今は無き遊園地
今はもう無い3つの遊園地の話をしたい。
1つ目は、大阪万博の時に作られた「エキスポランド」である。万博閉幕後、5コースあるジェット・コースター、ダイダラザウルスのうち、4番・5番の2コースだけ動いていた。万博の期間中は4時間待ちになる程、混雑していたものだ。月の石を展示していたアメリカ館並みである。
しかし、万博が終わるとアトラクションが少ない事が災いして、閑散とし、閉園を余儀無くされた。僕も家が近いので何回か行っているがダイダラザウルス以外、あまり乗るアトラクションは無かった。
2つ目は、「宝塚ファミリーランド」。阪急電鉄の経営。阪急宝塚駅から徒歩圏内で、かつての宝塚歌劇大劇場の真向かいにあった。
アトラクション「世界はひとつ」。人形がそれぞれの国の人になって、その国の象徴的な風景の中で歌い踊る。それを6人乗りの船で見て回るのだ。水に浮かんでいる感触が楽しかった。夏でも涼しくて、快適だった。
宝塚ファミリーランドと言えば、毎年夏休みに、「水木しげるの世界」という「怖いイベント」が開かれた。「ゲゲゲの鬼太郎」を中心に、水木しげるのキャラクターが納涼で僕らの肝を冷やしてくれた。
USJやTDRが出来て、この規模の遊園地でも立ち行かなくなったのかもしれない。
最後は、「ポートピアランド」。1981年、神戸ポートアイランド博覧会の際、併設されて開園した。広さたったの5ヘクタール。毎年、新アトラクションを入れ続けた。
僕はこの遊園地に何回か行っている。初めて嫁とデートしたのがここで、貴重な想い出の場所である。
1983年4月、入社したこの月、僕は東京での会社研修が終わって、大学の男友達と4人で開園したばかりの「東京ディズニーランド」を訪れている。TDLのキャストのユニークさに度肝を抜かれた。この発想はシャイな日本人には無いなぁーと思った。でも、物語に浸らせてくれるという意味では、ウォルト・ディズニーの発想の凄さに感心した。
しかし、閉園してしまった3つの遊園地にもそれぞれ僕なりの想い出があった。それは何事にも代えられないものだった。