994年「高校生クイズ近畿大会」で出会った約3万人の高校生たちは50歳前後になっているだろう。
彼ら、彼女らの記憶の中に「高校生クイズ」はきっと永遠に刻まれている事に違いない。
「アメリカ横断ウルトラクイズ」の復活が望めない今(一本、億単位の予算がかかっていた)、「高校生クイズ」だけは「後世」に残して欲しい。
「TRANS AM ULTRA QUIZ」、僕は永遠に忘れない‼️