たとえあなたを忘れても
今日、ドラマ「たとえあなたを忘れても」の最終回を観た。
浅野妙子の脚本が素晴らしすぎる。音楽も身体に沁み渡って来るし、大谷健太郎の演出も優しい。
主演の堀田真由、萩原利久、畑芽育、風間俊介、岡田結実、みんな良い。
ドラマって、「キャラクター」がしっかり書けていれば、その「キャラクター」が自然と動き出し、「キャラクター達」が「新鮮な台詞」を紡ぎ出す。
ユニークな「キャラクター達」が思いもしない「芝居」を生み出してくれる。
その事を再確認させてくれたドラマだった。
舞台が「神戸」なのも最高に良かった。やはり、大阪の「朝日放送テレビ」の制作‼️
先日、別のスペシャルドラマを観た。途中で観るのを止めようかと思った。
それでもいつかは面白くなるのでは無いか、と微かな望みを抱きながら、我慢して観終わったが、すごくがっかりした。
選んだ「テーマ」は良かった・・・のに。
「出来事」が次々と羅列されるのみ。
「キャラクター」が全く出来ていないので、「会話」が全く成立していないのだ。
やたら、「名刺交換のシーン」が出て来たり、「説明セリフ」だらけだったり。
「会話」(芝居)が書けないから、「短いシーンの連続」になるし、「余計な登場人物」を出さざるを得なくなる。
当然、「登場人物」同士がぶつからない。多分、ぶつけると収拾が付かなくなるからだろう。
すごく楽しみにしていたのに、すごくがっかりした。
「たとえあなたを忘れても」の様なドラマはなかなか作れない。
しかし、この10月期ドラマは豊作だ。
「大奥Season2」「いちばんすきな花」「ゆりあ先生の赤い糸」「たとえあなたを忘れても」と奇跡的なドラマを4本も観れたのだから。
先日、脚本家の山田太一さんが亡くなられた。
山田太一さんは映画監督・木下惠介の助監督をして、木下惠介監督の脚本作りに参加していた。
つまり、日本のテレビドラマの大きな波は、映画監督として初めて「テレビドラマ」の世界に入って来た木下惠介に始まり、山田太一に繋がり、そして、浅野妙子ほか、次の世代の脚本家に繋がって来た様に、最近僕は思うのだが。