イースター島
エールフランス航空でフランス統治領タヒチの首都パペーテに向かう。日本から10時間あまり。最終目的地はチリ領イースター島だ。
チリ領だが、イースター島に行くにはタヒチ経由の方が早い。ランチリ航空がタヒチ・イースター島・チリの首都サンチャゴの間を週2〜3便結んでいる。
日本から行く場合、いろんな旅行代理店に申し込んでも、それをタヒチの旅行代理店がまとめて、イースター島まで連れて行くのだ。
僕が参加したツアーは新婚カップル4組と男性添乗員と僕の10名。
現地のホテルに着くと部屋に。ベッドの下から何かの微かな鳴き声。覗き込むと子猫が震えている。スペイン語は分からないが、部屋の前で掃除をしていたおばさんに手振り身振りで子猫の事を伝える。
島内観光。雲ひとつ無い快晴。少し汗ばむほど。添乗員さんがしきりに写真を撮っている。訊くと、イースター島は南海の孤島ゆえ、普段は嵐の様に雨風が吹き荒れているとの事。彼は28回来ているが、こんな快晴は初めて。観光パンフレット用の写真を撮っていたのだ。
海の方を向いて並んでいるモアイ像。神々しい。お土産物屋さんへ向かうバスの中、お腹がぐるぐるなっている。
バスが止まると、新婚さん達がお土産物店さんに殺到。
僕は漏らしそうになっていた。限界だ。これ以上我慢できない。ポケットティッシュを手に握り締め、急いでバスの反対側に。民家の庭先で「した」。添乗員さんは気付いていた様だったが無言。申し訳ない思いでいっぱいだったが、新婚さんの乗っているバスの中で漏らす事には耐えられなかった。
僕のイースター島のいちばんの想い出はこれ。
二年後、東京・お台場のホテルで来日した添乗員さんと会った。僕らは既に親友の様に親しくなっていた。